観光地はいつも午前の匂いがする
車の音もまだわかい
ゆびさきもつめたい
あたまもどこか夢をひきずっている
そらがまだあたらしい
朝早くに腹ごしらえをして
観光にくり ....
にがつのあさが春にむかう
大連でもはるぴんでも青島でも
死の世界はかんねんてきな世界か
はるたちあがるあすは立春
節分がふゆとはるにき節を分ける
これをしもまた
....
ゴリラは騎馬戦をやりながら
俺も四十歳になったのかと
昔の初恋を思い出しながら
川の中に設置された
飛び石橋を渡って居た
ゴリラは{ルビ嘗=かつ}て沈黙の神と
恐れられたものだ
岩崎 ....
なんとなく
繰り返されていく今を
なるべく続けられるように
わたしたちは願い
歌うことさえした
歌うことよりも
大切な今があると知った
わたしたちは押し黙り
声を失いさ ....
時間は繋がっている
ようでいても 実は
繋がってはいない。
ただ
連続して 重なってはいる。
繋がっているのならば
常に未来は予想できるはず。
川に浮かべた笹舟の様に。
でも実際は ....
青空に月
こころは
もっと
大切なことに
とっておいて
鳴き雪がきゅっきゅとうたう銀の道、負けじと春の歌くちずさむ。
胸に手をおいたのは
あなたがひとりぼっちだったからです
手首をしばったのは
あなたの声がせつなかったからです
歯をかんだのは
ほねを愛する練習です
あなたと石を飲んだのは
ど ....
歩みが止まる
記憶が止まる
時間が止まる
そして
欠片だけが残る
その欠片を集める
あなたは
今
何を思うの
悲しいの
寂しいの
辛いの
幸せだったの
感 ....
割れた指先に機械油が染みて痛いという
まるでヒトゴトにそれを聞く
吹き荒れる風は私の首筋を叩き
ごっとりと前のめりになる背中になる
ふと
目の前にあのひび割れた指先が現れた
びしゃ ....
小学生だったころ
私の学年には不思議な男の子がいた
その子は明るくて
よく自分から私に話しかけてきていた
でもときに
独りで教室に鍵をかけ
隅で座っていることがあった
また他のときに ....
今日 はじめて夜の中に潜っていたのです
コルトレーンに導かれて
深く
深く
街並みを彩る光の その 奥へ
ほんの少しの明かりと薄くて広大な黒
を
見たのです
ケータイも忘れ
....
こんなに寒い日は君との距離を痛感する
ほんの数センチの立ち位置から生ずる隙間が遠すぎて
言葉を失う前に何かできる事はないかと
必死に君の目をみてそっと近づいたら
君の体温はむしろ少し痛くて ....
まぼろしのような毎日が辛い
家族ごっこ、友達ごっこ、恋人ごっこ
楽になりたい、
思う度に絶望する
私は一生、変われない
うつむいて歩く
笑顔の奥は、無表情
私はずっとこのままだ
....
街の中強い意志持つ台風は木々を倒して我儘放題
大切な人を亡くして目を閉じる闇を彷徨う思い出掴む
夜遅くメールで別れ告げられて打ち込む指が何度も止まる
後悔を先に立たせて擦り抜ける不安 ....
プレチピテヴォリッシメヴォルメンテ?
いいや、急ぎはしない
ただ
歩き続けるだけ
だが峠の茶屋の親父は
ウラル・アルタイ語賊の密偵だった
本性をあらわして
文末の妙技は鋭い鈍器のよう ....
産んでくれて ありがとう
絶望と悲しみの淵で
私もろとも沈まないでくれて
ありがとう
あなたのお陰で
今 私は生きています
生きていると
哀しいこと辛いことが多々あるけれど
生 ....
目に見えないあなたを
ぼくはなんどもコピーした
そして
年端もゆかない精神に
ぼくはなんども貼りつけていた
あなたの苦しみや痛みを
ぼくはじぶんのものとしたかった
....
『ちょっと、相談があるんですけど』
から始まった会話。
あなたにぺったりとくっついて尋ねた内容は
『どうしたら背が伸びるんですか?』
もっと深刻な話を予想していたあなたは
....
{引用=
君がいて ほどけるきもちにつくなまえ 留めるホチキスさがしているの
君がいて 境界線を塗りつぶす その為だけの世界地図買う
君がいて きゅうにほしくなっ ....
100128
台風の日は
窓を全開にしてください
窓があると
空気抵抗が増して
壁が潰されてしまいます
強烈な風に
窓から窓へと
通 ....
ウソの玉ねぎ
剥いて
剥いて
むいたら
なくなる
嘘のボク
「トラはトラじゃないんだよ」
「・・・ああ、トラって呼んでるだけってこと?」
「ちょっと違うけど、そんな ....
おもいで
10円玉を握りしめたいつかの少年が泣いていた
こんなにも近くにコンビニがあるのに
駄菓子屋という夢の国は遥か遠くで
疎開してしまって
コンクリートだらけの街並みはいつも ....
小さな音で聞く
古い音楽のように
今日の何処かに住むような
哀しみであればいい
何より大切な光だと
思えた瞬間を
ふいっとこの手のひらに
思い出せればいい
東の ....
パチンコのホールマネージャーは職種で時給を差別するのを嫌って居た
清掃も接客も内容に違いはあっても
労働の価値に違いは無いのである
と言うのが彼の自論であった
接客はそれなりに心労を伴うが手待 ....
起きたてよりも
身体を少し動かした時に
命が整うように思う
偶然開いたページに
誠実に伸びている轍を見つけると
命が整うように思う
なんでもない日
みそ汁をのんでいると
命が整 ....
鉄くずが
泣きやんだ
そんな
気がした夕暮れだから
昔ばなしはおしまい
今日はおしまい
◇
踏まれた枯れ葉が
くすっと笑って飛んでった
きっと誰しも
そうや ....
叩かれた
殴られた
蹴られた
常に恐ろしい存在だった
決して逆らわなかった
母に気に入られるように
顔色を伺って生きてきた
いつもどこか緊張していた
心の底から甘えた記憶はない
....
瞼をおろす瞬間を、捉え
コンマの世界は動き出す
1から10までの呼吸で
張り付いたのぞき窓
乾いた風と枯れた土
ささやかな幸せとやらは
この集落ではまだ 咲いては、いない
....
夢とやら希望とやらがない場所に
袋に詰められ
ぽいっと投げ出されてしまったよ
夢とやら希望とやらを喰らって生き続けてきたからさ
飢え死にしろってことなのか
しかも袋詰 ....
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