感情というものは
外に現れようとする衝動ですから
奥歯で
ギリギリと音を立てれば
痛そうに響くもの
すべて捨ててしまったと
言う人は
一つ何かが増えるたび
ただ恐ろしく感じます
何か ....
桃色の想いが
花ひらく その時に
わたしたちも
そこにいさせて
祈りに似た
ときめきのトキを
ふたりで感じていたい
わたしたち
少しずつだけど
一緒に歩きながら
くりかえし ....
私はせっかちで
寄り道とか
大嫌いだけど
だけど
君となら
遠回りしてもいいよ
少しだけ
月のゆれる帰り道
この世の中に
違和感を
持たなくなったら
それこそ
HA ....
あなたの気持ちは
ぼくには
永久に分からない
ぼくの気持ちも
だれにも
永久に分からない
あなたのイタミは
あなただけのもの
ぼくがどんなに
理解しようとして
自分を傷 ....
アンドロメダの人よ
時折、
喧騒が吹き過ぎた
ほんのつかの間に
あなたの姿が
淡く とどきます
ともすれば
見落としてしまいそうな
線は
星星をつなぎながら
のびて、の ....
もう10年以上
君のナイフは
ぼくに
刺さったままだ
君が誰かに
サービスしている
その間にも
ぼくの傷口からは
鮮血が流れ続けている
ぼくはナイフを
抜いたりはしない ....
雨が降ったり 風が吹いたり
お陽さま照ったり雲隠れたり
絵本か童謡のワンシーン
そんな空だ 今日は
明け方の夢影は
大きな波でおしよせ
ひどくざわついたけれど
この天気で許せるかな
....
『麻薬書簡』は読んだが
麻薬はやったことがない
ほんとうにハイになっちまうのだろうか
ハイになると何が見えるか
ハイになるとどんな音が聞こえるか
....
僕が君の恋人でなくなって
君からおとうさんと呼ばれるようになってもうどれぐらいたつだろうか
人並みに恋をして結婚した僕たちは
人並みに親になって家庭というものを築いている
僕は君を昔のように呼 ....
ぼくの言葉は
世界の質量に捻じ曲げられ
沈黙のブラックホールから
抜け出せないでいる
ここでは時間が
ゆっくり進む
40分経つのに
10億年かかる
ぼくという質量を
....
1 一 一つだけわがまま聞いてくれるなら曲馬団には売り飛ばさないで
2 二 二人ともそれぞれに夢を見て眠るとてもよく似た夢ではあるけど
3 四 鶴亀算宿題ならばよくお聞き、坊やよ亀の足は ....
猫を殺す夢を見て
汗だくになって飛び起きた
飲みかけの
ペットボトルのミネラルウォーター
冷蔵庫から取り出して
震える手でキャップを開ける
雨の匂いに誘われてベランダに出ると
こ ....
この背中に
烏のような
黒い翼
つけて下さい…
気が狂いそうな
激しい歌が好きで さぁ!
でもお前には聞かせてやんない
俺の大好きな歌 だよ
生きている事が
楽しくて仕方 ....
ラブ&ピースは聞き飽きた。
愛や平和を、よりリアルにしても、逆説的に浮かび上がらせても、結局そこまでの距離は変わらないんだ。希望や夢も同じ、何かに近づこうとするとき、そのアプローチの仕方を考える。 ....
逆立ちしてもできるんだと
空に向かって股をひろげたその子は
倒れたあと少し悔しがり
今度は大の字になって
世界に向けて発信中と叫ぶ
その子は誰にでもピースする
やめなさいと言いたくなる ....
若く情熱があり頭の回転の早い人たちは、はやく自分が何者であるかを定義したがる
早く世界に出て自分の態度を説明しようとする
どれだけ自分が一人前であるのかを社会に認めてもらおうとしている
分かる、 ....
歩けもしねぇヤツが、走りたいとは言うもんだ。
飯も詰め込めないその胃袋で、精々胃液でも吐いてやがれ。
死にたくねぇなら格好つけんな。
人生も恋愛もセックスも、ただの間抜けな事でしかねぇよ。
....
僕はただ入りたかっただけなんだ
僕は一生懸命みんなを僕の中に入れたつもりだよ
どれだけ入るのかな?
自分の大きさなんて分からないよ
誰が教えてくれるの?
でも、君は受け入れてくれたよ ....
この無限の宇宙の一点で
この無限の時間の一点で
君は
失われた
きつく抱きしめた
ぼくの腕の中で
ぼくは
あの特異点を探している
漂いながら探している
この無限の ....
「風の強い部屋」でした
後から後から津波のように
強い風が吹き寄せてきて
カーテンも
ソファも
窓も
床も
天井も
何もかも吹き飛ばして
部屋はなくなってしまいました
「風の強い部 ....
初めて 制服を着た あの日から 早6年過ぎ 卒業す
僕の名前はベンジャミン。
昨日の夜、月をながめていたら、かぐや姫が降りてきた。
あなたを迎えに来ましたなんて突然言われても、僕は困ってしまうので丁寧に断ったのだが、かぐや姫はやけに必至で、なんでそ ....
この世界の崩壊を
ぼく自身の修復を
無限のピースを
はめ込んでゆく
気のせいだろうか
ぼくの周りに
散乱したピースは
増えている
昨日よりも
増えている
このパズル ....
鋼鉄のキリンどもが
夕陽に照らされて
朱く燃え上がりはじめると
このありふれた景色にも
特別に美しい瞬間が訪れる
陽が落ちきるまでのほんのわずかな時間
第3セクターで作られた
この海 ....
風が吹いたと思ったら
あなたはもういませんでした
見上げた空には
枯葉が一枚舞っていて
届きそうで届かない
私は
待っているのをやめて
風になろうと決めたのに
枯葉は ....
わたしはあなたを抱きしめて殺す
わたしはお腹を撫でながら泣く
ぼろぼろと泣く
両手に涙がたまったので
涙をお腹に擦り込む
気がついたらあたりは大河
汚濁した黒い水
さぶん
わたしは潜る ....
雀がちゅん
川面でちゅん
三時のおやつを探してる
岸辺の葛の葉しらんかお
空に向かってあくびして
見えない月を眺めてる
傍には眩しいお日さまが
にこにこ笑う日曜日
....
春は日本に飽きたら夏に押し付け
夏が日本に飽きたら秋に押し付け
秋が日本に飽きたら冬に押し付け
冬が日本に飽きたら従兄弟の春にお下がりとして与えてる
四季は美しいように見えて
我侭兄弟な ....
ぼくらは殺し続けるのか
この手を失うまで
ぼくらは傷つけ合うのか
この舌を失うまで
ぼくらは偏り見るのか
この目を失うまで
ぼくらは走り続けるのか
この足を失うまで
子 ....
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