細かにえぐられた容積を抱え込む椎の木立が潜熱としての意味を失う地点であてどなくさざ波は広がる。枝間からこぼれ落ちる木の葉ははじまりを告げる単音を虚空に受精させ大気がむららと熟するのを苔のように待つ。
 ....
誰にも追いつけない夏の雲をそっとちぎって
こっそりと少女にわけてあげました。
ワタナベ『リフレイン』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=34796
丘 光平『壁』
http://po-m.com/forum/showdoc.php ....
青い鳥が青いのが
当たり前だと思ったら

僕らは青色を見失ってしまう

手放しても惜しくもなく
逃げてしまっても気づかないままに
そしてまた
青い鳥を探すのさ

見つけるため ....
お昼の雲に
あなたを見つけようとしています

風がゆるく吹き
低気圧を含んだ雲が、南からの春風に押され
違う国の雲になろうと準備していました
静かな、わずかな運動です

雨が細く降って ....
通り過ぎる車のライト
棘のように
瞼に突き刺さって抜けない

つめたい耳朶に
くちびるを寄せる

わたしは
誰でもなく
ここは
何処でもない

通り過ぎた車のテールランプの
 ....
DeadMan’s Walking!
DeadMan’s Walking!


鎖で繋がれた囚人が歩く
灰色の壁の中の
今にも落ちてきそうな
空の下で

「僕は元気でいます。」

 ....
すべての人には名前があり
すべての名前には願いや祈りがこめられている

殺す者に名前があるように
殺される者にも名前はある

殺す者になるために付けられた名前などなく
殺される者になるた ....
地面に
落ちるまでの間
ずっと、
俺が
抱きしめてやる
多感な馬鹿
果敢な馬鹿
彼岸の馬鹿
此岸の馬鹿
対岸の馬鹿

たおやかな馬鹿
物静かな馬鹿
小うるさい馬鹿
夢見る馬鹿
現実の馬鹿
石橋を敲いて渡る

三途の川も馬鹿
地獄 ....
{引用=伝わらない色々を
伝えようとする色々でかきまぜれば
伝えたくてしかたがない}

口にすれば単純な言葉ほど
意味は遥かに広く遠く薄れて消えそうに思えて
やはり口にできない

人を ....
むずかしい詩は
よく理解できないよぅ
きみが噛みくだいて
風邪をひいたぼくに
くち移ししてくれた
かたかった肉みたいに
やわらかい詩なら
ぼくは嬉しくなってしまう

目玉からげろをは ....
コートを綺麗に着こなした
ド田舎生まれのサラリーマン
彼は若手の中では期待の新人で
そんな彼の口癖は
「まぁいいや」


「もしかして。もしかして?」と願い続けて
願うだけでは足りない ....
脅迫です。
書いたから読め、ということです。
2回ほどありますよ。この寡黙でおしとやかでシャイな砲丸投げ選手として活
躍しているMonkさんも。こっぱずかしいですよ。誰かのために詩を書いてそれ
 ....
四月とはいっても
まだ肌寒い明け方の空気の中
酔っ払ってるふりしてビニール傘振り回しながら
お初天神あたりを踊るような足取りで

そうやって
無理やり気持ちに火を点けて
疲れてるのとか
 ....
未知の詩人へ:
 

 この広い宇宙を
 僕らは言葉で旅をしている
 僕らにとって言葉は
 単なる記号だ 
 それ以上でも以下でもない


 言葉は僕を裏切る・・
 愛すべき人に ....
唇は荒れたまま

ただ、息漏らし

一人、部屋の中


聞こえるものは己の心臓

見えるものは夜映す窓

触れるものは孤独の闇

吸うものは有り触れた酸素

握るものは遠 ....
さかさまつげ と診断され
父に手をつないでもらって
眼科に通って いた頃

診察してくださった先生は
遠くをみつめなさい と言った

遠くの山の緑 遠くの景色を
とても 眼にいいか ....
雲の切れ端から白い光
ランダムに差し込んで
手持ちぶさたの傘照らす
陽はもう長い午後五時

買い物客の自転車に
ぶつかりそうになるのを
よけながら歩くよ
高架下フルーツ百番前

君 ....
   私は
   死につつあった
   胸のあたりがすうすういった

   テーブルの上に残されたファイルや
   鳴りっぱなしの電話

   葉子の顔は
   私を覆ったままだ

 ....
クレーターの端っこで
眺めていたのは地球だった
あそこに僕の体験の全部がパッケージングされている


傍らにはエジソンが立っていた


(こんにちは)

の形に口を動かした どうせ ....
雨粒が落ちるのとほぼ同じスピードで
わたしも落ちていっている
雨粒とわたしの相対的な速度は
限りなくゼロに近く
わたしの周りで静止した無数の雨粒は
刹那と永劫の境界線上に
ありえないバラン ....
{引用=二本の線が近づくとき

強くひかれあう
お互いをただ求めれば
いつか交わり 
やがて離れてゆくもの

けして交わることのない平行に引かれた
二本の線は淋しそうな隙間をのぞかせて ....
消しゴムで消してしまえるような
軽い痛みだけ僕にください
怖くなったら部屋の明かりをつけるように
忘れてしまえる痛みだけ

新しく僕の隣を歩く人は
僕に何かを与えようと躍起になっているけれ ....
連なった 愛の言葉は そのまんま ラヴソングにと 変身していく。
右に
傾いて
安定せず
よろめいて
箱庭の片隅で
一筋の濁った夢
あるいは妖艶な爪
感じ合う二人の側で
幽霊が笑っているんだ
仕舞い忘れた毛布の中に
時期外れの扇風機の羽さえ ....

幾ばくか、やわらかくなった夜がそこにあります
空からしゅるしゅるとひも
カチリと引っ張っても、暗い空色が点灯するだけでした


明け方
種子が射し始めた光に休んでいます
海を思い出 ....
今日もまた
いのちを食べた

レストランで
洒落た皿に盛り付けられて
テーブルに運ばれてきたけものの肉は
数日前まではオーストラリアの牧場で
緑の草を食んでいたのだろうか
ナイフで切り ....
母をおくる と
おそらく
わたしの半分が終わる

半分が終わる と
わたしには
守るものがたくさんあって

後戻り
できないことも
また
たくさんあるのを知って

さみしさの ....
夜、下町の小さなアパートで
卓上電灯の明かりを頼りに母と子は
おもちゃのロボットにシールを貼る
内職をする

一つ貼り終わるたび、子は
十銭、二十銭と数えながら
一円になるたびに正の字を ....
蜜さんのおすすめリスト(732)
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DeadMan’s_Walkin…- 虹村 凌自由詩3*05-4-22
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安楽死- 043BLUE自由詩8*05-4-22
馬鹿につける形容詞- 小池房枝自由詩17*05-4-21
ありふれた愛の歌- ベンジャ ...自由詩6*05-4-21
やわらかい_にく- 虹村 凌自由詩6*05-4-21
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「手紙」- 043BLUE自由詩305-4-20
消されずに(生き残れず)- 完食自由詩4*05-4-20
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