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影かすめ
   ふり返り  だれも


――夏よ
荒ぶる生の飽食に晒された{ルビ石女=うまずめ}よ
あの高く流れる河を渡る前に
刺せ わたしを
最後に残った一片の閃光をいま
仰向けに ....
 それぞれを組むと九つの詩ができます

1.ところ
 A.霧にけむるノスタルジイの森林
 B.磁器の王国
 C.ひとけのない商店街
 D.海のうえを走り抜けるフリーウェイ
 E.動物 ....
ベッドの上に横たわり
胸の上で組まれた手が
呼吸に合わせて上下する
その規則的な動きを凝視し
眼を逸らすことが出来ない

肉厚のごろんとした手は
ずいぶん年老いてしまった
額の皺も ....
ラベルを剥がしたビデオテープ
広げたままのけばけばしくて薄っぺらな雑誌
勘定書や生ゴミ 積ん読の本の山
段ボールの箱からこぼれた新聞紙

その陰から
ひょっこりと覗いている
 ....
お子さまからお年寄りまでみんなに人気の定番メニュー、
コアセルベート・スープはいかがでしょうか。

まず恒星の素を用意します。恒星の素はガスまたは液状です。
缶やビンに入ったものがスーパーで売 ....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです

地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
ピンク色の
豚を飼っていた
あのころ
わたしたちはいつも
豚のことで
毎日のように罵りあった

朝も昼も晩も夜中も
ブゥブゥ鳴いた
楽しいときも
深刻に話しあうときも
寝ていると ....
ひなどり食べたい
焼き鳥の
ひなどり食べたい
炭火焼き
やわらかな肌も
こそばゆい羽も
なにもなく、
私がほしがっている
香ばしい肉や
串刺しの美が
ただあらわになっているだけの
 ....
キスのやり方なんて忘れてた

なのに君は僕の気持ちも聞かずに
その潤んだ瞳で見つめて
何の前置きもなく小さな唇を
その潤んだ瞳を閉じることなく
ためらいもせずに何度も

そういう僕も目 ....
木の音
水の反射
日なたの匂い

奪われたあと
残るもの


木の匂い
水の音
日なたの反射

午後の恐竜    ※
砂に埋まる墓碑


言わないさあれこれ
ひと ....
夏バテしちゃって
ソーメンばっかり食べていて
しばらく米を食べてなくって
米びつの米はほっぽらかしで

へんだなあとは思っていた
締め切りの部屋に小さな蛾が群れ舞うから
妙だなあとは思っ ....
年寄ると
雌牛の乳房はずるりとながい
地面につきそうなくらい
搾乳器にもかけにくい

隣の牛に踏まれると
乳房が裂ける
裂けると
いつものおじさんがきた

麻酔したのかしないのか
 ....
おふろに一緒にはいってくれるきみへ
にくにくしいねといったときに
なぐらないでくれないか
わたしはこんなにほねほねしいのに
といったときに
胸のふくらみをつつくのをやめてくれないか

と ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね

「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです

ついに私達の娘は
ロングス ....
扇風機だけがうざったく回る午後、
夏の気温や引力が肌にまとわり付いて離れやしない
呼吸器官を悪循環というカタチで巡り回るであろう、
このタバコに火をつける瞬間でさえも気に入らない

さあさあ ....
樹皮から生まれた
雨の夜に生まれ
落ちた
気がつけば土のなかにいて
根の森のなか
迷わず
根の細い方へ向かった
沈んでいった
――海も陸も底は暗い

まどろみながら
土と根とにひ ....
太陽は権力の匂いがする
スピキュール、フレア、黒点、がひろがる
すべすべした君の肌から黒いレモンが香る。

君は喪服でフランス人形みたいに愛くるしくて
黒いレモンのペンダントをしていた
泣 ....
私、昔から忘れ物をよくしましたわ
給食袋、体育官シューズ、宿題、傘・・・数えだしたらきりが無いほど
それに最近色々と
忘れている気がしたりもするの
ガスの元栓?家の戸締り・・・?
あらあら
 ....
たわしはもう
わたしのことなど忘れて
海に帰ってしまった

たわしのかわりに
いわしで風呂の掃除をすると
少し生臭かったけれど
自分も海に帰れたような気がして
そのような気がして

 ....
たわしを買ってきたわたしは
綺麗な洋服を着せて居間に飾った

たわしはどこかわたしに似ていて
わたしは一度もそのように飾られたことなどなかった

日曜日
わたしはたわしを使って風呂掃除を ....
あのね
巴里の空はこことは違って
涙みたいな色で
それを見ながら
少しだけあなたに逢いたくなった
揺れた珈琲はこの涙が原因で
何だか少しだけあなたが恋しくなった
昔みたいにあなたに笑えな ....
たとえば
クロワッサン と アールグレイ・ティー の 朝食
よろしければ目玉焼きも付けますが

たとえば 
チャーハン と コーンスープ の 昼食
よろしければしゅうまいも付けますが

 ....
白糸雅樹さんの自由詩おすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏石女- ただのみ ...自由詩14*17-8-30
快感原則- 佐々宝砂自由詩1105-11-6
その手に- 落合朱美自由詩10*05-8-12
グラスのなかの暗い液体- 佐々宝砂自由詩3*05-4-12
コアセルべート・スープのつくりかた- 佐々宝砂自由詩9+*05-4-8
天動説の子ども- 窪ワタル自由詩22*05-3-9
わたしたちの豚- アンテ自由詩5*05-3-4
ひなどり- かなりや自由詩1*05-1-16
禁じられた口づけ- ベンジャ ...自由詩13*05-1-2
感傷旅行- 大村 浩 ...自由詩10*04-11-6
コクガ(百蟲譜46)- 佐々宝砂自由詩7*04-8-10
むかしばなし3- 佐々宝砂自由詩6*04-3-3
きみに- 竹節一二 ...自由詩803-12-18
エミリー・エミリー- いとう自由詩63+03-11-24
告白- 山内緋呂 ...自由詩35*03-10-24
受け継がれたくそったれ- 示唆ウゲ ...自由詩203-9-15
幼年- 渦巻二三 ...自由詩3*03-9-14
『レクイエム・レモン/ひかり』- 川村 透自由詩603-8-14
物忘れ- 暗闇れも ...自由詩303-8-11
それからのたわし- たもつ自由詩803-8-11
たわし- たもつ自由詩603-8-11
巴里の空- 桐嶋 あ ...自由詩1*03-7-25
はえがたからないようにして- かなりや自由詩5*03-7-14

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