すべてのおすすめ
古い教室の机の落書きのように
六月は音も無くひっそりとしている
机は時々降る雨音に聞き耳を立てて
暗い机の隅に棲む名もない蜘蛛と
会話を楽しんでいる

すでに廃校となった校舎の屋上で
昔 ....
季節を食べ終えて妖精は床下に眠る

たてものの屋上から見える木
その枝の集まりにはカラスが眠る
昼間、子供たちに小石を投げつけられたのだ
ときおりの短い夢にぶるっと身震いしながら眠る ....
二〇二〇年一月一日 「ウィルス」


 あたいの携帯、へんなウィルスに感染しちゃったみたいで、勝手にアドレスを書き換えられちゃってて、知らないひとにつながるようになっちゃった。でも、偶然 ....
深く落ちていく
独りのたましいが棲む処へ
切迫する恐怖に立ち向かい
遥かな声の木霊に安堵して
どよめくその先を目指していく

わたしはもうなにもいらなかった
貴女の在り処さえ確かめられれ ....
白く光る田舎の道を
カンカン鳴り響く踏切越え
海に向かって歩いていた

薫る潮騒、うねる波
何処までも続く浜辺に座し
わたし独りのたましいが
水平線を覗き込む

 遠く船が落ちていき ....
その日
僕の存在は失われていた
川は何もなかったかのように流れ
まわりの人々は息をし、笑い
変哲もないことを話していた

できるものなら僕は
思考さえ失われた
本能だけの野鳥になりたか ....
地球が終わりの日
外ではモンシロチョウが飛んでいた
私の中ではすべてが終わり
平穏な終焉が訪れようとしていたのだ
何時如何なる場面でも脆く落下しそうな形態で
モンシロチョウは飛んでいた
  ....
緩やかな風が吹くようだ
穏やかな陽射しが降るようだ
わたしは微かに震えている
遠い記憶の化石のように

何も此処から始まらない
永遠に時間は止まっている
宙空に太陽が輝いて
優しい無関 ....
悪いことがあっても
悪いことも
こころの糧にすればいい
物は考えようです
闇に光るこの魂



「気楽に行こうよ」
と自分に言い
青空の下で
見上げると
光る風



 ....
春風は
千年前も吹いていた
桜を散らしてビル風は吹く


悲しみを
じっとして聴き耐えている
時間よもっと速く流れて


ゆうれいの
フリをしている月を見て
指さし ....
蒸す日だった
私たちは山林の中の枯葉の上で
一服をしている
同僚の、ほぼ禿げた頭部が汗に光り
涼風が渡っていく

目の前の葉では
太さ一ミリに満たない、尺取虫が
長い首を伸ばし ....
僕たちの時代
ソメイヨシノは
満開になつて
散つてゆくよ
雪より尖った
花びらが
僕たちの心に
積もつてゆくよ
大丈夫だよ
大丈夫だよ
亜種悪種の
サクラが散るよ
大丈夫だよ
 ....
川原に浮かんでいるのは
ほたる
闇の空気を纏い
黒い重みに浮かぶ
森の深遠のそばで
悲しみの傍らで
現実の重みから脱皮して
ほたる  ほたるよ
粘る闇が重い空気と連結して
夜をもてあ ....
不安が尽きない
けれど この不安があるから
気を付けようと思う
その時はその時だ
いずれ果実は実る



{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
静かさへ 帰っていく
静かさの深淵へと
降り続ける雨に濡れ
次第に方位を失いながら
次第に意識は目醒めながら

あなたを見つけることはない
あなたに達することはない
あらゆる比喩の後ろ ....
ぼくは宇宙の一過性のノイズに過ぎないが
きみも深海生物の末裔に過ぎないではないか

とりあえず会話は成立するが
ちっぽけな男が地球を見降ろしている
この世界の現状に最後まで抵抗する民衆であり ....
ロリコンの僕はモハメッドのラジオを聴く
モハメッドは神託をもとに新しい世界を提示する

でも新しい世界には僕は居ない
絶対零度のユートピアに自生するメタセコイア

水深3000メートルの暗 ....
雨が降りそうだからこうもりを持っていけ
出がけにそんな言葉をくれた人はもういない

傘のことをこうもりと呼ぶ人はもういない
雨に打たれることを案じる人はもういない
雨に打たれたことのある人は ....
二〇一九年十二月一日 「日付のないメモ」


 飛び降り自殺する直前に、窓の外から覗く、さまざまな部屋のなかにいる人間のことを書くというのはどうか。トラックにひかれそうになったときの時間感覚のこ ....
ぽっと灯りがともるような
そこだけ救われていくような

歩き始めたばかりの幼な子が
強風のなかゆらゆら立っている
生きて、息して、活き活きと
強風のなか立っている

春は生命の胎動と
 ....
インターネットがなければ私たちは幸せだった?
私たちが死んでたらあの子はまだ生きてた?
そんな問いに意味はないと夢は心に傷をつける
目覚めたら同じ形の人間を探しなさい
上手く見つけられたら ....
いつもだったら
爪切りで刈り取ってしまうのだけど
うっかりしているうち
それが
ニョロニョロになってしまったので
育てている

明日を思いわずらうなと
私の人差し指の先に生えた
ニョ ....
風が吹く
青空が落ちて来る
ゆるやかに
初めて開かれる瞳のように
巻き込まれる、夢の兆し
うねり透明な時が訪れ
大地から外される、天へのきざはし

此処で踊り此処から突き破る
此処で ....
一面のチューリップをそよがせよ

春に かなしみに
あまりにもふるえ 透きとおってしまう
心臓のために
言い訳のように長く伸びた鉄塔
前の季節の影を踏まないでおくれ
きみは軽くステップする
なびいた前髪がまた元に戻る前に
青空の中で見た雷のように

不衛生なものが溶け出していくんだ
ぼくの ....
わたしが生きているこの場所は
冷え冷えとした哀しみと
沸騰する歓びと 
あなたの透き通るその声が
夜な夜な交差するところ

離して、離して
遠退けず
ノイズまみれの花が咲く
花咲く脳 ....
緩やかに
風が流れる
弥生の宵、
懐かしい匂い
鼻腔を巡り
大気圏から降って来る
息吹く命の源を
ゆっくり静かに呼吸する

 あゝ魂はうっとりと
 息吹く命の香に包まれ
 何処ま ....
この模造を容認して欲しいのだ
誰も狂気を取り扱えないのだけれど

この贋作を許容して欲しいのだ
せめてものきみのへ土産として

収監されるきみへ残り少ない愛を

僕たちはじゅうぶんに生 ....
朝には
忘却している、
昨日にいざこざや喧嘩も
あったとは思うのだけれど
夢の
残滓と共に
ちりぢりとなって
雲として
流れゆく・・・


朝に
騙されていようと
ニコチ ....
二〇一九年十一月一日 「断片」


彼の顔に答えをさがしていたが、いっこうに見つからなかった。


二〇一九年十一月二日 「断片」


彼は自分の考えのなかで方向を失い、迷子になって ....
ちぇりこ。さんの自由詩おすすめリスト(938)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
六月- 山人自由詩5*22-6-3
星の観察- 自由詩13*22-4-23
詩の日めくり_二〇二〇年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-4-11
All_I_Need- ひだかた ...自由詩522-4-1
永遠- ひだかた ...自由詩4*22-3-31
できるものなら僕は- 山人自由詩3*22-3-31
モンシロチョウ- 山人自由詩3*22-3-31
静止画- ひだかた ...自由詩422-3-30
※五行歌_三首「ありがとうを深く」- こしごえ自由詩1*22-3-30
春の新月- 秋葉竹自由詩522-3-30
山林にて_'18/05- 山人自由詩3*22-3-30
ドラミちゃんのはなうた- 足立らど ...自由詩422-3-30
- 山人自由詩4*22-3-30
※五行歌「実る」- こしごえ自由詩1*22-3-29
比喩の回廊- ひだかた ...自由詩622-3-28
ノイズのうた- マークア ...自由詩822-3-28
ロリコンのうた- マークア ...自由詩422-3-28
蝙蝠- そらの珊 ...自由詩822-3-28
詩の日めくり_二〇一九年十二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-3-28
春の君- ひだかた ...自由詩422-3-27
眠るあなたを起こしたらまた土曜日が始まる- mizunomadoka自由詩422-3-27
ささくれ- そらの珊 ...自由詩11*22-3-26
初めて開かれる瞳のように- ひだかた ...自由詩722-3-25
春の指令- 塔野夏子自由詩7*22-3-25
春のように生きよう- 微笑みデ ...自由詩622-3-25
わたしが生きているこの場所は- ひだかた ...自由詩6*22-3-23
緩やかに、春- ひだかた ...自由詩622-3-21
葛飾慕情- マークア ...自由詩622-3-21
自由詩「朝の詩(うた)」_2022.03.21(月)- 田中恭平自由詩6*22-3-21
詩の日めくり_二〇一九年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-3-21

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32