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ゆれる 梢があって
旋回する 翼があって
時に 空を見ていると
無性に 突き立てたくなる
動けるものを
動けなくするため
叫びたくなる 裂けるほど
ちぎられた 雲があって
焦が ....
聞こえなくても 揺れは
しずかに からだを
くすぐる
鈴の数だけ 徳をつみ
旅してきた といううわさ
お前 りりん
音に連れられ
クロスワードで
世界を助け
ファッションシ ....
小さな啄木鳥が
枝のむこうに
隠れて鳴いている
霜に白く
苔に覆われた墓石の上に
戯れる小栗鼠
韜晦する記憶のメレンゲ
青い雫
仄かに紅く冷たく
かじかんだ耳たぶに
触る
....
次々と
完膚無きまで
叩き潰し
肉の断片まで踏み潰し
俺を裏切った人間ども、
無へと掻き消す
夢見した、血塗れ
悪夢、一晩延々
充満する憎悪と憤怒
右の拳だけで
殴り続け
両 ....
死なないでと言われた命
ここにある。
死なないでと言ってくれた
あなたの気持ちは
天より高い
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
低い天井に音楽が響く
裸の天使の鳥籠のよう
ひりひり見開く傷口
冷凍肉のかたまりに
ガラス金属プラスチック
カラフルな鋲をボウルいっぱい
焦点を拒む視線
ただ瞳の中にゆれる灯が
焦 ....
冬の月
凍った音色で泣くくせに
地上に夢を降りそそぐ
その小道には
深夜から
降りはじめていた粉雪が
うっすらうっすら残ってる
いまは止み
みあげた夜空に浮かぶ月
キラキラ ....
○「僕は生きてきました」
僕は生きてきました
昭和平成令和と古希まで生きてきました
笑ったり泣いたりしながら
真面目に生きてきました
特に賞もなく罰もなく生きてきました
これからも普通 ....
ときどき
胸がつまるような感覚に襲われ
苦心して 小さい毛玉を吐くのです
それから少し楽になって
ソファの 昨日と同じ場所に
まるくなります
窓の外が
この頃妙に明るいと思ったら ....
ピーナッツ食い散らし
焼酎ちびちび飲んでたら
いつのまにか
肉体の熱、戻り
でも何かが変、
脳髄痺れたまま
意識、鮮明に
向かいの家の橙の灯り、点り
今夜、音楽に浸らず
自ら ....
川辺にて
女達の洗濯する
波紋が広がり
空の青に
染まる、
輪っか輪っか
ただ楽しげに眺めている、
神様が いる。
肉体の
ドクドク脈打つ
鼓動に冷え切り
迎える、
この夕べ
意識、鮮明
世界はこの白い小部屋
だけ
誰かチャイム鳴らす
チャイム鳴り続ける
なんだろう
私のなかで
何か ....
家の中に橋ができた
これでやっと
居間から台所まで行くのに
濡れることも
敷地外を迂回することもなくなる
僕らはこれまでの苦労話などをして
それから橋に名前をつけることにした
けれど ....
冬の夜
冬の厳しい張りつめた大気が
私の皮膚まで突き刺さる
その刺激が身体と精神を固くする
ヒーターの温風だけが柔らかい
部屋の中は猥雑に生活が染みつく
目を閉じて掌に感覚を集 ....
しずまりしずむ
こころのおくで
なにかがいように
ことばをつむぎ
わたしにしずかに
かたりかける
どこでもない、
こここそむげんの
うちゅうのひろがり
わたしにそうかたりかける
こ ....
この冷える夜に
火を焚き付ける
哀しみに貫かれ
遠く眩む空、
割れ裂け
一番星、出ているよ
言った父、悪夢にベッドで横走り
狂った母、墓標叩きながら
二人、亡き家の
梅の木に寄り ....
ちょっといい気になって
調子に乗っていたのかも知れない
詩の投稿サイトのある詩人に
詩が安直すぎると指摘されて
ヒヤリとして我にかえった
アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」の
ぼっちのことを ....
魚が星を眺めている
水の中には他に
眺めるものがないから
魚はただ
そこにいないかのように
ポカンと
存在だけがある
ふと最終列車が到着する
魚は乗り込み
自分から遠 ....
陽が落ちて
病、鎮まり
床に座す
日々ほぼ独り静観思索し
透明な湖面を滑るように
夜を迎える、
病の様相、伺いながら
病の苦痛、耐えながら
激すること抑え、狂うを正し
冷え切る肉 ....
冬の朝の荘厳な空気
凛とした張りつめた冬の気が
壁を隔てた部屋に座っている
私の身体の皮膚まで
突き刺すように浸透してくる
それでも
感情と思考の振幅は
動くことを止めない
揺れ動 ....
夜底のしずかさ、感じた昨夜
解体していく雨、冬の冷え
降ったり止んだり、繰り返し
脳髄の苦痛は朝から、鋭く
引き摺られる意識、この肉の体
耐えては努める、今日一日
夜底のしずか ....
木星、輝いて
夜の冷気に
橙色の灯り
向かいの家
スッとする、すっとするんだ
わたし
またピーナッツ頬張りながら
夜の深まりを
感じ 静まり
未知の明日を 請い願 ....
君はさながら落下した蝙蝠
五体投地のごとく身を投げ
泥に翼を打ち付けながら恍惚と匍匐する
堕胎した言葉の数々を
霧の森の果てる處に埋めに行く
生まれよう ....
昨日は三時頃に昼食を食べたので
夕方に洗い物をした時に
水に漬けておいた時間が短すぎて
炊飯器の内釜にこびりついた米を
かき取ることが出来なかった
それで米を炊くことは諦めて
八時に車 ....
初冬の光は
ちょっとあたたかで優しい
川のほとりで
すすきが日光浴している
若いすすきは
つややかな穂先をしならせて
本当の冬を迎えうつにあたり
どう生きていこうかって
ささや ....
天空の青
熱失う肉
輝く太陽、
ひかり
ひかり
東の空、
なんにもない
なんでもない
うっすら白い月、
巨大な輪郭
現し浮かぶ
西の空、
横断歩道を渡 ....
二〇二二年十月一日 「ネモ船長の最後の冒険」
海外SF傑作選『異邦からの眺め』6作目は、ヨゼフ・ネスヴァドバの「ネモ船長の最後の冒険」太陽系を破壊しに来た異星人たちをやっつけに地球から ....
外は一面の雨跡、うっすら
わたしの脳髄、拘束され
記憶の光景、次々再生する
なんだろう?
ピーナッツを頬張りながら
無限の広大に震えしずまり
夜、概観
心音の響きに 耳、 ....
なにもない
だれもいない
凍結した
大雪原の
真ん中で
まわりの山々の雪崩レル
脳髄貫く 巨大な響キ、
どぉんどぉん どぉんどぉん
立ち尽くす
少年、
雪降る ....
なにひとつ持っていかぬという気持ちで
日々、靴をはき
仕事をし
夕飯の買い物をして
靴をぬぐ
思い出も悲嘆も後悔も
生き残った人たちのもちもので
三途の川の向こうには持ち越せぬ
....
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