夏の熱風、
唸る
大地天空宇宙に
肉の苦と魂の闇、
突き刺し

抹殺の誘惑に
白くたじろぎ魅せられながら、

この世に在るもの在るもの
すべてと交わる
確かな霊性のひとひらと成る ....
昔のように
直ぐに見られる場所は
かなり少なくなった

山奥の綺麗な川に行けば
たくさんの蛍に逢える

まるで銀河のように
魅力的に飛び交う
蛍な夜

蛍の歌が聞こえてきそう
 ....
 祇園の石段の上から
 灯の街を眺めさせたいと
 私の腕をむりやりつかんで
 つれて来た あなた

 遠い異国の昔
 王宮の血汐がはねあがった日
 革命の巴里祭
 そして日本では祇園祭 ....
この夜陰、

向かいの家
ガラス越し、
灯る明かり
忙しく動く人影

ふと吹きつける暖風に包まれ

やわらか わたしは私を感じ 

只 静かさ奥に横たわる
夏の夜空に
打ち上げられた花火を
僕の車輪にして

遠く離れた
君のいる場所まで
漕いで行く

群青の草原を
駆けて足りるなら
炎の縁に
君を飾りたい

花火が街を照らす間に ....
願いが叶わなかった日
遠く、命の向こう側から聞こえてくるのは
ニイニイゼミの声
毛穴から染み入り、毛細をとおって
脳内に聞こえてくる

頭上を爆撃機がかすめて飛んでいた
なのに街は箱庭の ....
 会社の大会議場のお客様控室に
 ちょっとアンティークなドレッサーがある
 清掃に入ると鏡を拭くついでに
 ヘアスタイルを確認したりしてしまう

 くもりない三面鏡が私を映す

 一面に ....
灰青色のかなしみが
時計の針にまつわるので
空気が気怠さを増してゆく部屋で

六月の似合うそのひとを
あなた という二人称に委ねないために
窓外に滲むあじさいを
しずかにただ眺めていた
 ....
線で満たされていく
形ばかりの電話帳と
電話帳ばかりの形
ただ笑い続けるコップが
羨ましかった
助走
午後に向かって
身体や言葉から
剝がれていく
ちぐりすからの手紙が届く
 ....
雨上がり、片足の鳥はしっとりとした

青い匂いに近づいてくる

昨日と星を糸に結んで
夢を夜空を浮かべている
爪先には
赤い月が撓んでいて

その下には時が這いつくばっていた
廃線の駅にも ....
夏の昼間の空は
澄んでいて
空っぽの
わたしの頭のようだと思う

どこまでも青くて
遠く冷たい宇宙と
頼りない月に
手を伸ばしている

呼吸も
愛情も
欲望も
暑くて仕方ない ....
浅すぎて溺れられないソーダ水
溶けてゆく足元に夢 匂う飴
別れぎわ 裸足になって踏む花火
君達はすべてのものに、ほんとの社会の窓を
開け放つために生きている。それを抑えつけ
る、真実のない化け物たちに立ち向かい。




ふたつの気持ちが重なって消えてしまうこと
はよくある ....
雨は涙ににていてね
いつかこぼれるものなのよ

どんより空を見てごらん
うるむ瞳にみえるでしょ

雨は涙ににていてね
とまらなくなるものなのよ

空がわんわん泣くのなら
今はいっし ....
電気ポットの内側に、「ここまで」という表記があり、いつもそのずっと手前までしか水を入れられない。なぜきちんと水を満たさないのか、と言いながら、夫がコップから水を注ぎ、ぴたりと「ここまで」に合わせて ....  小さなグラスにウイスキーをなめなめ

 夜更けて
 
 行くのを知る


  そういえば私の影は何処へいったでしょう。

   「探しにでもいったのでしょう。」

  あら、何 ....
目の前に一本の道が現われた。

この道を行けば、海に出る。

ほら、かすかに波の音が聞こえる。

見えてきた。

海だ。

だれもいない。

天使の耳が落ちていた。

 ....
電車に乗ろうとしたら
頭の先から尾ひれの先まで
すっかり人魚になっていて
人魚は乗れません、と
電車の人に断られてしまった
取引先には遅れる旨連絡をして
しばらくホームで待つことに ....
始まりの終わりと
終わりの始まりの
僕は始まりを待てない
君は終わりを待てない

ささくれの
あとさきの
僕は始まりを待てない
君は終わりを待てない

言葉は完全なものではなく ....
光の響きのアラベスク
巨大な像、海に沈め
思考の力に火を放つ

(俺という時間 終わり
私という瞬間 開けて)

柔らかな硬さ 
円と三角、一体化し
見慣れた街並み、
丘の上から新 ....
雨は降ったり止んだり降ったりで
四季のある国のひそかなもうひとつの季節

室内干しの洗濯物
取り込むまえに
ちゃんと乾いているだろうか、とさわってみる

乾いているようにみえても
繊維 ....
 暗闇の中には沢山の物語がある


  パリの老いた靴作りが
  ハンチングを傾けてかぶっているのは
  むかし街の女に
  とても粋だわ と口笛を吹かれたからという話

  それでそ ....
お月様 浮かんでる
水色の空のなか
未だ未だ明るい
夜空の手前

お月様 不思議だなぁ
白く透徹と弦を張り
何か絶えず思考し送信して
この地球にこの私に私達に

お月様 浮かび上が ....
一人でふたり分の荷物を整理する

なんて過酷で残酷な(笑)

やり始めるとやっぱり記憶に飲み込まれそうで

それでも時々、楽しくて


壁のシールを剥がせば そこだけ白くて

こ ....
花咲く陽光の丘に
記憶の忘れ物
じぶん、行方不明

たぶん じぶん消え
花咲く陽光の丘、
初めて記憶の
奥に現れ

変容し続ける
記憶の忘れ物

花咲く陽光の丘にて

反復 ....
 路の端
 行きすぎるヒトの脚許
 恐れもせず
 ヨチヨチ
 
 細い舗道で歩調ゆるめるヒトたちの視線
 浴びる君はなんとか
 横断すると
 また 喫茶店のガラス扉の前
 軒下う ....
 とにかくぼくがいこうとしてるのはきみのいない場所
 トム・ヴァーレインにあこがれる女の子のいる場所
 リアルさがぼくをすっかり変えてしまった
 現実の鋭利さ、あるいは極度の譫妄、
 ....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ


えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく


えくぼ
笑 ....
我が家では

いただきますの後
ニャー と号く

あの日から
そうしてる



魚屋さんには夕陽がさす。それは、雨が降っ
ていても、モールの中でもかまわずに。その
匂いの中に ....
虹を作る
その生き物の背中には羽があって
だけどそれは
空を飛ぶためのものじゃないらしい
六月の晴れ間を見つけると
庭にぴょこんととびだして
霧を吹きかけて虹を作る
小さな生き物は
小 ....
ryinxさんのおすすめリスト(1145)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとひら- ひだかた ...自由詩423-7-7
蛍な夜- 夏川ゆう自由詩723-7-7
遠い夏- リリー自由詩8*23-7-7
やわらか- ひだかた ...自由詩423-7-5
車輪の詩- ミナト ...自由詩6*23-7-5
- 山人自由詩13*23-7-5
三面鏡- リリー自由詩5*23-7-5
あじさい- 塔野夏子自由詩12*23-7-5
加速- たもつ自由詩3*23-7-5
始祖鳥- 為作自由詩123-7-5
ベランダ- utsuwa自由詩623-7-4
花火- はるな川柳323-7-4
社会の窓を- AB(な ...自由詩523-7-4
雨について(母から子へ)- TwoRivers自由詩11*23-7-3
メモ- はるな散文(批評 ...723-7-3
夜更け- リリー自由詩5*23-7-3
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩14*23-7-3
距離- たもつ自由詩10*23-7-1
僕らの独り言はソネットにならない- AB(な ...自由詩3*23-6-30
光の響きのアラベスク- ひだかた ...自由詩3*23-6-30
梅雨の通夜- そらの珊 ...自由詩11*23-6-30
ヨル- リリー自由詩10*23-6-29
お月様- ひだかた ...自由詩7*23-6-29
引っ越し- 短角牛自由詩16*23-6-29
花咲く陽光の丘にて- ひだかた ...自由詩4*23-6-29
街カラス[まち角11]- リリー自由詩5*23-6-29
裸足になりきれなかった恋歌- 中田満帆自由詩323-6-29
えくぼ(ver.2)- 本田憲嵩自由詩523-6-28
お魚くわえない猫- AB(な ...自由詩12*23-6-28
小さな生き物- そらの珊 ...自由詩9*23-6-28

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