背中押してもらって
 もっと もっと、スニーカーのつま先が
 お空に近くなる
 ブランコ

 いつからだろう?

 ブランコ漕いで
 軽い眩暈の様な気分の悪さを
 感じてしまうよう ....
 コリコリの農家の子として生まれたカタコランは、
九才の時に神の声を耳にし、全知全能の神カタコリの
前ではみな平等であると説いた。布教は、カタコラン
の生誕地コリコリではじめられ、農家で働く ....
 擬態

わずかに残された木々のふゆの葉を北風がこきざみにゆらすとき
それは小鳥のはばたきになる

 家出

街角のメリーゴーランドは天使をのせてくるくるまわる
色とりどりに着飾った馬 ....
 はかり知れない
 暗黒の 宙に
 君は浮かび

 その彼方から
 確かにとどく君の
 燦めく 言霊
 
 それは時に
  のんびり夢みる浪の音
 それは時に
   欣び甘える涼 ....
ふと何の関連もなく
二度と関わらないはずの
あの人を思い出すことがある

忘れたい人を
思い出すことが嫌だったけど
その人がその時に自分を
思い出しているからだと
思うことにした

 ....
 夜が来て
 刺すような凍をそそぐ星
 神秘めく 真冬のそらを征服する
 ビルの柱の蔭で

 一本の竜巻のように巻き上る
 子供の愛が
 大空を圧し馳ける

 懐かしい愛の歌をハミン ....
鞄の中には
ひと握りの青空と
昨日捕まえた飛行機
微かなその羽音
生きていく毎日の走り書きは
遺言のように積み上がって
夏、という言葉だけが
いつまでも
うまく書けなかった
 ....
自分のこころを
見失う時もある
そういう時は
自然に任せます
私という宇宙の一部を



今日は
元気が
出ない
こういう日もあるさと
こころの日なたぼこをする
冬の明け方は
町のいたるところに魚の群れが現れる

もっともよく見かけるのはニンゲン魚で
その横をついてまわるイヌ魚
校舎をよこぎるネコ魚やセキレイ魚がいれば
そのまま森へと消えるカモシカ ....
闇に沈んだ森に
すみきって硬質な音がひびいている
呼び出しのベル
からすの巣にかかげられた黒電話
ひなはとうに巣だっていって

せつな、
忘れていった羽毛がおどる
とても軽いから
命 ....
 散りおちて

 生垣の茂みに燃ゆる 花びらは、

 貴方への想いを馳せてピンク色

 今日歩む 暗き小径の

 竹灯篭
君は何色なのかぼくは知らない

けれど 君の言霊が心地よくて
逢えるのが楽しみだ

ぼくはその優しさを抱きしめて生きている

西の空を眺めては
日々の約束を頼りに
君の名を呼んでいる ....
どこか かげかたちは
ケダモノのハアトだけを食べ残し

{ルビThe Pools=ラス・ポサス}の庭園を千鳥は征くのだわ
夜が終わる前に 像を結んでいく
熱に浮なされて {ルビ宙=そら}と{ ....
 冬靄に
 鳴き交わす水鳥の群れ
 細い車道のヘッドライトを
 吸いこむ ささめ雨

 大通りの交叉点
 如月の靄 薄れ
 東へ連なる街燈のむこう
 仄かなサーモンピンクの低い雲

 ....
ぼくの言葉は少し狂っていて
何時も周りをひらひら飛んでいる
何を押し付けられてもなんのその
みんなそれぞれ自由な言葉で
明日を夢みているのだから
 猫も杓子も

上から下に水が流れるのに問いも答えもない
食べて、排泄し、寝て、育ち、全うする
何処に産まれようが
何処で死のうが

 自他画像 

まず、目の前に別の顔が合って 
 ....
雨の初日
都会にも雨が降った
たくさんのものが濡れて
雨音の音や
雨水の水が
ふとした街路の様子を
美しく満たしていく
人混みの中で感じる
植物の吐息
どうしても
辿り着け ....
 銀杏並木
 沈黙のたしかさ

 煙草に火を着ける 
 マフラーをほどく

 散らばる陽色の実
 街に集散する鳥たち
 風は午後を吹き抜け 

 永遠
    く ....
グラスを傾けながら
あの頃を想う

何も持っていなくて

三本立てのリバイバル映画を観ては
涙ぐみ

午前零時閉店のクラッシック喫茶が終わるまで
バッハとチャイコフスキーをリクエスト ....
人生は言葉さがしの旅であるという人がいる
僕が救われた言葉は
仏教の「四苦」という言葉だ
「生老病死」の四つの苦しみは
誰でも避けられない苦しみであるということだ
僕はこの「誰でも」というと ....
(内臓はからっぽ)死んだ馬の胸の中に、
{ルビ紙縒=こより}で拵えた聖家族が暮らしている。
1:12 a.m. 雨が降りはじめた。
聖家族の家は茸のように雨に濡れる。
小鳥は頭蓋骨に雨を入 ....
すこんと抜ければよかったものを、しぶといかさぶたみたいにしがみついてきたない。そういう蓋、風向きでいくらでも変わる。わあわあ言いながら、生活していかなければならないとおもったから。自分の足で立って、立 .... 手のぬくもりで
小さな氷河期をあたためている
白くもやいだ氷は
たやすくは溶けない
魚は見えないけれど
まだ生まれていないだけ
詩をあたためている
詩に熱を奪われている
あぶくになった ....
一言で言える言葉を言っていく


音のなか意味のない夢みて眠る


ほんとうの蛍のように星滅ぶ


階段で皆の白さ比べてる
数学苦手な癖に数字で比較して 学ばないまま字を打っている


ぼくたちの消えてく音が空き部屋の光の果てで鳴り続けてた
 .... ゆるせないことを
ゆるすことにより
前へ進めるので
私は振り返り
黙礼をする
 カーテン開ける
 東の窓辺は柔らかな
 柳の芽吹き おもわす光

 三度目に
 鳴っていた携帯のアラーム消して
 私を 執拗に抱きしめるコットン毛布から
 這い出してきた脳みそが
  ....
君と僕とのあいだに
置きたい言葉があるとして

それはいつも最初の言葉であり
最後の言葉

初めての言葉であり
いくたびも繰り返されてきた言葉

すでに過ぎ去ったこと
あるいはいま ....
 
 山茶花の
 散り染めし途、
 花片もえたち
 明るさ投げかけるのは
 心の所為
 
 夜のしげみに
 いく重にも
 折り畳む 
 紅を、抱いて目映いのは
 心の所為

 ....
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