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空がしろい
すいこんだ冷気が
肺の中で氷の花を咲かせる
灰色の細い梢
音もなく羽ばたいていく黒い鳥影
半分凍ったお池で
蟻がスケートする
泳ぐ金魚はめまいに似た残像

時はふりつもる ....
ふわん ふわん
つい手を伸ばしたら
雪をつかまえた
すぐに
手のなかでほどけて
水になった

死んだら雪になって会いに行く
そんな人を
うっかり
水にしてしまった

半ズボンを ....
白に近いけれど
白になにかを足した色
冬のかなしみ
それはとても重くて
或いは軽くて
ふうわり
もう何年着ただろう
これから何年着るだろう

冬の終わりの儀式
洗面器のあわぶく
 ....
神在月の街の空
どんよりと重く
昼でも昏い出雲の空模様が
一転して晴れて
雲間から金色の光が差しこみ
世界は開かれ
まぶしい力を浴びる

海へと下っていくカーヴの続く道の途中に
目的 ....
日、いちにちと
冬のけはいが濃くなり
きのうより
はやくなった夕暮れ
人はみんな
もうこれ以上は失われまいとして足早になる

冷気はあしもとからやってきて
なにかによばれたような気がし ....
人はとまどうのに
季節にとまどいはなく
電線の上の二羽の小鳥にも
とまどいはなく
おひさまにむかって
しみじみとふくらんでいる

楓の木は赤く燃え
天国に届きそうで届かない
よく晴れ ....
夢のなかで喋りすぎて
目覚めた朝の喉は
砂漠の楽器

おはようの声は
なににも震わせず
深い秋の空気に溶けていくだけ

あたりまえのような朝が(声が)
あたりまえに訪れるわけではない ....
馴染んたマグカップの内側に
ある日小さな傷ができて
次第にそれは珈琲の色に染まった
洗っても洗っても色は落ちない
傷は傷として生きていく
宇宙の理のようである

朝、
深い藍色のそのマ ....
なつのよる、満月の路や
夕暮れてゆく公園、回旋塔の下や
線香花火が咲いた、一瞬の光の下で
見つけた
かげぼうろたち
かじってみたら
やさしくほどける
ほおってみたら
ふうわり浮かぶ
 ....
角砂糖をひとつ
半ズボンのポケットにしのばせて
もし敵がきたらこれを投げつけてやる
ときみは言った
角砂糖が飛び交う戦場では
だれも死なない
蟻が大発生し
甘いみずたまりを泳ぐことだろう ....
鞄の紐が千切れた
それは長財布と数珠を入れたら
もう手一杯になるくらいの
小さな黒い鞄
仕方ないので
それを胸に抱えて歩く

ごめんね
ごめんね
人波に逆らって
死んだ仔猫を胸に抱 ....
公園通りを抜けたところで
突然、大粒の雨が落ちてきて
石畳を駆けぬけ
アーケードに避難した

濡れた前髪から
昨晩のヘアトリートメントのにおいが
密かにたちのぼる
フローラルウッディの ....
綿のループ
いくつもの群れとなり
ベッドにかけられれば一枚の布
ナイトランプに照らされて
月影を映す

手触りは
馴染んた人の肌のようで
撫でれば
もっとやさしく
わたしを撫でかえ ....
気がつけば一面の緑のなかで
途方にくれていた
どこから来て
どこへ行こうとしているのか

すでに熱を失って
剥製のように軽くなった
小鳥のむくろを
両の手に捧げている

はばたいて ....
 「氷」

口のなかの体温で氷がほどけていく

世界が終わるかのような
とどろきを上げて
北極の氷山も海にくずれおちていく

さよなら

夏の真ん中で
わたしが失ったのは
透明 ....
庭先に咲いていたのはほおずきの花
日常からわずらいを引き算したような
うすい黄色の小さな宇宙
秋になってそれは赤く実籠る

ほおずきの実には毒があり
かつて堕胎するために使われたと知ったの ....
真夜中に稲光で目覚めた
とおもったけれど
ふと目覚めたらたまたま雷が光ったのかもしれない
きれい、と怖れ、は
ちいさな箱に同居してる双子

エレベーターに「故障中」の張り紙が貼られている
 ....
生き物として残り時間はもうそう多くない
やっかいなのはいつまで、なのかは誰にもわからないこと
いっそ自分で決めてしまえば楽になるのかしら

喫茶店でクリームソーダを飲みながら
思い出を誰かに ....
庭の紫陽花がうっすら青く色づいて
季節は嘘つかないね、などとつぶやいてみる
紫陽花は土壌の性格によって
色が変わると知った理科室で
人みたいだなとおもった
そんなふうにわたしが紫陽花を怖れて ....
昨晩見た夢は
わたしのあたまのなかに
かろうじて残ってはいるが
触れることはできそうもない
かたちないもの
見たといっても
まぶたはとじられていた
不思議なことだ

朝はかたちあるも ....
ひさしぶりにかえってきた娘が
玄関を開けて
いえのにおいがする、といった
ずっとこの家にいるわたしには
そのにおいがわからない
いいにおいかどうか
よくないにおいかどうかも
わたしが息を ....
知らない国の見果てぬ路線図
ここで乗り換えると海へつながる
春を見たければ各駅停車で

こうしているうちにも
砂時計のすなはおちつづけ
耳をかたむけると
さらさらさらさら、とささやき
 ....
銀色のバケツに残された水
明日の朝にはまるい薄氷が張る
そんな冬の楽しみは
氷越しにのぞいてみる
とじこめられた宇宙

あなたのために冷えていました

冬の清涼な日々も
ずっとは続か ....
春をどんなに嫌っても
憂いを製造しながら
春はやってくる
薬局でのど飴を買う
漢方ぽくて効きそうなやつを
「噛まずになめてください」と書かれているのに
気づくとがりがり奥歯で砕いてしまい
 ....
何気なくひらいた
絵本の頁のなかに
千代紙で折られたお雛様が
はさまれていた
どうしてそこにいたのか
記憶をさらっても
出てくるのは
春の真水ばかり

けれど
そのお雛様には見覚え ....
オルゴールのふたをあけると
ことりが砂浴びをしていた
昔のメロディで
ほんのりと温められた砂は
極上の石鹸で
泡こそ出ないのだけれど
日々の汚れを落としてくれる

ふっくらと
よみが ....
くさむらのうらぶれた浅瀬
打ち上げられたほおづきの中の
丸い実が
あかあかと
燃えながら
わたしを見ていた
緑だった容れ物の
もはや若さはぬけおち
朽ちた葉脈だけになって
身のうちを ....
朝からユトリロの絵画のような
白い空が満ち満ちていました

夕刻になってようやく
この惑星に落ちてきた雨は
みぞれに変わり
ぬかるんでいくわだち
いつとはなしに雪になり
夜になってはさ ....
浅い春が来て
きみの肩先から
ふたばが芽吹く

冬の熱量が
熱ければ熱かったほど それは
あどけなく
ふるふる
ほころぶ

目をはなしたすきに
ひとひらの蝶になって
とびたった ....
いつか森のいちぶだったもの
小鳥をすまわせ
そのうたに耳をかたむけていたもの
みどりの葉をめぶかせ
ゆびさきは空へとむかう
よるになれば流れる星のゆくえを占ったもの
むささびの発射台になっ ....
ryinxさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(79)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬のいろ- そらの珊 ...自由詩15*26-2-2
さとう- そらの珊 ...自由詩9*26-1-22
アイボリー- そらの珊 ...自由詩13*26-1-19
雪待ち- そらの珊 ...自由詩16*26-1-13
冬の猫- そらの珊 ...自由詩15*25-12-10
やがて訪れる冬の- そらの珊 ...自由詩15*25-11-17
満月- そらの珊 ...自由詩13*25-11-7
青い月夜の白い馬- そらの珊 ...自由詩14*25-9-29
かげぼうろ- そらの珊 ...自由詩16*25-8-29
角砂糖- そらの珊 ...自由詩14*25-8-24
- そらの珊 ...自由詩20*25-8-21
通り雨- そらの珊 ...自由詩14*25-8-13
タオルケット- そらの珊 ...自由詩8*25-7-20
埋葬- そらの珊 ...自由詩15*25-7-17
続いていくのかな- そらの珊 ...自由詩9*25-7-14
サイダーとほおずき- そらの珊 ...自由詩15*25-7-4
アパートメント- そらの珊 ...自由詩13*25-6-27
朝がやってくる- そらの珊 ...自由詩13*25-6-23
トレース- そらの珊 ...自由詩11*25-6-15
- そらの珊 ...自由詩21*25-5-24
いえのにおいがする- そらの珊 ...自由詩17*25-5-7
あなたがすこしさみしいときにも- そらの珊 ...自由詩13*25-4-22
つめたいとかあたたかいとか- そらの珊 ...自由詩12*25-3-31
わん_みにっつ- そらの珊 ...自由詩12*25-3-26
紙の雛- そらの珊 ...自由詩11*25-3-22
砂浴び- そらの珊 ...自由詩13*25-2-25
ともし火- そらの珊 ...自由詩15*25-2-16
ミトン- そらの珊 ...自由詩17+*25-2-2
はなうた- そらの珊 ...自由詩13*25-1-20
すなはまで骨をひろう- そらの珊 ...自由詩15*24-12-27

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