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朝の迫る 小屋の中で
瞼のない鶏が 夢を見ている
句点の間に
翔び 落ちて
読点の染みになる
それは
憧れ 贖い
取るに足らない
それでいて
代えのきかない
祈り
....
去年よりはだいぶましな10月と11月を過ごしたと思う。
たくさん捨てたし、いろいろなものをたべた。ベランダに出していた観葉植物を部屋のなかにいれてやると、とたんに空気がしめっぽくなる。
色 ....
柔らかいまま生きてるから
噛まれちゃったね
傾いていく夏をいっぱいに浴びて立っていなさいよ
そして、
わたしはもうこれ以上愛することができないから
外へ出て
いろんなものに ....
すこんと抜ければよかったものを、しぶといかさぶたみたいにしがみついてきたない。そういう蓋、風向きでいくらでも変わる。わあわあ言いながら、生活していかなければならないとおもったから。自分の足で立って、立 ....
あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて
あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた
静かに何年も何年も
何年も何年 ....
帰宅途中の
夕雲の群れに
滴るように
求めながら
どこにも空きは
現れない
千切れそうな
心持のなかで
言葉だって
ひとつもない
目が覚めて
空は明かるく剥け、
やすらかな寝息と疲労のあいだにあるわたしの身体
こまごました呪いとひきかえに
潤みつづける女という生活をして
すこしだけ自由で
底抜けに淋しい
....
秒針が力なく明日を告げる、残骸だらけの街を抜けていくと海があるはずだ
けれどもあなたは空気の抜けた風船、口づけても口づけてもすうすうと抜けていく
今日のために買った靴を捨て 鞄を捨て 指輪を捨 ....
みじかい夜が始まったとき
どうすればいいかはわかっていた
どんな夢を見て
どこへ行けばいいかも
その先でかならず
あなたを失うことも
浅すぎて溺れられないソーダ水
溶けてゆく足元に夢 匂う飴
別れぎわ 裸足になって踏む花火
電気ポットの内側に、「ここまで」という表記があり、いつもそのずっと手前までしか水を入れられない。なぜきちんと水を満たさないのか、と言いながら、夫がコップから水を注ぎ、ぴたりと「ここまで」に合わせて ....
ここの部屋の、窓からはマンションがたくさんみえる。いくつもの長方形が、かさなる長方形が、夜になれば灯る長方形が。空はすこしみえる。直線で区切られたいびつな図形として。
ニュース、書いては消し、裏 ....