晩秋

すでにざっくりと強剪定された太い枝の切り口を
寒空にさらす街路樹
いつも
心の底ではあてどなく遠いあしたを待ち侘びていた


   冬の雲

空一面に
狼の顔が ....
一、石
石には普通、感情はないと考える。しかしある。
石はほぼ性別は♂である。しかし、生殖はしない。無機質なものには♂という性別があるものだ。
石は考えることが好きである。ひたすら考える、そ ....
弟のプリンを冷蔵庫から盗む。鳥の名前にやたら詳しい。血液型が気になる。勉強ができない。{引用=(世界の終わり)}

遅刻する。早退する。ブッチする。君に会いにいく。電車のドアが目の前で閉まる。{引 ....
まるで舞台セットのよう
蛍光灯の光が融け込んで
透き通った 小さな庭園で
   
  水草ゆれて

   ふわりと
  
 紅金色の着物も褪せた
 年増女が二人
  よもやま話 ....
昨日という忘れ物を探して僕は行く先を見失ってしまった 。

みつからない理由が思い出されるのは砂浜かも知れないと海へ向かう 。

干からびた岩場の上に白い鷺は羽を休め、若い母と子が浜辺で ....
{画像=120205233911.jpg}


{画像=120205233928.jpg}


からっぽな心 / 電車の影を追って


電車の窓から外を見ると冬日の光の影が
併走す ....
未来世紀ブラジルだって、
物心ついたときから言われていたっけ
映像には黒いオルフェのモノクロ映画とSF映画
未来世紀ブラジルだって
子供の時から言われていたっけ
網膜には怪しげなコ ....
言葉が離れてゆく
まるで塵のようだ
堕ちてゆく言葉に求めてはならないもの
あれは何だろう

言葉が壊れてゆく
まるで自分自身のようだ
愛されていないと不安になる
 ....
                               ―――ステファヌ・マラルメ
     全世界が溶解する
                  波涛
                  ....
 きみを雨が縁取る
 ごめんなさい
分岐する世界の壁が壊れるとき、わたしはユートピアを求めてまた飛び立つだろう どこからともなく

やってくる 小
鳥 たち


微睡む 夢 遥か



月桂樹の午後

翻したマントを縫う
からこるむ  ....
自動販売機のコイン投入口に
すいこまれていく女の人をみた金曜日の夜
ポッケの底のおつりの枚数をかぞえていた
裏面をやさしくなぜながら
口当たりの良い絶望味のコーラをぐびぐびのんだ

昔乗用 ....
白く 夏が終わりはじめている

僕らのいるこの部屋も

白い宙になかば浮いたカプセルみたいだ

窓の遠くから

世界の破片で遊ぶ子どもたちの声が

聞こえる

その声もなんだか ....
乗馬パンツを試着する
膝に白い羽毛を見つけ
これにファルコンの綴り
を刺繍してもらう

*

まわるまわるルレットの
太陽
を日付変更線で切り取り
新しい布地と縫い合わ ....
あなたは生きるために日本を出ていった
ポストカードはいつも滞在地の言葉だった

ワールドカップはどこでみるの?
私は日本語で返事を書く

ここがSFの世界なら
あなたはもうこの星にさえい ....
迷ってて
あなたがさきに
言ったから
心がひとつ
コトリと消える
わたしが音楽だった頃
わたしの髪は風になびいたの
軽く、ほがらかに

わたしが音楽だった頃
わたしの頬は朝やけのたびに
ほころんだの 

心の奥で太陽の灼熱が
わたしを ....
                  090709

真っ暗な
点字図書館で
目が覚めた
真っ暗で何も見えない
見えないから
目が無くなった
触れられないから
指が無くなった
怖くて ....
男はおおかみくん
ちゃいろいおおかみくん
にじんだおおかみくん
夏のおわりみたいにきらきらしてる

最後のおおかみくん
ともだちのふとんの他人のにおいなつかしい
くるまりたい
ここでと ....
           090130


既刊の本を放り投げ
テーマが古いと諦めた
未完の本が多すぎて
編集室は休む暇もなく
朝から晩まで
缶詰にされた作者たちが
コヨーテのように
 ....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
  夜の頃
  いよいよ視力を盗まれて 往生する そう幾つもない階段を
  丁寧に降りていく 16,17,18,19,と数えていった
  山の神様が 遠い方からしょっぱい種を飛ばし
  加 ....
あの日の高い空と
りんどうの青むらさきを覚えている
明日からのひとりを
蜜のような孤独だと
わたしは微笑んでいたと思う


傍らの古いラジオが
虫の声のように囁き
夏色を少しずつ ....
半分の月
半分の私

半分の影
半分の嘘

半分の過去
半分の夜

半分
しかわたさない

半分の罪
私は




_
細い金属質の陽射しが
容赦なく肩に、腕に、
きりきりと刺さって
サンダルの真下に濃い影が宿る

忘れかけた思い出は
向日葵の未成熟な種子に包まれ
あの夏
深く青かった空は
年 ....
あらゆるまがりかどの公園の
無人のブランコ
ばかみたいにゴミ箱の中身はちらかったまま
カラスが群れる

夜道切り分けて曇り空は進む
ガラス窓が割れて
流線型で情報が流れ込んでくる
ひき ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
沈黙をファイルしつづけた理性は

つぶらな意識をふとまたたかせ

早春の空にくりひろげられる

光のハープを聴いている
わたしたちは 底悲しく
わらいあう
そして指をつなぎあい
小径をゆく

菫の花がそこかしこに
ふるえるように咲いている

わたしたちは 歩きながら
優しげに 言葉を交わす
でも気づ ....
ryinxさんのおすすめリスト(1145)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
晩秋・他- Lucy自由詩14*13-1-15
石・草・虫など、その概念と考察- 山人自由詩4*12-12-9
世界の終わり- コーリャ自由詩712-11-14
水中戯曲- ただのみ ...自由詩20*12-9-27
&_bottle- アラガイ ...自由詩14*12-9-26
からっぽな心_/_電車の影を追って- beebee自由詩28*12-2-5
未来世紀ブラジル- ……とあ ...自由詩8+*12-1-8
ミュウズ- アラガイ ...自由詩7*11-10-14
白の海域- 葉月二兎散文(批評 ...9*11-7-26
quiet_solitude- mizunomadoka自由詩311-3-29
緑のモニュメント- アラガイ ...携帯写真+ ...5*10-10-27
彩______‥‥序- アラガイ ...自由詩5*10-10-9
o- コーリャ自由詩910-10-1
31.5℃- 塔野夏子自由詩5*10-8-15
立体裁断(連詩)*夏野雨、渡ひろこ、他- たちばな ...自由詩13+*10-7-17
next_time- mizunomadoka自由詩610-5-18
No.2- mizunomadoka短歌410-5-6
わたしが_音楽だったころ- るるりら自由詩5+*10-2-24
車引き- あおば自由詩7*09-7-9
おおかみくん- ともちゃ ...自由詩709-2-10
ひとのきかん- あおば自由詩6*09-2-1
四行連詩_独吟_<樹>の巻- 塔野夏子自由詩4*09-1-9
夜、視力- 嘉村奈緒自由詩908-8-28
夏色日記より- 銀猫自由詩10*08-8-17
ハーフ・ムーン- umineko携帯写真+ ...8*08-8-9
遥かな夏のスケッチ- 銀猫自由詩22*08-7-31
ゆれる- モリマサ ...自由詩31*08-7-15
海辺の詩集- 嘉野千尋自由詩49*08-7-13
透_過- 塔野夏子自由詩10*08-3-7
菫の小径- 塔野夏子自由詩9*08-2-21

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