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春になると京都加茂川沿いの桜は淡い桜色に染まる。
そのなかでも、北山橋と北大路橋の中間に位置する賀茂街道で咲く枝垂桜は特に有名で、 日暮れ時でもわざわざ見物に訪れる花見客が後を絶たない。
他の ....
なぜ 巡り合うのかを
私たちは何もしらない

   「糸」中島みゆき


言葉にリズムとライムを求めて怨霊を封印しようとしてきたのは日本語だけではないけど東洋の島国という地政的な環境と ....
いわゆるマイクロノベルのような文章ですが、全部元ネタは私の夢です。

1.どっちが幽霊

午後の図書館にきて閉架書庫に入る。薄暗くて寒い部屋の奥、日差しが差しているように明るい。窓はないはずな ....
 あの日、わたしは友人といっしょに一本の映画を観た。黒澤明の「まあだだよ」。
 友人と待ち合わせをしたのは、午後のことだったろうか。たしか、銀座にあるマクドナルドだったか、日比谷のウェンディーズの前 ....
去年よりはだいぶましな10月と11月を過ごしたと思う。
たくさん捨てたし、いろいろなものをたべた。ベランダに出していた観葉植物を部屋のなかにいれてやると、とたんに空気がしめっぽくなる。

色 ....
 九月末にカメムシ防除の消毒をしてもらうのだが、あいかわらず彼らはその予防線を突破し室内に入り込むのである。しかし、彼ら自体の悪臭と薬物の作用でほとんどの単体は家屋に侵入後絶命、若しくは瀕死の状態で仰 ....  例えば「ヒマワリが咲いていた」と書く。でもヒマワリは今も咲いているだろうか? ヒマワリという花はそもそも明日にも存在するだろうか? そんなことが不安だった。

 あるときから、今この瞬間だけ美し ....
「おや、葉っぱの上に小さなたまご」
 一番はじめにその卵を見つけたのはお月様でした。
 お月様ほど大きいものは夜空にはありません。いつも話し相手がいないのでお月様は思ったことが、つい口から出てしま ....
2024年9月14日、


 昨日は映画をいくつか見た。長年、僕は映画というものにどう接したらいいか分からなかった。僕は画面のこちら側にいる。映像は画面の向こう側にあって、僕の世界と映像の世界 ....
 腰は骨を再生でもしない限り良くはならない。だが、ここのところストレッチなどで腰痛はほぼ無い状態と言える。つまり、私は連日勤務で森に分け入っている。山林の灌木や小径木を刈り払っていく除伐と呼ばれる作業 ....  祖母に顔を見せるため、とにかく暑い中、久しぶりに実家へ帰る道すがらのことだった。
 くたびれた半袖のシャツに、ベージュのハーフパンツを履いた六十代くらいの男性が、喫茶店の席に座ってゆで卵の殻を剥い ....
すこんと抜ければよかったものを、しぶといかさぶたみたいにしがみついてきたない。そういう蓋、風向きでいくらでも変わる。わあわあ言いながら、生活していかなければならないとおもったから。自分の足で立って、立 ....
 ディスプレイの向こう側の壁に、ポロックの絵の複製を貼っている。落ち着いて座っていられないときや、動悸がするときなどに、僕はその絵を何となく見ている。

 ビル・エヴァンスのピアノには死の匂 ....
カフェの中というのは、不思議な空間だ。そのついたテーブルは自分のものではあっても、同時にそのカフェの客のための場所でもあると言えた。カフェ全体は、街とは隔てられた場所でもある。そこは店であって、通行人 .... love sick ...そう。ここは、恋の病を扱う病院。
私は、ここの受付をしている。

「あの!私、失恋してからというもの、涙が止まらなくて、家にいる時はもちろん、仕事中も・・・。」 ....
何も言葉を無くしたらどうなるだろうと、思いつつも牛乳をコンビニで買ってきた。知り合いのいないこの街で。川だけが友達のような気がする。履き慣れた靴を僕は履いていた。その存在すらも忘れていたような気がする .... 1.1
 脳の奥にいつまでも残る風景。この上なく優しくて、これ以上無いくらい、大切な景色。秋の生暖かい涼しさが部屋の中まで浸み入ってきて、全身を包む。とげとげしい、狂った秒針が僕の中で震える。手の付 ....
 ホロウ・シカエルボクさんの詩について。氏の詩は長いです。そして起承転結もはっきりしていない。そのことが氏の不人気につながっていると思うのですが、ここは忍耐力を身に着けて、氏の詩を最後まで読んでみるべ .... 電気ポットの内側に、「ここまで」という表記があり、いつもそのずっと手前までしか水を入れられない。なぜきちんと水を満たさないのか、と言いながら、夫がコップから水を注ぎ、ぴたりと「ここまで」に合わせて .... 池の湖水は、幽かの光を震えてまた映え、夕暮れは嘆息しようとしながら地に埋没しようとしていた。五月の薄いどんよりとした雲が雨を地に落とすこともなく、札幌はまだ初夏の静けさを横たえている。藤の花に熊蜂が吸 .... はじめに……時間について


 秋の夜長です。こんな夜には美味しいアップルティーでもほしい……と思うのは、贅沢なのでしょうね。というのは、わたしは今、一人の詩人の批評という仕事を任されて ....
 集合的無意識というと、どうしてもオカルティックな面やファンタジックな面だけに焦点が当てられて強調されやすい。でも、ここではむしろ種の保存という観点から、人間の持つ無意識というものを考えてみたいと思う ....  詩人の持っている悲しみに圧倒される、ということが時々あります。そのことに慣れていない人は、それを怒りだと思い間違ってしまうことがある。彼らの魂が抱えているやるせなさを目にすることを。
 人の持って ....
 普段はたぶん、その違いをあまり気にかけることなく、私たちは物事に対して「意味がある」とか「意味が分からない」という言葉を使うのだろうと思います。「意味」というものは、もちろん物事がどんな事柄を表して .... 「あれからどのくらいたつの?」
「もうすぐ3年」
「ちょうどこのくらいの時期だったね」
と言って彼はガラスの外に目を移した。
人びとが川のように行き交っている。
俺もそれを眺めた。
 ....
  あざとい ね、みんなは、恐竜だったころをおぼえている?

むかし博物館に家族全員を、父がつれて行ってくれた。幸せな会話で窒息しそうな電車、はやく終わらないかな。
父はティラノサウルスが好き。わたしはトリケ ....
ここの部屋の、窓からはマンションがたくさんみえる。いくつもの長方形が、かさなる長方形が、夜になれば灯る長方形が。空はすこしみえる。直線で区切られたいびつな図形として。
ニュース、書いては消し、裏 ....
 詩は生きるために必要なものではない。

 例えば貧しく混乱した世の中では人々は生きていくことに必死で、詩どころではない。豊かで平和な世の中になると今度はしなくてはならないことが多すぎて、やはり詩 ....
彼は世界一静かに電話をかける。
彼が電話をかけるとき、何故かコール音も小さくなるので、ほとんどの人は、彼から電話がかかってきても気付かないだろうと思う。
だけど、わたしは電話に気付いた。ずっと耳を ....
ryinxさんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト(33)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桜花の舞- 栗栖真理 ...散文(批評 ...325-1-6
耳を澄ませばまた詩と巡り合えるのだろうか- 足立らど ...散文(批評 ...525-1-3
【閃篇】夢の日常、夢の断片。1【マイクロノベル】- 佐々宝砂散文(批評 ...324-12-30
「まあだだよ」- 朧月夜散文(批評 ...3*24-12-26
メモ- はるな散文(批評 ...624-11-29
越冬- 山人散文(批評 ...7+*24-11-2
ずっと好きでいられますよう- 由比良 ...散文(批評 ...3*24-10-10
青虫- 木屋 亞 ...散文(批評 ...3*24-9-22
メモ(主に映画についてのこと)- 由比良 ...散文(批評 ...4*24-9-17
それでも私は山に向かう- 山人散文(批評 ...6*24-8-31
羽(加筆した結果、散文に投稿することにしました)- パンジー ...散文(批評 ...324-7-29
メモ- はるな散文(批評 ...224-1-29
ひとりのメモ- 由比良 ...散文(批評 ...3*24-1-27
M街のカフェで- 番田 散文(批評 ...223-11-24
love_sick_1- ルルカ  ...散文(批評 ...3*23-10-30
コインランドリーのテーブルで- 番田 散文(批評 ...223-10-21
メモ1- 由比良 ...散文(批評 ...3*23-9-28
ホロウ・シカエルボク氏の詩について- 朧月夜散文(批評 ...5*23-9-22
メモ- はるな散文(批評 ...723-7-3
夕暮れ(改訂)- 荒井 修 ...散文(批評 ...323-5-29
読むことのスリル──ひだかたけし小論(1)- 朧月夜散文(批評 ...4*23-3-16
集合的無意識の真の意義- 朧月夜散文(批評 ...2*21-12-30
詩人、あるいは人の持っている悲しみについて- 朧月夜散文(批評 ...5*21-12-30
「意味」と「意味感」- 朧月夜散文(批評 ...3*21-12-30
広くて静かで誰もいない- コーリャ散文(批評 ...3*21-5-27
NIKEのCMについて- 津煙保存散文(批評 ...3*20-12-29
卵化石- 田中修子散文(批評 ...15+*20-12-25
メモ- はるな散文(批評 ...620-6-12
なぜ詩を書くのか- 石村散文(批評 ...14*19-3-15
静かな電話- 水宮うみ散文(批評 ...3*18-9-6

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