すべてのおすすめ
放っておける人は、愛が深い人だと
昔聞いたわたしが、ひどく取り乱したのを
今のわたしは、ぼんやりおもいます

なにもかもひとの心も軽く流してしまうかのような
さわやかで清々しい風が
カーテ ....
塞がれた傷なら
新しいほど
ほの明るい

命と呼ぶには薄すぎる
生まれたばかりの緑の雲母は
はかなげに震える風の欠片

アスファルトに跳ね返る
光の刃が
明日には切り刻むだろう
 ....
八月に入って
夏の子が孵化した
春の子はカラスにやられて
しばらく空き家になっていたキジバトの巣
避暑に出かけたカラスがいない間に
夏の子はすくすくと育った
キジバトの巣は我が家のケヤキの ....
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人であると知る
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人ではないと知る
ある日
同じひとりの人が

そんなふり幅で
弦も響いて
からっぽだから余計に ....
夥しいツノの群れが
君の皮膚の上を這ってゆく

生焼けの空が爛れている
膝の上の夕日を何度も剥ぎ取る
未だ白い三日月を突き刺して
悼みが止むまで雨を飲み込む地面
爪先で詰って
ポケット ....
ジニーが死んだ
名前なんかつけたから
何度壊してやっても
やがてまた同じところに低く浮かんで
逃げもしないし
玄関横の
しろい壁とオキザリスの
プランターの間を斜めにつないで
全然邪魔 ....
庭の柿の木は ざらりとしたぬくい腕で
小さなころからずっと わたしを抱きしめてくれました

おばあちゃんがわたしを
だっこもおんぶもできなくなったころから
わたしはランドセルを放り出して
 ....
喉元をさらせて
ハチドリ

心のきれいな 遠目からの それ
くるりと曲線を描く それ

シルエットの向こうに バルコニーと青くかすむ美しい川と
腕時計と

ゆれる風

軽やかに風 ....
月までは案外近い
いつか行き来できる日もくるかも、と
あなたはいうけれど
それが明日ではないことくらい
知っている
人は間に合わない時間が在ることを知っていて
間に合う時間だけを生きてゆく ....
猫といつしよにすはつて
落ち葉がものすごいいきおひで
木にもどつていくのをみてゐました

世界がどんどんまき戻されて
文明がはじまるまえの
澄みわたつたあをぞらにもどりまし ....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
花がしづかに揺れてゐる。

その横に小さな言葉がおちてゐる。

姉さんがそれをひろつて、お皿にのせた。


子供たちは外であそんでゐる。

まぶしいほど白いお皿に ....
影かすめ
   ふり返り  だれも


――夏よ
荒ぶる生の飽食に晒された{ルビ石女=うまずめ}よ
あの高く流れる河を渡る前に
刺せ わたしを
最後に残った一片の閃光をいま
仰向けに ....
ガラスのように光るその蛇は
青草の影を躰に映し
すべらかに移動していた
怖くはなかった
わたしを無視して
まっすぐ母屋に向かっていくので
なんとか向きを変えさせようと
木の枝で
行く手 ....
まだ強い日差しを俯く花のように
白い帽子で受けながら
歩道の向こう
小柄な婦人が歩いている
ゆれるバッグの中で
小さな鈴が歌っている
{引用=――しゃらん しゃららん}
たったひとりの{ ....
幸せになって
たいせつなお友だち

惜しみなくきれいなおいしい
飴をくちづけたい
そんなものまだ
わたしのなかに壊れきらず
のこっているならば

幸せとはなんだろうね
つらつらして ....
{引用=米カリフォルニア州の出張先にて父危篤の報に接した日の深夜一時、外に出て見上げた空に浮んだ月を見てゐるうちにふと現れたことばを記した。その約六時間後、日本時間の八月十日午後十一時五十七分、父逝去 .... 珈琲の渦の奥に一つ
小惑星が沈んでいます

あれは浮かんでいるのです(彼方側では)

音は滴り落ちるので
雨さえ頭上へと上がってゆきます

すべての事象があべこべなのです(此方側では) ....
{ルビ蛇=わたし}は脱皮した
相変わらず{ルビ蛇=わたし}のままだったが
少しだけ清々しい
肌感覚で世界を捉えている


かつて外界と接し敏感に反応した
主観的感覚と一体だったものが
 ....
{引用=夜明けのこない夜はないさ
あなたがぽつりいう}

懐かしい歌が
あの頃の私を連れてきた
そして今の私が唄うのを
遠い窓枠にもたれて
聞くともなく聞いている
夜のはてない深さと距 ....
雨色の絵具
乾かない涙と癒されない傷のために
散り果てた夏の野の花を
鎮魂に疲れ果てた大地へ捧げる
生者の燃え盛る煉獄へ
死者を捉えて離さない
空砲の宣言と
紙で織られた翼のために
憤 ....
キーボードの上で
テントウムシが{ルビ触覚=おぐし}を直している
ENTERの右の
7HOMEと8←との間
溝にハマった姿勢だが
寛いでいるようにしか見えない

{引用=どこから とか
 ....
1.墜ちた小さな太陽

白夜には子供たちが
祭典に訪れる黄昏があったとして
平和が続く夜空に
祈りを捧げていたばかりでした
かつて遠い昔
世界大戦で投下された
広島と長崎では
人間た ....
夥しい数の言葉が
壁一面に記されて
其処だけ羅列標本
        恋愛感情を剥ぎ取って
        継ぎ接ぎの怪物が孵化
        そんな夜半で御座った
赤い芙蓉が広がり
 ....
穏やかに沈んでゆく
貝殻の奥で
一枚の花弁のひとひら
(花占いを信じている女の子)
無差別に積み上げられている時間

嫋やかに蕩けている
石膏の奥で
一粒の星屑のひとかけ
(星占いを ....
田舎の
海辺の町は

夏だけ賑わうことの証に
朽ちた郷愁を見せる

古びた町並みは
時代に忘れ去られ

潮風にさらされて
風化した屋根が
陽炎のように歪む

人も少ない真っ青 ....
 盂蘭盆会

暮れてゆきそうでゆかない
夏の空に
うすももいろに
染まった雲がうかぶ
世界はこんなにも美しかったのですね
なんども見ているはずの景色なのに
まるで初めて見たように思うの ....
真昼の光の深層
魚のような身のこなし
リズムゆらめく角度から
乾いた{ルビ鼓膜=スネア}くすぐるブラシ


目蓋の裏を青く引っ掻いて
一匹の夜が踊り出す
はだけた胸
地を蹴るつま先  ....
わたしのお父さんには ふたつ 顔があります

男と同じだけ働いて 子どもを産んで 社会活動をしなさい
というお父さんの顔は真っ暗闇に覆われて
そばにいるのに目を細めていくら探しても
なんにも ....
白い蝶 光の眩暈
追って追われて
追われて逃げて
見えない糸が絡んだように
もつれてはなれ
はなれてもつれ
火照った空気に乗っかって
この夏の向こうへ


恋と憎しみは良く似ている ....
白島真さんの自由詩おすすめリスト(1289)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さわやかにわらう- 水菜自由詩317-9-15
草蜻蛉に- Lucy自由詩10*17-9-15
朝の日記_2017夏- たま自由詩14*17-9-14
ふり幅- ただのみ ...自由詩11*17-9-13
傾聴する額縁- 黒崎 水 ...自由詩317-9-12
ジニー- Lucy自由詩14*17-9-12
庭のおかあさん- 田中修子自由詩11*17-9-11
心のきれいなハチドリのよう- 水菜自由詩3*17-9-10
秋窓- そらの珊 ...自由詩23*17-9-8
もどつていく- 石村自由詩15*17-9-8
風の痛点- ただのみ ...自由詩17*17-9-6
草色- 石村自由詩19*17-8-31
夏石女- ただのみ ...自由詩13*17-8-30
優しい人- Lucy自由詩18*17-8-26
小さな鈴- ただのみ ...自由詩12*17-8-26
- 田中修子自由詩12*17-8-25
月の夜- 石村自由詩12*17-8-24
加速する山羊の角- 黒崎 水 ...自由詩7*17-8-23
脱皮- ただのみ ...自由詩9*17-8-23
夏の終わりに- そらの珊 ...自由詩18*17-8-21
生者の鎮魂- ただのみ ...自由詩10*17-8-14
真夏の夜の夢の手前- ただのみ ...自由詩12*17-8-12
白夜の終わりを照らすひかり- りゅうの ...自由詩4*17-8-10
凍寵- 黒崎 水 ...自由詩4*17-8-9
行列の足- 黒崎 水 ...自由詩317-8-8
麦わら帽子- ガト自由詩19*17-8-7
夏のあとさき- そらの珊 ...自由詩18*17-8-6
リズム- ただのみ ...自由詩6*17-8-5
黒いぐちゃぐちゃ爆弾- 田中修子自由詩9*17-8-5
去来蝶- ただのみ ...自由詩12*17-8-2

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