すべてのおすすめ
耳を近づけて寄り添おうとするあなたの
頬に触れることは赦されない
私の醜さは
あなたの前では祝福となる
強風の吹きすさぶ耳の中では
秘匿こそが美徳である筈なのに
あなたは一枚一枚
そっ ....
  断捨離


芸術家とは無駄な作業をする人のこと

陶工は焼き上がった作品を
ほとんど破壊するという
書道家も高価な墨と高価な硯で文字を書き
高価な紙もろとも破り捨てるという

 ....
屋根一杯に
鳩がいる
何かの見間違いかと
車窓から目を凝らす

もしや瓦の形の鳩じゃないか、と

でもやっぱりそれは鳩だった
生きている鳩そのものだった

ねえ、あれ鳩ですよね
 ....
流民をへて流民にあう
きみは遠い昔の記憶の中の文学少女

すべての物語を読み切れないように
たとえばたった一人の歴史も解析できずに

やはり僕はでくのぼうにもなれない半端者
きみの洗礼を ....
有翼の人魚たちが踊る森が ほどけてゆく
有翼の一角獣たちが戯れる砂漠が めくれてゆく
忘却のような白い顔をした給仕たちが 一列に並んで
運んでくる皿の上にはプラチナの蜃気楼
異様に美しい怪文書 ....
   随分昔のことだが山里の学校で疎開児童をやっていたとき
   先生は教えてくれた
   「いいか、熊に出合ったら息を止めて死んだ振りするんだぞ」

レントゲン撮影技師はオシャベリ好きで
 ....
 
まだ青々とぎらつく
その実を守る毬(いが)は
時には熟し切らないまま
木から落ちてしまう

栗の木の側の小道を歩けば
それは突然 気配もなく
私の背中や頭めがけて
数メートル上か ....
最後に故郷に帰った日

灯台に座って
風に舞うとんびを
いつまでも見ていた

神様の木のてっぺんに
命を抱えるとんびたちは

巣に近づくと魔法の笛を吹く

目が回るほど
螺旋に ....
街の憂いと親しみはどこまでも硬くて、例えば道の一本歩くにも違った脚の使い方が必要なようで、私は厳しく広がる風景の外部を見やっている。新しい部屋はまだ散らかったままで、変化に常に伴う混沌が妙に真新し .... 眠れない夜は
頭の中に白いひもを思い浮かべる
そのひもの先を
喉の奥からちょいと引っ張ってあげると
頭蓋骨がくいっと締まって
ちょうど良い具合になる
あまり引っ張りすぎると
すとんと落っ ....
土に鍬を差し込むことで
自然に対して解釈を加える
大きな実りを導くために
剪定、摘蕾、摘果、花粉交配、消毒
自然に対して批評を加える
訪れる稲穂や果実、野菜の類を
味わうことで精密に読解し ....
あなたはそこに立っていた
無くなる事のない
花束を抱えて

何も言わずに微笑み
太陽を背にしながら
あなたは
その花束を抱えていた

擦れ違う見知らぬ人にも
一輪 一輪 花を差し出 ....
予感は、急角度に侵入する胎児だ


樹々が複雑に伸ばした細い腕の先のほうに留まると、其処で眠る


それがいつ後悔に姿を変えるのか瞬間を見たものはいない


気づいた時にはもう

 ....
いつのまにか夜だけがふけてゆくが
僕の朝はいつまでたっても来ない

時間の止まったままの時計をぼんやりと眺め
時系列のなかの無限の選択肢に思いを馳せる

ものごとを整理するには基準が必要だ ....
通り過ぎていく宇宙の裏側で
時計の針が時を刻むのと同じ速度で
善は一つずつ砕かれていった

冷気が朝の静寂と混じり合い
草の色が淡く変わっていく中で
夢は一つずつ壊れていった

 ....
羽音で目が覚めた
驚いて明かりをつける
汗だくで寝ていた
汗の匂いに寄って来たんだな
いったいどこから入ってきたんだ
窓は閉めていたのに
ベープマットをセットして寝る
でもまたも高い羽音 ....
糸杉の並んだ道
夏のただ中だった
一歩歩くごとに
汗は蒸発していき
肌に残されたものは
べとつくだけの塩辛さだった

暑さのあまり
蝉の声さえ途絶えた
世界には
わたしとあなたしか ....
この窓から
杉の梢の 老いた枝が何本も
風で揺れているのを見た
生きてるみたいだった いつも

枝の間を透かして
鈍く光る雲と 色あせた青空が
微塵になっていた
昨日がまた昨日みたいだ ....
この手に
白い本を抱えて
まだ見ぬ夜明けを
待っている

今は さよなら
いつか必ず 君の事を
確かな形にして
受け止めるから

待っていて欲しい

あの夜から
随分と遠 ....
朝陽は陰々と降りかかる、その日の人々の通勤に結論を下すため。人々が夢から生まれ、途端にすべやかな仮面とともに成人するのを見届けるため。電車は巨大な獣のように息を荒げて疾駆する、人々を腹の中に収めてはま .... 堕天使の様に 煌めいている星達
悪魔の誘惑に騙されたイブよ
美しいものは 見たい 触りたい 食べたい

唇のラインが 幼い鼻先が 繊細過ぎる白い指が
きっと 夜空のイメージと同じはず
 
 ....
猫背になって
かなしんでいる間にも
朝顔はぽっかり藍色に咲いていた
ああ
にんげんやめちゃいたいよ
胸に
おそろしいほどすきとおった何かが
じぐざぐ刺さって
なみだがぼろぼろ落ちるけど ....
本当に美しいものは

言葉には表せない



それらを再現できるのは

読み手の魔法なのだ
次世代のために
誰かがしなければならないから
そうやって
きずだらけのわたしを見ないふり
すんなよ

わたし、うまれなくてよかったんだよ
わたしのおかあさんおとうさん
だれかのおかあさ ....
まどろみのなか
昭和の夏を漂っていた
モノクロの日差しを浴び
切り取られたジブリ映画の中を
由美かおるが微笑んでいる
蝉しぐれが騒がしく
少年のランニングシャツの白がまぶしい

海で泳 ....
夏の夜に浮かび上がる
さそり座の心臓、火星
とうたっても
こちらの夜は星座もろくにみえやしなくて

夜空は地上に住む人の心を写す鏡だというなら
みやこのこころはどれほど滅んでいるのかしら
 ....
おかあさん、あなたのいない夏がまた来たよ
そうしていま選挙の時期です
口癖のように歌のように
あなたはいつも
社会貢献できてわたしの人生は幸せよ。
そう、甘ったるく高い声で
誰にも有無を言 ....
あなたなに色の朝顔がすき?
わたし断然あお、とっても単純だよと笑い
あなた色盲だから分からないと苛立って

Red : 153
Green : 204
Blue : 255

仕事の ....
あなたの小指に糸を巻きつけました
赤い色をした糸を
風にふるえて揺れている
その糸の先にわたしの小指


(ねえ きれいでしょう この世界は
 心でしか見えないものがある)


ど ....
ハーネスを付けた老犬が
散歩している
ヨタヨタと…

仔犬の頃から
遊びあった犬
散歩中に私を見つけると
尻尾を回し飛びついてきたのだが

「マリリン」呼んでみる
近寄ってこない
 ....
白島真さんの自由詩おすすめリスト(1295)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
◎深海からの伝言- 由木名緒 ...自由詩5*16-9-17
断捨離- イナエ自由詩3*16-9-16
鳩の家- そらの珊 ...自由詩1016-9-15
流民- 梅昆布茶自由詩15*16-9-15
戯言アポカリプス- 塔野夏子自由詩3*16-9-13
死語と愚痴- イナエ自由詩8*16-9-13
まだ青い毬(いが)- 葉月 祐自由詩2*16-9-13
時の場所- ガト自由詩6*16-9-13
異郷にて- 葉leaf自由詩116-9-11
眠れない夜に- ららばい自由詩216-9-11
農家- 葉leaf自由詩116-9-10
花束の人- 葉月 祐自由詩3*16-9-10
_純粋な記憶- ハァモニ ...自由詩5*16-9-7
朝が来ない理由- 梅昆布茶自由詩1116-9-5
失語の秋- 葉leaf自由詩116-9-5
提供- Lucy自由詩5*16-9-4
夏のスケッチ- そらの珊 ...自由詩15*16-9-1
この窓から- オイタル自由詩416-8-21
夢の始まり- 葉月 祐自由詩2*16-8-16
三十歳- 葉leaf自由詩416-8-5
夜空のイメージ- 星丘涙自由詩4*16-8-2
にんげんの色- 田中修子自由詩4*16-7-24
文字- ガト自由詩6*16-7-21
なつのうた- 田中修子自由詩3*16-7-18
昭和の夏- 星丘涙自由詩7*16-7-11
桃たべる朝- 田中修子自由詩3*16-7-6
がいこつつづり- 田中修子自由詩16+*16-7-2
朝顔の青色- 田中修子自由詩2+*16-6-26
赤い糸を君に- 石瀬琳々自由詩10*16-6-24
犬眠る、そして_ー歳を取るとはこういうことか23- イナエ自由詩15*16-6-23

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