すべてのおすすめ
薄い薄い薄い薄い
透明な、点滴のパックを
銀色に遡っていくもの、の
私は(あなた
手放して、
空気の中へ、
あなたは視界の果てで
輝きを受ける、
あなたはあなたの星空の中
一 ....
木を植える
まだ草のような
苗木を植える
時計の針をセットするように
一日を新しく始めるように
この一点に集中する
冷気は言葉を生み出していく
終わりのない長い文章を
だが木は記述され ....
憧れを胸いっぱいに抱いて飛んでゆく私の青い半身。
山を越え、海を渡り、異国の地へと行ってしまった。
時折届く君からの手紙に安らぎを得る。
私にもまだ笑顔が残っていたのだ。
黄 ....
疲れだけが
この体に降り積もった
誰の言葉も
静寂に消えてゆく
街灯が
一輪の花の様に見えた
液晶の光が
私の姿をあらわにしていく
隠れられない
隠せない
画面の明か ....
真っ黒い木々の影の中をさ迷うように
真っ赤な夕立の雲間から黒い雨粒が
車窓を叩きつけるように
走りゆくバスから
移ろいゆく黒いものたちを 目の当たりにしながら
避けることも 拭うこ ....
誰かに呼ばれた気がして
振り向くと外は雨
今日は寒いなあ
乾かない洗濯物
畳めないからぼーっとする
そろそろお迎えの時間か
例えばここで
駆け出したら、、
子は迎えに来ない母を ....
少しだけ遠退いた
あまりにも幸せすぎた日々と
ゼロ距離すら保つ事無く
自分の聖域を荒らしていく 日常
昨日は何も無い良い一日で
今日はあれこれあったけど良い日だった
....
もう少し眠っていてもいいと
誰かが低い声で囁くのが
薄暗い夢の中でもわかる
本当にもう少しここで
眠っていてもいいのですか
念を押して訊ねてみると
その人は猫を撫でるような声で
眠ってい ....
緑の葉に黄色が浮かんではらり落ちる先に秋の赤
暮れるのが早い空に月がしらじら輝いて水は凍り
花が枯れて実になり種は地に落ち咲いて巡りゆき
夢に旅して息し現という虚に帰ってきて寂し滅び
それでも ....
普段はつけずに眠る
豆電球の明かりを残した
それを月に見立てたら
荒んだ胸のうちも
いくらかは
和らいでくれるだろうか
この開きやすい扉の鍵は
まだ 開かないでいる
こ ....
水紋のそのままが伝わり
川底の色に雨が加わる
あやまちの子が
夕暮れに手を振る
曇わたる曇から蒼が降り
唱う譜面の切れ端も降る
幾つかに分けられた家並から
楽隊の ....
バーベキューのおしまいに
竹ぐしにさしてマシュマロ焼いた
じんわりこんがりしてとろりどろり
くちのまわりべたべたしろくあまくすする
横向くと
ブルーベリーの枝に
尻尾の切れたトカゲ、う ....
君は黒く煌めくシーツを
その身に纏って
こちらを見ている
そうだね 寒いからね
僕は月のスイッチを消して
君と共に
夜の深くまで潜り込んだ
重ねる
委ねる
二人のすべ ....
秒針が寿命を数えている夜
確実に死を迎えるために
耳はその呪文を捉え
無為な夜をすごしてゆく
生まれては死に
死んでは生まれ
嘆きの丘を目指し
重い十字架を引きずりながら
空を目指 ....
深夜、黒い海の底には自由が泳いでいた
あらゆる抑圧は解放を求めている
まるで遠吠えをする狼の悲しみのように
少年の苦しみは社会の礎となる
登りゆく太陽の無邪気さ
暮れ行く夕方の北方に飛ぶ ....
あかい傘ななめに濡れた路をながれ
雨音のつめたさに背中を欹てながら
遠景へ漕ぎ出して傍の違和をぼかす
迷い鳩に差し伸べた手の仕草の嘘を
街路樹の間から無言のまま見つめる
おんなの ....
君の姿を初めて見たとき
君の顔は白く固まっていた
初めましてのあいさつが遅れたね
僕は君の叔父さんだ
安らかに眠るといい
眠るために生まれたんだよ
君はきっと
君の顔は美しく化粧 ....
真夜中の幻燈に真昼の幻想を見る者が一人。
彼は懐かしさの中に真実を探ろうとしている。
ぼんやりと宙に浮かぶ光景は全てが琥珀色で
真実の色さえ隠してしまう。
誰もいないアトリエ ....
亜熱帯のジャングルの地下は氷柱の連なった秘密基地でフラミンゴのピンクの色を解読している科学者がいる
その人はしとやかな女性で
趣味はお相撲を見ること
助手の一人がタランチュラを発見し大騒ぎとなっ ....
通り過ぎてゆく人々
通り過ぎていった人達
何なのだろう、何だったのだろう?
あれらこれらの出来事が
今は嘘みたいに消え去って
僕は嘘みたいに落ち着いて
ただ目を閉じる、ただ目を閉じる
あ ....
広い邸宅など要らない
ベッドは
身体を横に出来るスペースがあれば良い
食卓には
茶碗の置ける隙間があれば飯は食える
とうそぶいて
新聞が 雑誌が 広告が
テーブルに積み重なり
ベ ....
黒曜石の瞳を閉じて
秋風とともに往ってしまった君は
そろそろ成層圏あたりにいるはずだ
ただ
ぼくにできることといえば
天空にそびえる岩壁をノロノロとよじ登るだけだった
君に届けとばかり ....
朝のひとときに
部屋の窓ガラスに
打ち付ける様に降る 雨
その降り方は
この身に潜む暗いものも
洗い流していくかのように
雄々しいあなたは お久しぶりですね
あなた ....
*
孤独は届けられたものだから
*
心臓を意識する
雲に気づいたように
*
あてがあるわけでもないものを
流すのは青空の日にしている
白夜のように月が燃えあがる夜に暗色のシーツに包まれた寝床におまえは横たわる、清潔な寝室のそこかしこに蛆虫のように蠢いている憤りの欠片、それはすべておまえが隠した懐から零れ落ちていったものだ、も ....
寒くなってきたね
長袖一枚では少し寒いかな
何か羽織ろうか
それとも厚手のセーターでも着込もうか
そういえばこのあいだ通販で
フェイクレイヤードというものを買ったんだよ
見た目は洒落ている ....
雲間から大首が降りてくるでしょう
まるで惑星ほどに巨大な首がゆっくりと地上に迫り
町は空が遮られたために暗くなります
道行く人々は自分の思いにふけり
あなたも目の前の地面をじっと見つめています ....
深夜
耳たぶを踏まれ目を覚ますと
肋骨が無い事に気がついた
慌てて起き上がろうとしたが
胸がクラゲのように揺らめいて起き上がれない
しょうがないので首を曲げて目線を横にすると
小人達が腰に ....
ひとつ屋根の下で暮らした、お婆ちゃん
僕が生まれるより前に病で逝った、お爺ちゃん
幼い僕の頭をかわいいかわいいと撫でた、ひい婆ちゃん
娘の幸いを願って逝った、嫁さんのお母さん
年老いたある日突 ....
車の中のあなたは雨 避けがたくとりとめもなく
一つの今と一つの場所が移動する 相づちは質量を残さない
「モノローグ」そう題された つめたい彫像として心臓まで
こと切れたままのラジオ ....
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