蛾蛾蛾、
長い長い年月の、
土とホコリの溜まった、
そのアルミニウムの窓枠に無数に繁殖するに至った、
その、ちいさなちいさな三角形の飛翔体、
蛾、
蛾蛾、
蛾蛾蛾、
蛾蛾蛾蛾蛾蛾、蛾蛾 ....
挨拶しても
返事はない
吹き出しに
見えている
心の声だけ
饒舌なんだ

好き嫌いで
仕事が滞る
そんな感情
無駄な時間
仕事効率化
できないよ

怒る気にも
なれないよ ....
もう二十年近く

髪はショートヘア

気に入ってしている

昨日 少し伸びた部分を

自分で切って切り過ぎて

朝から鏡を見て見て溜息


越して間もないので

挨拶しか ....
都会にポッカリと空き地
照らすのは日の出から
カンカンぎりぎりと草原に
射し込めてこの爽やかさ
今日という日の 日日草
翳りだけ待たされて
鼻先につん!とくる
風は明日を感じさせない ....
 気が利くような言葉はいらない
  素晴らしい特別もいらない

       ── Aimer





咲くいのち散るいのちあり揚花火

しじみ蝶花へ花へと色移り

石塀に ....
整骨院のウォーターベッド
横になりスイッチを入れると
足から背中 首を通って後頭部まで
強い調子の泡がマッサージしてゆく

私はただ
たゆん たゆんと 身を任せる
その10分ほどの間は  ....
きみの何気ない頬笑みでぼくは生かされている
交差する熱視線は刹那から永遠に続くと思った

きみの手のひらはとても柔らかく暖かくて
冷たいぼくの手を優しく包んでくれた
戸惑うぼくの頬は少年のよ ....
想いは沈み、
夜の静けさに息が漏れる
やがて、
瞼の裏に灯りはじめた
遠い星、
砂風の吹く
異郷の、
赤い空と渓谷

蒸気を吹き上げ、
無数のプロペラで浮かぶ
機械式の文明が、
 ....
くだらねえ
呟くほどに乾いてく
喉よりもっと深いどこかで



覚えては
忘れまた覚えまた忘れ
記憶のラリーはいつまで続く

また一つ
指間に弾け飛ぶピンチ
行 ....
波立つ白い羽衣
光に透けて溶ける夢
身を投げ出して泣く赤子のように
純粋に残酷なほど無邪気に柔らかな刃で胸奥深く抉る

それはいつか視た予感
どこか遠くで耳にした詩(うた)
魘されて目覚 ....
眩しかったのはいつの頃か
あなたは
いつも笑顔だった

あなたの
小さくなっていく
その光は
音も立てずに
落ちていく

閉ざされたドアを叩き続ける
時の迷路を
ずっとさまよっ ....
きみはとても素晴らしいから
ないとわたしは生きていけない

でももし映しすぎたら
往復しすぎた嘘も、人の喧噪も、乾いた鼻歌の色も
きれいに見せかけたよごれ
とびっきりの正しい眩しさ
 ....
トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
山あり谷あり色々あって生きてきた
雨の日も風の日も晴れた日も

トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
路端にはいつも美しい花々が咲いていて
乾 ....
光と水はあらゆるものによく溶け合います。
美しいものには特によく溶け合います。
よく溶け合って美しいものを半ばちょっと別の美しいものへと見事に変容させます。
たとえば夏のプールからあがって来たば ....
私は口論が大嫌いです。

きのうからあしたへ渡る星の道みちびく羊、きょうを忘れて

ポチ連れて右に折れたら夏館

入道雲白いもくもく幼き日

本好きの少年となってハンモック

 ....
「あなたが入っていたらいいのに。」

その一文に鷲掴みにされた

先日送った小包

そのお礼の手紙

初めての あなたからの手紙

美しい字で書かれた宛名を見て

あぁ、そうだ ....
お年寄りのなんと生き生きしていることか

なんか
吸われてる気がする~

僕のなんと悲しそうなことか

吸わなければ
若いエキスを

どこかから
声がする

あきらメロン
 ....
見よう見まねでお好み焼きを焼いている

ぎこちない手つきで箸を握る人

きっと月の裏側から来た人だろう

そこは聖地でオリーブの実を照らす

 Tintarella di Luna ....
 それは神様でも
  たぶん知らなかった

       ── hound dog





何か言ひ残すかのやう春の雪

やがて散る花もたしかな今を咲く

鶯や健やかに ....
時代を追いかけ
時代から遠ざかり
時代に取り残される

言われた通りにしていたら
ものわかりのいいバカになりました

数の数え方と色の見分け方
下手の横好きは生きる術でした

知っ ....
漆黒の蛇腹をくねらせ
茶色がかった半透明の羽を羽ばたかせ
いやらしく光る複眼と長く伸びた細い触覚が襲い来る

どこにも逃げ場はない
鋭い牙で突き刺され恐ろしいほど真っ赤な口に飲み込まれるまで ....
いつの間にか眠っていた
開け放っていた窓から冷気が忍び込んでいる
午前2時か3時だろうかと思った
時計の針は10時を指している
煙草を1本燻らせて
深夜のスーパーに買い物に行こうと思った
 ....
食欲のままに食べたツケか
胃がイヤイヤ期に入る
平熱なのに
寒気がしている
気持ち悪さが込み上げて
我慢できずにトイレに駆け込む
逆流する
涙が滲む
ぶちまけたものを見る
そこそこ消 ....
くさらずコツコツがんばるしかない
あきらめたらそこで試合終了
何度でも言うけど
生きるのはしんどい
摩耗していく心と体
それでも人生を肯定する
それでも人生を肯定する
真夜中

自転車で無理矢理二人乗り

皆を出し抜いたみたいになった

どこでスイッチが入ったのだろう

タイプではなかった気がする

連れ去られるように走った尼崎の街

我 ....
(君のようにわたしはなれない)

星の流れるさみしいよるには
悲しみも流して、染ませるから
雨のはげしく叩くよるには
聴こえない子守唄を うたおう
花火の終わった白けた
夜空のした
醜 ....
この星の全域が、
スラムと
清潔な街とに
分断され、
難民と
エリートに別れても
まだ君は
未来を信じるのか

正義が強制され、
否定する者が眠らされても、
まだ君は
未来を信 ....
あいにくの雨だったけれど
学生の頃の仲間と当時の地元で集まるため
出かけた
何日も前から楽しみにしていた

  海のない土地に嫁いだので久しぶりに見る
  電車からの海沿いの景色は
 ....
心を複雑骨折した夜でした

一本道の迷路は確かに怖くて
無限遠点の先の原点に立ち止る

咲いている花はケシの花
(花言葉の意味はよく知っています)

癒しは時に
善悪を超えて
理性 ....



胸と背中に挟まれた
狭い胸郭のお立ち台で
夜もたけなわと、踊る心臓

ドックドックと五月蠅くて
寝返りを打つベッドの独り身

いっそのこと、止まってくれれば
永遠の眠りに ....
夏井椋也さんのおすすめリスト(557)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 本田憲嵩自由詩12*25-6-7
人間関係- 自由詩8*25-6-6
花の人- 花野誉自由詩6*25-6-5
日日草- 洗貝新自由詩15*25-6-5
白紙に散る夏- 森田拓也俳句7*25-6-4
整骨院にて- さち自由詩425-6-3
きみに- レタス自由詩7*25-6-3
星の儀式- atsuchan69自由詩18*25-6-1
五月雨の拙歌集- まーつん短歌225-5-30
prière- 栗栖真理 ...自由詩4*25-5-30
キセキ- 自由詩12*25-5-30
めがね- 唐草フウ自由詩13*25-5-30
- レタス自由詩8*25-5-30
水貌- 本田憲嵩自由詩1125-5-29
2022.6.10_____________________ ...- 梅昆布茶 ...自由詩625-5-29
横浜からの手紙- 花野誉自由詩8*25-5-29
エナジードレイン、あるいは詩人- りゅうさ ...自由詩4*25-5-29
_スパゲティナポリタン「Tintarella_di_Luna ...- 洗貝新自由詩11*25-5-29
嘘つきごっこ- 森田拓也俳句17*25-5-25
guilty3- TwoRivers自由詩11*25-5-24
悪夢のなかの地獄- 栗栖真理 ...自由詩525-5-24
お買い物- レタス自由詩9*25-5-24
欲を貪ったツケか- 自由詩5*25-5-23
生きる- 渡辺亘自由詩325-5-23
キツネ目の人- 花野誉自由詩13*25-5-23
まくら- 唐草フウ自由詩10*25-5-22
That's_smart_- atsuchan69自由詩17*25-5-22
レイヤー- さち自由詩425-5-19
guilty- TwoRivers自由詩14*25-5-18
白いシーツの波跡- まーつん自由詩9*25-5-18

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