ある朝
昔いたノラネコを思い出す
もういないはず
頭の中にはいるのだけれど
幼い頃の記憶はぐにゃぐにゃ「ト」むにゅむにゅ
とても優しいものではあり
「僕がワタシであった」証明
....
まだ整備されていない、
とても茶色がかった昭和の夢の中を、
ヨウイチ君と一緒に遊びまわって、
一体ぼくは何を忘れてしまっていたというのだろう、
彼の名字がどうしても思い出せなくて、
なんだか ....
反復する呼吸
少しの重さ
ありふれたことなのに
落下傘だ、と
二人して笑った
微熱の名残りに
わたしちが寝転んだのは
芝生の庭だったかな
覚えたての呪文のように
何度も
....
昨日の夕方
毛虫が落っこちてきたら嫌だなと思って
茂る枝の下を避けて立ち
青信号を待った
公園の桜の木
毎年春に花雲を愛でて
木は すっかり街中で溶け込んだ住人
だ ....
みゃあみゃあ
きみがどこかで言うから
どこにいるのって
さがした
見つからない
きみの声が
ずっとしたまま
買い物に行ったら
傘も手提げも
どこかになくして
それっきり
....
君のましゅまろ、
丸くて白顔、
微笑んで、
目もほそい口もほそい眉もほそい、
まるで五つの三日月、
一つの白月、
首をすこぉーしだけ傾げて、
甘くてふんわり、
ゆきみのだいふく、
....
来週の月曜日で渓は閉鎖される
天気予報は曇りだから
これが最後のチャンス
華麗な山女魚とも3月まで逢うことはできない
秋は心新たに本流の虹鱒を追いかけるだろう
清流のファ ....
これをかっこいいと思っているのか
ではなくてふざけてるんだよ
と、
君はいう、君はいう、君はいつまでもいう、もうやめてくれ
そこで火花を照らす
ぼくぼくぼくぼく、そうそうそう、じゃな ....
青い鴎が羽ばたいて
次の時代の到来を伝える
海の向こうから荒い波が
押し寄せようとしている
青で侵食されてゆく
触れられない場所で
舵取りが行われてゆく
繰返す歴史の歯車が作動し
神話 ....
れいランランも訪れた
大阪は堺市にある焼肉の味楽。
煙もうもうの店内が食欲をそそります
キャベツ食べ放題が嬉しい、
エアコンなしはちょっと暑いけど、、
あ、煙もうもう系のお店では、
堺 ....
サラリーマンだから贅沢は言ってられないのです。
久しぶりに息子を連れてヘルスセンターへ出かけてみようと思います。
本当は何処か温泉街の露天風呂のほうがいいんだけどね。
僕らはそそくさと脱衣 ....
駄目ならば
それでいい
ドン・キホーテのように
命を賭けて
突き進む
あたし、詩脳と思った。
自由に込めた魂のロシアンルーレットで当てたい。
生まれた時から詩に始めている。
詩を味わうとゾクゾクする。
アドレナリンが放出されてナチュラルハイになるから、詩脳詩 ....
雲よりも
高いところの虚ろな光
欠けた兎影に 目を凝らす
背後で、製紙工場の正門から細い通りへ出る
大型トラックのタイヤが路面に擦れる
緑色の金網が張られたフェンス越しに ....
今日の朝は、静かな眠りの中で、1時間、2時間と、時間が経つのが分かるようでした。
身体の外側から、僕自身が、いつまで眠っているのかを見ているようでした。
ベッドから起きると、母が、明太子にシラ ....
夜の静けさに
身をひたすと
闇が優しくて
こころが
満ちる
・
祈る
せめて
私の大切な
存在たちが
笑顔でありますようにと
・
人生は一度限り
私の肉体は一 ....
雨音に
打たれ
鳴りひびく
空っぽの胸に
よみがえるあの人の言葉
筆を洗ったように
空は濁っていた
積もりに積もったことば
こころはもう見つからない
遠い昔に死んだ
自分のようななにか
滲んだ絵具
見分けのつかない瞳から
こぼれ出す 記憶の澱
....
土砂降りの雨がおまえを濡らし、
からだが小刻みに震えているのを見た
星の巡りじゃなく、俺はここにいる
華奢でしなやかな声をキスで塞いだ
信じられるのは、息と瞬きだ
うなじや首筋 ....
まぶたが閉じるのとたたかいながら
キャラメル箱の移動 ゆれる
向こう側の空 灰色
ほんとうは 終らない色
窓開けて あみどに
バッタの子ども
会いに来てくれた
また自分らしくいられる ....
土曜日、
掃除のため工場の窓を開けて、
そのすぐ下を見やる、
とても窮屈な折半屋根のいくつもの溝に、
いつの間にか溜まっている、僅かな土、
そこからひょっこりと生えている、
数本のほそなが ....
夏の暑さに、包まれ、静まり、静かな怒りの流れのように、
今、雷鳴がとどろき、わたしは戦慄した。
……ざあっと、雨が降るね。おびえる目で見守る。
やがて、ぽつりぽつりと、頬を打つ雨は感動で、至らな ....
この白い画面から
各々の人たちが夏の思い出に何色が入ってるかを見ている
あたりまえに過ごすこと 羨望で願望しかなかったこと
夏の思い出はすきじゃない
病棟へ出入りするぶ厚い自動ドアが、こど ....
カモメが翼を一文字に広げて飛んで行く
灰青色の空
雲は途切れ途切れに流れた
生温い風と遠くざわめく静かな波
周りの声はいつの間にか波にかき消された
水平線の境はハッキリと分か ....
全員揃って和やかなムード
それはもう過去のほんの刹那
二度とない瞬間には
何も思うことがなかった
振り返って初めて思う
もっと もっと
こう ああ
すれば よかった
残された者 ....
灼熱夏の
到来に、
自らの闇
夜闇に深く沈め
すべて棄てて曝す際 、
ヒカリ橙色に
やはらかく輝く
意識の視界、
カウントダウンの渦中に
奈落の底を眼差し
崖っぷち歩みなが ....
ながい黒髪が、
夏の風にさらされて、
ときおり、
ひとつの風鈴となっている、
夕立の雲が垂れ込めているのに
ふりそうにない{引用=まだ降らない
まだ降らない
まだ降らない} その短いようで限りなく不穏な時
夏草の背の高い奥庭
開かれた窓に
夕顔が、何 ....
人として生まれたのならば
死を迎えるまで
強靭かつ しなやかでいたい
この世をすべて理解しているわけではないのだから
真っ白なキャンバスのように謙虚でありたい
この歳になっても好奇心はい ....
会えないことがわかっているから
適当な約束をする
叶わなくていいけれど
叶わないけれども
まだ大切に思っていることを伝えるために
意味のない約束をしたいだけ
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