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やがて白銀の景色は薄桜に染まり、
雪風は砂風となってアフリカの砂漠へ移り吹く

ぐにゃりとした冷たい肌のやつは、
サハラ西岸の浅海で捕れた後、冷凍されて
TAKO と記された紙箱に詰められ海 ....
静寂を沈めた海が、満月を映している

白い泡を浮かべた幾度目かの波が、
今夜も踊らない砂浜を濡らして、
ひとりの足跡が、塔のある岬までつづいた

打ち寄せる羽ばたく声と、
幼い飛沫が果て ....
背中で赤いやつが暴れてやがる
一生消せねえ黥の幽鬼だあ
酒と博打で女房は消えちまった
寒空に震えても、背中はいつも火達磨よ

地獄の鬼が暴れやがる、燃えやがる
のたうち回って転がったって
 ....
人生を捻じ曲げる、
まっすぐに終わりへとむかう
ひどく短絡的な直線を
乱暴にぐいっ、と曲げる

きっと皆は、この僕が
まっすぐ進むと思っていただろうな
でも突然、進路を捻じ曲げたから
 ....
炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている

正 ....
豊かさにすがる人々が挙って生贄を捧げる
まぶしい海の街に聳え立つ女神の像が淫らに、
そして聖母のように微笑んでいる
見よ、彼女が踏み荒らした諸国の苦しみを

アフリカの中央部、西部、そして ....
夜明けの海が磯際を洗っていた

スプニングリールに巻いた
ナイロンの道糸を
仕掛けの糸(ハリス)と直結するのに
結び方を選んだりはしなかった
一応、ストロングノットも知っているが、
トリ ....
白いテーブルに散らばった、
古い痛みと哀しみが
碧色のガラスの欠片とともにある
陽の当たる部屋から外を覗く

破れた写真をページに挿んで
永く閉じている本の背表紙に触れる
想い出は、夢の ....
横になればすぐにわかる
どうして今まで立っていたのだ
眠るために必要なものは、
とりあえず枕と寝床があればよい

悔しかったことや腹が立つこと
悲しいことや傷ついたこと
虫歯の痛みや腹ぺ ....
上手く書こうとするから
嘘ばかりを書いてしまうのだ
詩が書けないのじゃなくて、
それが本当の理由なのさ

嘘なら嘘を吐き通せば良いだろうし、
ことばを飾るのが嫌なら下手でもかまわない
ど ....
難波から紅いひのとりに乗って、
ひとり険しい顔で電光石火へと向かった
本店は広島にあるのだけど、
東京と名古屋にも店があったのだ

鉄板に載った人にやさしくは、
贅沢にも肉の量がダブルで
 ....
俺は 彷徨って い る

ついさっきまで
タイのスクンビットで
トゥクトゥクの屋根に乗って、
シェラトンから
中華街を目指していた

夕べは 
カオマンガイを喰ったが、  ....
敵であり、
味方であり、
ボクの恋人であり、
油断の出来ない女だった

彼女が欲しいのは男らしさ
弱い男なんか目じゃない
心の傷を舐めてなどくれない
辛い時に、優しくもない

だけ ....
れいランランも訪れた
大阪は堺市にある焼肉の味楽。
煙もうもうの店内が食欲をそそります
キャベツ食べ放題が嬉しい、
エアコンなしはちょっと暑いけど、、

あ、煙もうもう系のお店では、
堺 ....
土砂降りの雨がおまえを濡らし、
からだが小刻みに震えているのを見た
星の巡りじゃなく、俺はここにいる
華奢でしなやかな声をキスで塞いだ

信じられるのは、息と瞬きだ
うなじや首筋 ....
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク、
パステルカラーの朝が 
たなびく空に滲む

満ちた潮の香りと
膨らんだワンピース
裸足になったキミは、ひとり
貝殻の残骸を数える

砂浜 ....
あー、なにも変わらない、ボロの部屋
ゴミ袋の中の昨日と分別中の今日 
そして明日も良い天気かな 少し不安
とりあえず、納豆&卵かけゴハンを食べる

おそるおそる粘つく息をして 咳き込む
叫 ....
大きく裂けた口のある白い顔で笑い
煌びやかな衣を纏った記号が宙を行き交う
吊るされた語彙は真夜中の死体のように重く
暗い羅列が濁点だらけの股間にあった

大好きなキミの瞳を輝かせたいから、
 ....
土留色のナイショが蠢いている
秘めごとを沢山食べて大きくなった
巨大な海鼠にも似たナイショが床を這う
ナイショの匂いは潮風のようだった

こんなに丸々と育ってしまったら
きっといつかバレて ....
瞼の裏側で眠りの松明が燃え盛る
タップを踏む睡魔が天然色の幻へと誘う
大地を俯瞰すれば麒麟の群れが走り
文明は密林のように摩天楼を生やした

水曜日の波が大通りへと押し寄せる
チョビ髭を歪 ....
むかし戦争があったなんて
――きっと嘘だ、

円柱型のチョコレートを
小さな花紋のある包み紙を破って、
贈り物だと信じて食べた
チョコを食べると、熱くなって
自分が強くなるのを感じた
 ....
幾つもの街を壊し、
平和な村を焼き払って
異臭に鼻を抑え、
黒焦げの死体を踏んで
やっと生き延びた

どうかお願いだ、
火薬の匂いがするボクと、
朝までいて欲しい
嘘でも良いから
 ....
おピンク色に恥じらう
シャイな豚のこころはよう、
塩で揉んでヌメリを洗って
筋を剥がして切って、刻んで
ニンニク醤油にしばらく浸けて
ちゃーんと竹串に刺してだあ、
骨董モンの長火鉢でよォ、 ....
幻のステージに、
昭和を生きた女がいる

鳥の羽根で飾られた衣装を纏って
ジャズとロックンロールと演歌を混ぜた
──アジアンであり、
──洋風でもあり、
戦争に負けた戦後の日本みたいな
 ....
ラ、
ララ、ラララーン
高級食材が半額になる
奇跡の瞬間、魔法のシール

ら、
ら ら ら
シールが貼られるまでの
ワクワク タイム~♪ 

グルル、グァオウ! 
飢えた 猛獣 ....
冨の神を崇める教義では、
あなたの身体と魂は誰よりも清く
その清い身体のために、
毎朝オレンジジュースを飲む

また、あなたの美貌のために
幼い夢を祭壇で屠り、鮮血を啜る

既に世界は ....
尻の曲線に墜落した
堕ちたのは、
きっと酒のせいだ
窪みから下腹部を抜けて
波打つサテンのシーツを泳ぐ

女の夜は満天の星空で
凍った涙のように美しかった

柔らかな乳房の谷間で
 ....
仮面をつけた憂愁が舞う
着飾った歌姫と水鳥たちは歌い、
色とりどりの声を散らして
哀しみの浮かぶ透明な空を渡る

広場では巨大なパエリアが炊かれ
裸の犬と子供、朱や紫の女にふるまわれた
 ....
夜中に目が覚めた
真っ暗な部屋に夜がひとり

しんと静まり返った夜が
ぽつんと立って、
なにも言わずにずっといる

朝まで立ちつづけたら
きっと疲れるだろ
よかったら、
ボクのそば ....
どこからともなく
黒い帽子、
黒いコートの
陰謀論者がやってくる

はじめ電信柱の影にいたが
子供たちが騒ぐと、
わざとコートの前を開いて
●ン出しをして追いかけて来る

不気味な ....
夏井椋也さんのatsuchan69さんおすすめリスト(34)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桜飯- atsuchan69自由詩18*25-4-1
グィネヴィアとエレイン- atsuchan69自由詩15*25-3-1
- atsuchan69自由詩13+*25-2-2
- atsuchan69自由詩24*25-1-14
青い涙- atsuchan69自由詩15*25-1-7
アフリカの涙- atsuchan69自由詩20*24-12-31
秋磯のアングラー- atsuchan69自由詩13*24-12-25
碧の欠片- atsuchan69自由詩20*24-12-4
微睡の草原- atsuchan69自由詩14*24-11-11
魔術師- atsuchan69自由詩13*24-11-3
人にやさしく- atsuchan69自由詩11*24-10-27
幽霊はワープする- atsuchan69自由詩16*24-10-19
傷だらけのダンディ- atsuchan69自由詩20*24-10-6
ボクのお薦めグルメ_堺- atsuchan69自由詩10*24-9-27
息と瞬き- atsuchan69自由詩11*24-9-12
海の風- atsuchan69自由詩13*24-7-7
たぶん、きっと- atsuchan69自由詩11*24-6-29
曲芸- atsuchan69自由詩11+*24-6-22
ナイショ- atsuchan69自由詩12*24-6-16
ライク・ア・ムービー- atsuchan69自由詩9+*24-6-1
恵みのチョコレート- atsuchan69自由詩13*24-5-25
畔の家- atsuchan69自由詩9*24-5-17
豚のこころ- atsuchan69自由詩5+*24-4-4
歌姫- atsuchan69自由詩14*24-3-7
半額ゲッター- atsuchan69自由詩12*24-2-22
サクリファイス- atsuchan69自由詩17*24-2-14
天国- atsuchan69自由詩17*24-2-7
カーニバル- atsuchan69自由詩10*24-2-4
夜がひとり- atsuchan69自由詩12+*24-1-31
陰謀論- atsuchan69自由詩10*23-11-13

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