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南の風に風景はとけこんで
流れていくみたいにゆれてる
つぼみたち
空はあおい
どうしようもないくらい
あおい
白い香りがくる
偽りが新しい偽りを連れてくる
細い糸を曳くみたいに ....
ちいさな舟が夜の海をゆく
破れた帆にわずかな風をうけて
帆柱には古ぼけたカンテラ
光はにぶいが少しあたたかい
月のない夜だから
真っ暗の水面は永遠みたい
とじこめられているのか ....
無限遠に目を細めれば
縮尺の都合上
ちいさな羽虫の亡骸も
ぼくのこの身体も
だいたい同じくらいの大きさです
土に還るための段階は
どうにも煩わしいから
いくつか端折ってみる
飛ばな ....
あなたにとってのひと刹那が
わたしにとっての100光年かもしれません
わたしの声がとどいていますか
あなたの風景の一小節として
夜はきらいです
たくさんのことを思いだすから
恥ずかしく ....
ずっとむかしの
波しぶきの化石を並べて
もう聞こえない声の数々は
糸を曳くように飛び交う
白く露出した骨は
もう痛みを感じないから
少しずつ折り取っていく
日記みたいな作業
遠 ....