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こどもの声が転げ回っている
かわいいようで
自分の手じゃとどかない
こころの裏地を引っ張られる
いやな感じもして
微笑みの抜け殻が
靴音をひびかせた
日差しが絡まって睫毛は重く
広い駐 ....
雲が雨へ
悲しみが涙へとほどけるように
もつれむすぼれた紐状の時感覚
遠近法と陰影を施されただけの
一枚の絵の中の記憶の構図と感情の色彩
それらすべてが
ことばへほどけるなら
数多の矛盾 ....
濡れそぼつすずめらが
低い枝から隣家の庭先へ消えた時
わたしは「あわれ」を見なかった
ただチュンにチュンを重ね
チュンの間と強弱で言い尽くす
すずめらの韻律は人より力強く
雨音と斬り結び ....
筆を洗ったように
空は濁っていた
積もりに積もったことば
こころはもう見つからない
遠い昔に死んだ
自分のようななにか
滲んだ絵具
見分けのつかない瞳から
こぼれ出す 記憶の澱
....
*いたずら書き
故人の顔にいたずら書きをするのはやめましょう
(たとえそれが噴き出すくらいに面白くても)
自分ではもうぬぐえないし弁解だってできやしない
*粘土あそび
....
すずめを追ってヒヨドリは
桜の色葉をくぐりぬけ
共に素早く弧を描く
糸でつながったみたいに
*
落葉が元気に駆け回っている
ヌードになった街路樹の
先っちょでわずかな枯葉が千切 ....
ふたり分の沈黙を乗せて
笹舟は遠ざかる
意識を過去へ葬るための
ひとつの光の繭となって
むかし使っていた腕時計が
どこかで針を揺らしている
重ねた手が夜の魚のよう
夏の体温に静かに跳 ....
{引用=まなざし}
鉄鋼団地公園の横
線路に突き当たる一本路で車を止めた
遠く路幅いっぱいに電車が駆け抜ける
一枚の幕 昔の映画のフィルムみたいに
時間について考えた
わたしは今という ....
{引用=夏の飾花}
大荷物を咥えて蟻が後じさる
アスファルトの上をたった一匹で
美しい供物
琥珀色に透けた翅
七宝焼きの細いピン留めのような
ミヤマカワトンボの骸を牽いて
小さすぎて読み ....
かわいた裸につめたいドレス
あなたの肢体の隙間を縫って
透けて見える 十二月の行進
こっそり口を開いた嵐だ
札束を数えるように
耳を裂く静寂を値踏みして
時間が止まって感じるなら
....
夏井椋也さんのただのみきやさんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ことばの肢体
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ただのみ ...
自由詩
6*
24-10-27
一筆書きのたましいは
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ただのみ ...
自由詩
6*
24-10-20
秋
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ただのみ ...
自由詩
5*
24-10-14
澱
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ただのみ ...
自由詩
4*
24-9-15
死者の友
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ただのみ ...
自由詩
4*
23-11-18
見上げてごらん空耳を
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ただのみ ...
自由詩
5*
23-11-11
怪異のはだえ
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ただのみ ...
自由詩
6*
23-7-30
惚けの呪法
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ただのみ ...
自由詩
5*
23-7-23
ものうい夏_
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ただのみ ...
自由詩
4*
23-7-17
冬の空ぼど気まぐれな奴はいない
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ただのみ ...
自由詩
18*
15-12-30
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