コーヒーをやめて{ルビ白湯=さゆ}にす冬の朝

小春日の電車園児に満たされて

ふくよかな大根足の{ルビ娘=こ}もいいね

その音のパリッと淋し踏み落葉

シュッとして冬のゴキブリ安楽 ....
気怠い朝
電車で隣に座った人の
スマホを持つ腕の肘が俺の脇腹を刺す
肘にナイフが付いていて
人知れず意識を失っていく
みんなスマホを見ていて気づかないうちに
暗殺される
の妄想

そ ....
 白い闇が襲う
 これまで生きてきた想いが募る
 私に prestoをかけようとする
 崩れかけた斜面の沿線
 時には避けて
 時には埋めて生きてきた
 はじめて神様に祈りを捧げたの
 ....
横になればすぐにわかる
どうして今まで立っていたのだ
眠るために必要なものは、
とりあえず枕と寝床があればよい

悔しかったことや腹が立つこと
悲しいことや傷ついたこと
虫歯の痛みや腹ぺ ....
もみじ、
肩まで浸かった露天風呂からのぞむ、
さりゆく、秋の赤い夕ひが、
ひとすじの、きまぐれな寒風とともに落としていった、
いちまいの、
星のカケラ、
休憩室の掲示板に、ずらりと並んで立 ....
 閉じたビニール傘から飛び散る
 雨滴
 会社の広大な敷地内を車と自転車が往来する
 東の正門で守衛室に社員証を提示しても
 配属先の建屋へは延々と
 アーケードの歩道を歩き続ける
 
 ....
さくばんの眠りの残り滓
吐ききって 吐ききって 吐ききって
今朝はつとめて寒いなぁ
凝集した感性を冷やします


僕は真白い一頁
一体ここに何を書こうか


この朝は妻と和 ....
この静まりかえった日々は
ありがたい風景は
いつ頃以来か
想定を超えて
まっすぐ
まっすぐ続く道路
わたしはいま
ときめいている
笑顔で野垂れ死ぬ
その時まで
エブリデイホリデイ
 ....
白いシーツに午後の陽射しが映る
暖かなベッドに横たわり
刹那に消える夢を観た

アイス珈琲を飲みほして
虚ろな時をやり過ごそうとしても
うつら うつらと首を振る

至福はすぐそばにいっ ....
他人を借りた自分の姿が其処彼処に
後ろ姿の語りは饒舌
暗澹たる思い
他人のふりをしたい

それでもその背中を見て
正したり律したりできるだろう
自分が変われば
他人を借りた自分の姿も変 ....
「ホルスタイン」らどみと拓也 連句


発  靴置き場{ルビ紅葉=もみぢ}もふたつ並びをり  拓也
脇 さりげなくなしとこのあいだに   らどみ

三 府中から届いた土産 神棚に    ら ....
 カ」



              memory              
      
  ....
 急な傾斜の小径をのぼり切れば
 大きな旧居の横手に広がる
 段々畑が見えてくる

 金網のフェンス越し、
 至近距離で咲いているアザミへ
 iPadのカメラを向けてみる
 うつし世の碧 ....
上手く書こうとするから
嘘ばかりを書いてしまうのだ
詩が書けないのじゃなくて、
それが本当の理由なのさ

嘘なら嘘を吐き通せば良いだろうし、
ことばを飾るのが嫌なら下手でもかまわない
ど ....
きみ、
夏でも秋でもスノーマン、
おさげ頭のスノーマン、
白いましゅまろみたいなほっぺたを、
ふたつの手のひらでおさえながら、
首をすこぉーしだけ斜めに傾げて、
笑うと、目が細くなる、
 ....
 
 鈍色の民家の瓦と重なって見えた
 黒味帯びる朱をのこすだけの
 散り落ちぬ大輪のバラ

 秋立つ日
 貴女はうつむいて想いに耽り
 天蓋の星たちが数回瞬く間の短い夜を
 すごして ....
磨かれた廊下に深海魚たちがゆらり
ゆらゆらとゆっくり泳ぐ
深い眠りに就いているのか
夢をみているのかわからない
天気予報では明日は雷雨
深海魚には予報も関係なくて
廊下をゆらゆらと泳いでる ....
小さな引き出しがたくさんあり
ひとつひとつ開けてみると
よく知ってるものが入っている
探しているものはそのどれでもない
どこへしまったのだっけ
そもそもしまったのかどうかも怪しい
引き出し ....
この秋の思ひ出かぞへ指を折る

「さようなら」秋の蝶への一行詩

ランドセル並び小さな秋の恋

冬近しあの野良猫も見なくなり

秋寒しゆで卵の火弱くして

秋蝶のふと見失ふ行方かな ....
一人暮らしの老婦人ばかりを狙うと聞いて
ただの悪者ちゃうんかと

若者に老人の悲哀はわからない
どうれ、教えて進ぜよう

教えなくていいんですよ
だから希望の未来へ向けて

遠く未来 ....
昨夜は皿のような月が出て
そこにおだんごが乗ってたら
なんて
月を手のひらに乗せてみる


だいすきだよ
だいすきだよ


あなたがくれた
とうめいな指輪
くるくる回っている
 ....
こどもの声が転げ回っている
かわいいようで
自分の手じゃとどかない
こころの裏地を引っ張られる
いやな感じもして
微笑みの抜け殻が
靴音をひびかせた
日差しが絡まって睫毛は重く
広い駐 ....
難波から紅いひのとりに乗って、
ひとり険しい顔で電光石火へと向かった
本店は広島にあるのだけど、
東京と名古屋にも店があったのだ

鉄板に載った人にやさしくは、
贅沢にも肉の量がダブルで
 ....
そして医者がわたしのカルテに新しい病状について書き込んでいる
その手元を盗み見るがあまりの悪筆でまったく読めない
日本語ではないのかもしれない

秋が失われて久しいのだけど
秋のことは覚えて ....
ごみ箱にポンと紙くづ冬隣

秋蝶の影消え風の軽くなる

つぶやけば淋し野菊といふ語感

うつむけば青空の色{ルビ牽牛花=けんぎうくわ}

それぞれに名の美しく秋の草

団栗のひと粒 ....
試験管に血が流れ込む
僕の一部が閉じ込められる
流れた血の意味は
あらゆる尺度から分析され
結果を見るまでは
不安が僕を緊縛する
生きることに無頓着な筈が
執着して食い込む不安の言いなり ....
 小顔で整ったお顔立ち
 吸い込まれてしまいそうなブルーの瞳
 それは友人宅を訪問した日、
 初対面だった彼女

 リビングテーブルの空いた椅子で
 貴婦人の如くポーズをとり
 私たちの ....
夕陽に照らされて
猫が光を纏っている

「きれいな虎模様ね」

呼び止めた気まぐれな人間の女の顔を
じろり、と見つめる
その虎猫の瞳に刃が灯る

体つきはほっそりとしていて
子猫が ....
喘息のちから
仕事むずかし烙印のゲオンゲオン
対人サービスの際に
あるいは電車のなかでそれは容赦なく訪れ
みちを塞いでゆくタンタン
宇宙船の横隔膜がふるえ
身体をよじらすゲオンゲオン
住 ....
雲が雨へ
悲しみが涙へとほどけるように
もつれむすぼれた紐状の時感覚
遠近法と陰影を施されただけの
一枚の絵の中の記憶の構図と感情の色彩
それらすべてが
ことばへほどけるなら
数多の矛盾 ....
夏井椋也さんのおすすめリスト(290)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誰かの冬の物語- 森田拓也俳句14*24-11-13
地獄行きの電車- 自由詩10*24-11-12
breath_~時の鐘- アラガイ ...自由詩10*24-11-11
微睡の草原- atsuchan69自由詩14*24-11-11
冬どなり- 本田憲嵩自由詩1624-11-10
赦されて__- リリー自由詩10*24-11-9
空白- 田中教平 ...自由詩724-11-9
The_Morning_of_the_Neon_Demon_ ...- おまる自由詩6*24-11-9
白日夢- レタス自由詩7*24-11-8
学び- 自由詩7*24-11-8
「ホルスタイン」らどみと拓也_連句- 森田拓也伝統定型各 ...6*24-11-7
革命- アラガイ ...自由詩5*24-11-5
秋あざみ- リリー自由詩8*24-11-4
魔術師- atsuchan69自由詩13*24-11-3
スノーマン- 本田憲嵩自由詩924-11-3
落日- リリー自由詩6*24-11-2
- レタス自由詩16*24-11-1
meta- 自由詩7*24-11-1
ぼくに似た誰かに- 森田拓也俳句11*24-10-31
乱世に生きる- りゅうさ ...自由詩3*24-10-31
思す- 唐草フウ自由詩8*24-10-28
ことばの肢体- ただのみ ...自由詩6*24-10-27
人にやさしく- atsuchan69自由詩11*24-10-27
カルテと文鳥- そらの珊 ...自由詩13*24-10-26
今を置き忘れて- 森田拓也俳句11*24-10-22
wish- 自由詩12*24-10-21
シーちゃん- リリー自由詩7*24-10-21
虎猫- そらの珊 ...自由詩8*24-10-21
喘・息・力- 松岡宮自由詩5*24-10-20
一筆書きのたましいは- ただのみ ...自由詩6*24-10-20

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