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完全自主制作の
ある映画は
睡眠導入剤と
同じ航路を想像させた
終着の気配を嗅ぎ取り
ふかい ふかい 安堵が
僕から粗方奪ってゆく
仮に
....
もはや言葉というものに絶望してしまったよ
錆びきった弾丸のように鼓膜や網膜を貫いた
傷付けてもいいものに傷を付けて
見えない針を張り巡らせていく
貴方は何処の誰なのか答えようとはしない ....
なぐさめられたままの足跡が
振り返られたことのない過去に
何事も言わぬままに付き添っている
その音だけに人々は聴き惚れている
何かあれば裏切られたと言う 何もなくても自 ....
空はいつも
過去も
未来も
いつのときも
空はここに
傍に
遠くに
あたまの上に
変わりゆくのは
君であって
僕であって
僕ら ....
太陽が回ってないとわかってから
宇宙に中心はないとわかってから
世界は途方もなくちっぽけになった
地図をネットで見てみると
あの長い長い上り坂も
息を切らして走ったグラウンドも
....
春は待てないもう待てない
冷たくなって海にゆくまであの貝殻は
この心音を覚えていてくれるだろうか耳障りなノイズよりも
嫌われることにとっぷりと慣れきった雪がれることのなかった、ついに
こん ....
白い柱の背骨を
クネらせた
憂鬱
そう見えたもの
それは――
千切れそうなほど
頭を垂れたまま
しんしんと澄んだ闇を
受け入れたその
首の付け根に
先細るほど渇き切った ....
髪の毛を30cmも切りました
前髪なんて眉より遥か上
やけくそですよ、ええ
課題プリントたくさん破りました
おかげで部屋は紙屑だらけです
やけくそですが、なにか
ごはん ....
{引用=
夜は目が覚めるほど近くで明ける。
まぶしい朝、ひどく生きる。
白いシーツ
顔までかけてもらって
幸福の尺度
はかりかねる
鎖かけて、
なだれる。
きみの手 ....
フォンダンショコラ打ち上げ寒空
絵空事が好きだ
私の好きなものが
二つも入っている
ミロの絵はとてつもない
子どもの落書きのようでいて
都会の喧騒のようでいて
原始人のひらめきのようでいて
神話の亡骸のようであ ....
前略 わたしはぼちぼちです
あなたはいかがですか 草々
追伸 ぼちぼちだといいな
今週の日曜日は ハイキング
デートの約束取り付けた
来月 友人の結婚式
予定があり
目的がある
たのしい ショッピング
あなたが息を吐くたびに
わたしが息を吸うこと
あと何度めで気付かれるだろう
ちぎれかけた紐
抜けかけた柵
割れそうな風船
コップのふちに集まる悲しみ
こぼれかけ続けて
すっかりわか ....
ひとに謝ってばかりの
毎日がだらだら続いていたから
首がいつも決まった位置に曲がり始めました
鏡のように映り込む山々
湖は鏡そのもの
たくさんの魚が見える
水が綺麗な証拠
心が洗われて綺麗になった
遊覧船が行き来している
山々に囲まれていて
空気が綺麗
静かな愛が流 ....
秋風のなかに
ほんのわずかに残された
夏の粒子が
午過ぎには
この洗濯物を乾かすだろう
通夜、葬儀の放送が
朝のスピーカーから流れて
犬が遠吠えを繰り返す
香典の額を算段して
....
そよ吹く
風は近い
真昼の
日差しを受けて
たおやかに
走れ
夕陽に映える
空の
水草
乗り越えるしかないものは
泣いても怒っても
乗り越えるしかなくって
ひとつ ひとつ
それでも出てくるのが
涙 だったりしたら
ね
助けて
誰かとなんかいたくない 誰かじゃないから君といたい
誰かじゃなんかしっくりこない 誰かじゃないから君といたい
誰かはいつか忘れてく 誰かじゃないから忘れない
誰かはいつか飽きちゃうよ 誰かじ ....
yoakemaeのね
部屋の窓からそっと
聞こえる車のブレーキと
私の自由な想像
(その車の行き先と、運転手の顔)
秋風 時々 雨、台風
暗い夜道 足元に雑草が触れた
こげ茶の土はアスフ ....
ふしぎな童話なんか
なかった
うそがめくれる
めくれたうそが風になる
春から夏がやってきた
夏から秋がもどってきた
ぼくは無になる
思い出だらけのぼくは無 ....
想う心のベクトルは
方向音痴で 寄り道が大好き
想う心のベクトルは
目的の横を 気づかず通過する
想う心のベクトルは
見知らぬベクトルが 行きかうなかで 的を見失う
....
あなたの色
今は真っ青で
深い海の青です
最近海に沈む夢を見るんです
それきっとあなたのせい
まあ、溺れそうになったら
誰かの左手が引き上げて
バッと 汗だくで
目が覚 ....
いつからか
自分は空虚だと感じはじめていた
いろんな大切なものから離叛していく自分が
悲しくも 嬉しくも いじらしくも 多様にとれ
しかし どれも誇張していた
いつも物憂くて そ ....
荒んだ気分に吹かれているのも
快速電車の乗り心地です
時に青白い猫が追い越して行くのも新鮮
手放しで夜道を直進するも悪くない
見通しは甘くありません
集会に行くのだとばかり思っていたら
対 ....
アスファルトに打ちつける
雨の勢いが強くなり
せっかくの買い物も少しずつ
憂うつさを増していた
家に帰れば君がいるだろう
早くしよう
と足の動きが速くなる
最近キスが足り ....
陽光も届かない湖底には
二十世紀を抱えたまま山里が沈み
とある一軒家には歳経た鯉が住み
いろりを囲んで小魚たちに昔話を聞かせる
山峡の淵に潜んでいた竜は
湖底に散らばっている屋敷を見て ....
新米を握る母の手は
燃え始めたかえでのように色づき
かぐわしい湯気を蹴散らしながら
踊ってみせる
熱いうちに握らないと
美味しくないのよと
まつわりつく子に言いながら
端をほんのわず ....
空が暗く静かで
空の色が溶ける海
暗くなって
あなた何かを探すために
背広のまま海へ飛び込んだ
その下に黒い影が見えたから
嫌な予感がして
砂浜の私
必死に手を伸ばしても
....
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