すべてのおすすめ
小さな部屋で溺れている
静寂と沈黙と哀しみの歌
湿った枕と重たいシーツ
毛のくたびれたぬいぐるみ
世界を揺らすカーテンと
秒針だけは僕の敵
鳴らない鍵盤
潰した指先
掠れた声も
全部 ....
白と黒
#FFFFFFと#000000
無と有
賛成と反対
無罪と有罪
健康と病
むしばむ
黒い死の影と闘いながら
明ける日をのぞんでいる
欲望は
白にも黒 ....
季節の足跡が白い凍土となり
剥がれた絵の具のように
海鳴りが景色に仕方なく張り付いている
此処には君はいない
それでも此処は君のいた場所
今日君はい ....
晴れた日にうたう歌がある
雨の日ににうたう歌がある
僕には、歌がある
私はバスを待っている
行き先の宛てもなく
一人ベンチに座っている
誰かを乗せたバスが来て
ほんの一時バスに乗り込む
ありあわせの言葉と
ありあわせの体で
誰かと一緒にバスに乗る
....
.
「どうだった?」
「なんとも…ひとことでは」
「入るまえに思っていたのと比べて?」
「こんなに誤解や行き違いが多いとは思わなかった」
.
漆黒の{ルビ水面=みなも}をすべる細い ....
針穴に髪を通す
布地にぷすぷすと縫いつける度に
疼きだすわたしの心臓
心臓にもぷすぷすと
穴が空いている
踞るうちに ....
朝は早く
まどろみを書き換えて
日を浴びる
支度は淀みなく
早鐘を鳴らしつつ過ぎ
今日の事を巡らし
自転車にはや乗る
景色の緑は鮮やかに
秋の中の一日は
何か
妙に思い出を ....
古いタロットカードの束が道ばたに落ちている
雨粒と鳥の糞が空から落ちてくる
まったくの赤色スポンジに吸い込まれる
浜辺に駆け下りる
海で生まれた馬を乗り捨てて
この世にはなにもなかった
生 ....
霧の中に
忍び込ませる
スプレイ
たいせつなもの
傷つけないように
そっとひかる
薬指
夜は遠く
行き来する
吐息のような
それでいて
濡れたような
....
{画像=120911010820.jpg}
ベランダから花火に興じる親子が見えた
遠くで見る花火は寂しい
家族で花火をすると必ず
兄弟で取り合いになる花火があった
必ず最後に ....
一キロ先サンコンさんがはじめたカウントは円を描いて離陸寸前まで形を崩さないけど怪我をしてしまうとわかっているのか独特の習性でもって何年ものあいだそこに居ついてしまった。細長い楕円形.彼の右腕に ....
善悪の樹の下で僕は罪を犯した
知らなかっただけでも誰も許さなかった
悪い蛇に騙されたんだ
無知を逆手に取られて
やり直す事は出来ないようだ
だから罪を重ねるしかなかったんだ
善 ....
暗く
うっそうとした
朝に
あなたの手が
すうっと
のびてくる
顔のまんなかに
みずうみはある
まつげかすかに
風にゆれ
返し忘れた本
窓辺 の 「ね」
つのる 想 ....
届かない、届かない
嘆きながら
どこかでそう願っていた
届かない、届かない
叫びながら
どこかで居心地のよさを感じていた
わかれることもなく
漂うこともなく
過 ....
気取らない
月のハンモック
紫のペチュニアの花
そんな夜に
黒い硝子の靴は
何処かしらと
少女は思う
銀色の森を見たかい?
なめらかな手触りの葉を
一枚取ったら
あの子に手 ....
主人公はいつもの脇役に戻り
四月初旬の苦味を噛締める
午前九時 窓の外 雨音はバスドラム
僕は憂鬱を声にしてただ吹き飛ばす
色彩などとうの昔に失ったという
無色透明の夢を ....
えいえんの空間のなかのこの場所
むげんの時間のなかのこの時
この時 この場所に
こうして二人でいるということは
なんという驚きだろう
ぼくたちふたり
格別話すこともないけれど
ぼ ....
青い空を白い雲が流れて行く
さらさらと水の流れる音がする
地上から隔絶された空の楽園
ここには僕以外誰もいない
静寂と孤独だけが僕の友達
ささやかに続く平穏な日々に満足していた
あ ....
1
幼い頃、「またあおうね」の挨拶は会うでも遭うでも逢うでもなく
すべての可能性を包括していた
loveにもlikeにも捕われず
すきだとささやきたい
漢字とカタカナとアルファベ ....
それはとてつもない絶望であり
そして希望となった
手が白い
夜中二時前のピアニスト
ショパンの英雄ポロネーズが無音を切り裂く
何かを彷彿させてから飛び出す高音
低音も楽しみ ....
世界にはたくさんの場所があり
たくさんの営みがおこなわれている
その日、僕が
することを選んだのは
床屋に行き
髪を切ってもらうこと
ひどく ....
カセットコンロが 家族の顔を照らす
真っ暗闇 手さぐりで 求め合ったぬくもり
ただ いっしょに
居られるってことだけで
こんなにも 幸せ 感じられるんだね
私たちの すべてを ためし ....
もし、僕が
僕のやりたいこと
僕のやるべきこと
すべて
やり遂げたとしても
果たして
それは
僕なのだろうか
自分未遂の
僕が
ここにいる
だから
僕は
生き ....
立ち尽くす、夕暮れ
雷の鳴く頃
傷口を縫い付けた鋼鉄の糸を噛み切り
雷の鳴く頃
沈黙を破って
鴉等は己の声
針のように
摩天楼へ突き立て
墨が降ったかように黒い雨が注が ....
峯から峯へ、乢{ルビ=たわ}から乢へ、
鈴をたくさん着けた馬車が
夜どおし走り回っている;
春の夜は銀色で、君の眼は茜色、
せせらぎは白いほむら、君の髪は緑、
放射するコロナ、鼓動する静 ....
「もういいよね」って
風の色を
真似した僕は
揺れる足跡
置き去りにして
手のひらに落ちた
雪が色を
失うような
いつもの道に
残した言葉
ほどけた靴ひもを
結ぶこと ....
力強い波の音
体の芯まで響かせて
荒々しく波
水面は留まらない
動き続ける
常に新しい顔見せて
洗い流せ
洗い流せ
蹲るこころ
....
感動の深さを伝えるよりも
感動の在りかを伝えたいの
それ以上の理由はないわ
私が生きてる理由なんて
私が決めたのではなくて
....
おかしいねって微笑んだ君
目を見ると、哀しそうなのどうして
できるなら 心から笑える日が来るといい
取りとめのない哀しいだけの涙も枯れるといい
憂いに屈しない心を
新 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25