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愛し合っていたのだから
奈落の底まで堕ち溺れ
ポッカリ共に浮上
ソンナコトも
出来たハズなのに
一人だけ先に逝ってしまうなんて
また哀しみ打ち寄せる 広い病室 独り夜
帰り道
どこもかしこも冬の空気で
しんとした夜のそらに
ぽっかり月が浮かんでいた
北風の冷気が全身を刺す
爪先はもう完全に冷え切っている
死んでしまったのではないか
と思うく ....
この謎としての世界にナゾナゾ迷走して生き
原点の独りに戻り 愛を共感を持って
内なる霊性に開き委ね自然と死んで行けるなら
これは素晴らしいことだな
未練は未だあるけれど
衰弱が少しは救ってく ....
あまりにも悔しくって
青空の端に噛みついたら
前歯が少し浮いただけのこと
決して笑ったんじゃないよ
蹴ろうと思った空缶を
君が先に蹴っちゃったから
握り締めていた拳を開いて
左右 ....
鉄の臭い 匂い立つ
布団半分が血糊ベッタリと
昼間片目で歩いていて転げ
これはイカンと部屋に帰り着き
そのまま鎮痛剤ガバガバ飲み
いつしか眠りに落ちて
夜に目覚めればこの様だ
自らの ....
あ オチタ
あ オレタ
あ コロガッタ
あ キエタ
もう 何も無い
ただ 結果だけが
自由な行為の結果だけが
ひろくひらき広がっている
高曇りの薄白い空の許
モノ ....
ベッドの温もり
これは貴方の熱なのかしら
これは私の熱なのかしら
どちらのものか分からないくらい融け合って
ふとした時には昇華しているのかも、なんて
考えてみても すべて愛おしい
そん ....
綺麗事を言ってくれ
この雪の外にも街があると
綺麗事を言ってくれ
この凍てつきは
長くは続かないのだと
綺麗事を言ってくれ
お互いさえ見えなくなる
吹雪
口を閉ざす我々は
い ....
口笛の奏で、目覚めてこの夜
澄んで響く何処から
明るい旋律音色のループ
微妙に低く高く魅惑の相
聴き入るうちに潮騒磯の香
漂いザワメキ布団が波打つ
扉開いて弓形の白浜
広がり ....
淋しいから そっと伏せて
このこころを そっと消そう
悲しくないさ 虚しいだけ
虚しさもいま 消えてゆく
蝶々にも 情がないという
秋桜も 揺れるだけ
ぼんやりとした光景に
ただ ....
これは若さ故の、
若気の至りというか
最終電車が無くなっても
チャリンコで飛ばせば
簡単に会いにいけるんじゃないか
とか
むしろ真夜中でも
ひたすら願っていれば
夢 ....
そうだね
この世界は平らじゃないから
一人ではとても歩きづらい
だから一緒に歩こう
どんなことがあってもそばにいるよ
そして
君の幸せをね
一人じゃ持ち切れな ....
変わり映えの無い日々のルーティン
燃えるような愛の情も沈静化
何か変えようとして繕い
疲れて病んで眠って忘れる
曖昧な記憶
アイマイミーばかり
人間誰だって自己中心的
臭いものはアウ ....
2Bの鉛筆を走らせて
刹那に頬笑む君の横顔を滑らせて
想いでの湘南海岸を語るいま
明日はしばしの別れ
必ず戻る
ぼくはきっと千の文字を書く
残響ヒビキの渦中
透過されていく意識、白く
朝から潰れ閉じたままだった瞼
開いた夜半、差し込む光
大小無数の半透明な橙光球となり
白い意識のスクリーンに浮き沈む
遠い異郷の優し ....
今迄の僕は
ゴミ箱行きの恋文を
山ほど書いた。
けれども全てが徒労だと
一体誰に言い切れようか?
どうせなら
純粋花火の一粒を
無心に念じ…封じ込め
世界にひとつの手紙を書こう。
....
冷えた夜に冴えた月を眺めながら、
あなたを思い浮かべる。
私は窓の鏡のなかで、
薄皮を剥いでいく。
あなたの鼓動が私の身体に触れる。
私は刹那に哀しくなる。
歓喜に触れて哀しくなる。
....
痛み 超え
恐怖 超え
快楽 超え
嫌悪 超え
絶望 超え
希望 超え
死を前にして、死を前にして
外界 銀に照り映え在る
純粋にオドロキ確認し
内界 漆黒の光点広がり在る
....
断章として出会う
わたしたちは
繋ぎ合わされた
死に往く者の断片として
齟齬と違和で腫れ上がりながら
ひとすじの清流であろうとした
二人の詩人
....
あまりにも透明なソーダ水は
一体何処へ行けばよいのだろう
透明なコップの中ではしゃぎながら
君たちは好きな歌を歌っていた
少し口に含めたなら
君はイタリアのオペラを歌ってくれた
アマポ ....
風も恋をするのだろうか
蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと絶え
薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる
傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま
格子戸の向こうに開ける界
二体の ....
悲しんだ分だけ愛は深まる
痛い想いが会いたくなる
手を握ったまま微笑む2人
いつもの帰り道は愛の道
思春期に感じた不安感
今も変わらず心にあらず
安定しない感情がぶつかっている
どこ ....
林檎の甘酸っぱい匂い
鼻腔いっぱい広がる広がる
一日中肉引き裂かれる激痛と闘い
夜に進んで解放され
冷水求め冷蔵庫開ければ
懐かしい匂い 君の匂い
君はいつも
なぜか仄かに林檎の匂 ....
それでも空が青いなら
僕は笑顔を忘れるわけにはいかないんだ
灼熱の 一日の重さで うなだれていた 木々の枝が
夕暮れの風を受けて 身震いする
心地良い木陰が 濃い闇へと変わる わずかな隙間に
見え隠れする 幼子の姿
夕闇の ここ から夜が始ま ....
空と海の混沌に
突き刺さる黒い陸の先端
に白い少女が立っている
淡い彩りが現れ
生まれた風が海を押す
押されて海は岬に駆けのぼり
少女に白い言葉を飛沫く
潮鳴りにひそむ遠い記憶の ....
幾億粒の{ルビ眼=まなこ}が煌めく
夜の底
磁気に繋がり
流れを描き
脆く途切れ
こぼれる様を
見ているようで
見ていない
視線の針が交差する
決して出会うことはなく
跳ね返る ....
花 開く
冬の君の白い肌
紅に染まった頬愛し
愛は束の間 燃え上がり
二度目はないと 雪の降る
脳髄に流入し浸透していく
この響く気ヒビキ残響は
また未定形の透明熱流
(ゆっくり、ゆっくりと 時を育み)
脳水を押しやったり引き戻したり
流動するままに瞬時瞬時
モコモ ....
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