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生まれてこの方甘やかされて育てられてきたから
苦労という苦労をしたことがない
ややこしいことに巻き込まれることはあっても
いつもかならず着地だけはうまくゆく
だからひとの心だとか貧乏の辛さなど ....
夜通し愛しあった翌日は
朝のばたばたも過ぎると
あたまが少し痛くなって
欠伸にならない浅い息が
せなかに溜まりはじめる

煙草に吸い疲れた公園のベンチ
新緑の幽霊みたいな色を見やりながら ....
すこしグレーの染みた水色の空をバックに

街道の広い駐車場でのぼりがはためいている

風をコピーして光と影の紋様を見せてくれている

政治経済や環境や人心などの問題を

空やのぼりを見つめながら考えて ....
ツツジの花束を渡したことはない

あんなに清浄で芳しい花であるのに

街にはツツジがあふれているから

当たり前や普通のことに

リスペクトしてゆくのは難しいようだ

ツツジの花束を渡したことはない
 ....
ぼくたちはなんによって生きるのか
なぜピアノという楽器がいまもあるのか
歩きながらそんなことは考えまい
ぼくはきみを抱きしめていよう
きみにひとりじゃないことを
伝えるために暇つぶししていよ ....
夕日の終わるころ
僕はなにに影を落とすだろう
うらぶれた浜辺の賊らが踊りだせば
僕は楽しいことだけをしよう
おなじ波なんてあるのだろうか
波は波にちがいない
それだけでいいのではないか
ささやかな浜辺 ....
自然っていいことなんだろうか
歩きにくかったり臭かったりそれも自然だ
香水なんかほとんど人工的なものだ
ぼくらにとって自然をやさしくすることが
それはどうだったんだろうか
自然災害や環境破壊も
中心に ....
なにかを変えてゆくとき
そのなにかは終わり
そして変化したなにかが始まる
そのあわいには混乱や苦悩がある
きょうがそのようだ

向田邦子が通った喫茶店で
こってりと苦い珈琲を二杯のんだ
六十を過ぎた四 ....
遠い天体から

ひかりが届いている

それはぼくから見れば

永遠と

言ってしまいたくなる距離だった

そんなに離れていても

引力など働いているのだろうか




 ....
はっきりとした目的もないと

矢印が他人事のように見えてくることがある

この矢印はじぶんにとっての矢印なのか

ぼくはどこへゆこうとしているのか

矢印はなにも知らないだろう

そんなことぼくが決め ....
通勤の地下鉄

夜のうちに汚れの薄まったいつもの朝

家路を逆走する

生きとし生けるぼくたちは辿る

暇つぶしには程遠くて

たましいを携えて今日もゆく

あさってもあしたもきのうもおとといも

き ....
せいぎちょうをつくったぼくは
せいぎのめんばーをそこにしるした
いちばんはぼくだ
しゅうぞう、はやと、そうた、たくみ、ぜんいんでごにんだ

三十年まえのジャイアンが歌謡ショーをひらきそうな公園に秘密基 ....
機械的に家路を歩いてた

なんにも考えずに

帰巣本能でもあるまいし

歩道橋の向こうに

私を照らす光源があった

セピア色した夜に

私は突撃したのだけれど

それは本能でなく

機械的にした訳で ....
あてどなく
そうあてどなく
ぼくはきみに聞いた町を通りを
喫茶を探すように歩いた

東京の商店街の
あの密着感がにがてだ
ぼくはよそものだと
目がおもくなる胸がくらくなる
足が空を蹴る

あてどなく
 ....
耳鳴りだ
またあの耳鳴りだ
またあの耳鳴りが
ぼくの精神に風を吹かせていた
目のまえのものが無数の風になる
どこへか向かってひゅるひゅると
無数の風が立ちのぼっている
ぼくはそれを虚無の風と呼んでいる ....
小学生のころ正義帳なるものをつくった

表紙には宇宙に浮かんだ地球の絵を描いた

その絵のうえの余白に、せいぎちょう、と記した

1ページめにはまず、せいぎのるーる、五箇条を書いた

あの頃といまも考 ....
きのうの自己嫌悪が仕事をしていても
刹那刹那に貼りついていて
ひとにいつもより優しくなれていたんだ

九州一日目の夜ひとにはぐれて屋台でのんでます

きのうの自己嫌悪を受け容れるには
ホテルちかくの名 ....
きのうはだかを撫でてくれていた
そのちいさな手のひらに
射精してしまってもいいですか
あなたがいないだけで
ぼくは罰を幻視してしまうのです

ゆくさきを見失った熱が
ぼくの真ん中で氷をつ ....
嵐のまんなかで
ページがくられるように
きみは離れていった
永遠なんて言葉で
さよならしたふりをするのなら
ふってくれたらいいのにね

もう二度と会えないひとなんて
ほんとうにいるのだ ....
ぼくは病院を経営していた叔父叔母に育てられました
ぼくの部屋は病室でした
かたくて高いベッドと狭い机しかなかったけれどなんの不自由もありませんでした
妹の部屋は病院の最上階、叔父叔母の居住するフ ....
ここが気持ちの良い伸びやかな場所だということが
霊能のないぼくにもよくわかる

水のふくよかさが光に自由だ
土や風はじっとりとあえなく色彩へとかわり
そして私は鼻腔から生まれかわる

この地で生を受け ....
あの小山のてっぺんの公園に
十七のぼくは二十六の女と上った
ふとくてぐねったまっ白いアスファルトの道
したで買ったハンバーガーは
チーズの足腰のない冷えた匂いと
ピクルスと湿っぽいパンの淋し ....
シバタさんと久しぶりに話せた
所長にだいぶ持っていかれてるんじゃないか、
ユキオは顔をこわばらせながら
そうですね、と言って演技ではなくため息を吐いた
シバタさんからの注文以外ほかで取られてい ....
きみんとこ、自動倉庫できるんだ、

ようやく工事物件の話をひとつ掴んだ
いまある自動倉庫を移設したいんだけど、きみやってみる、と現場のコガネイ係長が声をかけてくれたのだった

カタヤマの言い ....
先生と夜食事でもしなさいと今朝社長から電話があったのでユキオはカタヤマを食事に誘った
カタヤマは意外に乗り気で、ぼくもきょうそうしたいなと思っていたんです、と嬉しそうな顔をした
営業車にふたりを乗 ....
市の幼稚園、小学校、中学校のこどもたちの絵が集められて

市の美術館に息子たちの絵も飾られている

息子たちにせかされて美術館に出掛けた

じぶんの成果を恥ずかしげもなくひとに披露したくな ....
人工的な空間に

とりのこされるような

ある春のいちにち

人工的な、というのは

花曇りの空もようと

コンクリートの

水を含んだ香りのことなんだが

ある春のいちに ....
墨いろの街道

放たれた欲望は

雨上がりの夜にさえ

涙ながして飛んでゆく

飛んでゆく


好きだけじゃ

足りないみたいだ

このせつなさを

春の切実と名づけ ....
雨がつよく太く降ったら

いつのまにか晴れていた

空にはつよくて太い風が

ごうごうごう吹いていた

風土がカミングアウトし

ぼくはここにいるんだよ

たましいは同時のなか ....
入賞で喜んだり

銅で喜んだり

勝負も結果も

一位いがい意味はないというのに

服装がどうだとか

品行がどうだとか

じぶんで選んだ政党を

すぐに応援しなくなったり ....
鵜飼千代子さんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(420)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
坊ちゃん- 吉岡ペペ ...自由詩10+10-4-27
まぶしい曇り空- 吉岡ペペ ...自由詩810-4-26
本日は晴天なり- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...16+10-4-25
ツツジの花束- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...310-4-25
公園- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-25
浜辺の賊- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-24
こんなところにぼくらはいる- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...710-4-24
混乱や苦悩のあわい- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...810-4-23
遠い天体- 吉岡ペペ ...自由詩1410-4-22
矢印- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...810-4-22
家路- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-21
ぼくらの王国- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-21
セピア色の夜- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...910-4-19
空を抜ける- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-18
虚無の風- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...1110-4-17
せいぎのるーる- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...24+*10-4-14
博多にて- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-13
- 吉岡ペペ ...自由詩7*10-4-13
いきものたちの銀河- 吉岡ペペ ...自由詩1410-4-6
幸福- 吉岡ペペ ...自由詩11*10-4-3
生家にて- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-3
六月の涙、アスファルト- 吉岡ペペ ...自由詩1510-4-3
蛇つかいたち- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-28
蛇は転ばない- 吉岡ペペ ...自由詩710-3-26
蛇の宴- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-10
不意に- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...10*10-2-28
ある春のいちにち- 吉岡ペペ ...自由詩510-2-27
春の切実- 吉岡ペペ ...自由詩1910-2-27
風が雲もよび空もよぶ- 吉岡ペペ ...自由詩410-2-23
一位いがい意味はない- 吉岡ペペ ...自由詩410-2-22

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