嘘つきはもとめるように口を開く、
だから石を入れて縫いつけた。




キスしたければ唇のように目をあけてぼくを受け入れて噛んで。




さあ泣 ....
少し遠出をした気分で、
これを書いてる。
実際にはまだこの足じゃトイレに行くのだって、
一苦労だけど、
ナツメのことを考えてるといつも、
遠くに行けるような気 ....
 もういいだろう。それ相応の返答はくれてやったし、それ相応の返事も聞いてやった。
 だからもう、いいのだろう。いいのだ。もういいのだ。コレデイイノダ。オデカケデスカー ....
ツミヲとおちんちんは、
いつも電車に乗ってやって来る。
ツミヲの棲み家は、
ここから二駅と四つ離れた駅から、
徒歩五分の閑静な住宅街の一角にある。
ツミヲはそ ....
蛇に絡まれている。
もともとは、
蛇から少し離れて歩いていたのだが、
そうすると蛇が拗ねるので、
またいつものように、
蛇に絡まって歩くことになった。

 ....
じぶんだいすき言動のフ一致つつくきにもなれないスイッチ。



じぶんのきらいはひとに押し付け人格改造あきたらっぽい。



都合の悪いことは記憶の彼方 ....
仕事以外で涙を流すことはない。
それは家族が死んでも、
恋人が死んでも、
変わらない。
もし泣こうとすれば、
笑いが、
出る。
腹の底から弾けるような、
 ....
弟が、
はじめて天体望遠鏡を買った夜のことは、
今も忘れない。
失われた母星を見ようと、
みんなでベランダに集まって、
家族で覗き合った。
結局、
あたし ....
あたしは起きると夜になっていて、
サメザイはいつも、
「おはよう。」
とは言わず、
「こんばんは。」
と言う。
それは皮肉ではないのだけれど、
あたしには ....
また見知らぬ誰かのために、
泣いた。
依頼主に、
何があったのかは、
知らない。
遺影と目を合わせても、
何も感じない。
泣き屋が流す涙に、
変わりがあ ....
昼過ぎに起きると、
もう太陽は強く、
高く昇っているのだ。
だから、
洗濯をする。
あいつのものは分けてある。
黒いものは黒いもの。
白いもの白いもの。
 ....
あたしは河だった。
両岸の、
親族と参列者を満たす河だった。
あたしは、
泣いて、
泣いて泣いて泣いた。
やがて涙は両岸に溢れ、
氾濫し、
洗い流した。 ....
ムーミームーをポケットに入れて、
雨の街を散歩する。
ムーミームーは雨の子だから、
ポケットの中は大騒ぎ。
雨が、
ぴちょりと歌うたび、
ムーミームーも歌い ....
忘れものを取りに教室に戻ると、
男がいた。
知らない男だ。
若い、
ひどく痩せた男。
クラスの誰かの彼氏だろうか?。
男はあたしに気が付くと、
声を掛けて ....
午後からは雨なので、
傘を持っては出掛けなかった。
昼食の蕎麦屋から出ると、
案の定、
雨が降り出した。

色取り取りの傘が、
街に花開く。
わたしは蔓 ....
夫の背中には口がある。
だから夫は、
背中を向いて、
わたしにしゃべる。

夫の丸い背中はいつも白いワイシャツに包まれている。
背中は、
わたしがご飯です ....
一。



どんな関係なのと、
訊かれたことがある。
からだの関係です。
そう答えると、
相手は押し黙ったっきり、
何も言わず、
泣いてしまった。
 ....
朝起きると、
夫の蟹を食べる。
水のきれいな土地で生まれ育った夫の蟹は、
沢蟹に似た味がして、
なかなかの珍味である。
蟹は大抵、
夫が寝ている間に、
湧 ....
犬小屋で眠っていると、
きつねのこんに声を掛けられた。

「どうして、
 そんなところで眠っているんだい?。」

ぼくは、
わるいこだから。
そう答える ....
切り別けられた岸で、
あなたはいつも、
わたしを見ている。
わたしは水で、
あなたを流れ満たしている。
対岸の、
あなたとあなたは、
ふたり。
わたしは ....
交尾の日は、
朝からどきどきする。
今夜のことを考えると、
ほっぺがぽっと赤くなって、
胸の鼓動がすごく、
どきどきする。

熱い、
お風呂に浸かり、
 ....
ぼくは早くおとなになりたい。
でも、
パパみたいなおとなにはなりたくない。
パパはわるいおとなの子。
ぼくはよい子のおとなになりたい。
だから、
なんでも食 ....
きれいになったちきゅうには、
どこにもここにもゴミはなくて、
隅々まで塵ひとり、
生きてなくて、
とってもみんなはきれい、
きれい。

毎朝毎晩、
うん ....
皮を脱ぐと、
彼女の触手は濡れている。
「…見ないで。」
そう俯く彼女の目は、
もう既に触眼で、
照明を落とした部屋の中、
仄蒼く、
ふたつ灯っている。
 ....
一方的な騒がしい工事の後、
ようやく、
今夜の男は達した。
イケコのすごいおちんちんの男は、
結局のところ、
工事の手際の悪い、
クリトリスの舐め方もろくに知 ....
照り焼きテロ焼きミディアムレアで死体満開満漢全席。



隣人人参みじん切り!混ぜれば解らぬハンニバル・ハンバーグ。



締め鯖みそ漬け塩焼きムニエル ....
鼻を打つといつも、
はながみさまがやって来る。
はながみさまは襤褸を着て手に薄紙を持っていて、
薄紙はごわごわの紙とぬわぬわの紙のふたつで、
わたしは何故かいつ ....
「まだできないの?。」
と訊かれたので、
「まだです。」
と答えると、
きみは、
すたすたと怪人の手を引いて出て行った。

それから。
ぼくはずっと、
 ....
昨日は、
日がな一日寝そべっていた。
ただ寝そべっているのも、
何なので。
読みかけの本を数冊。
枕に、
寝そべった。
うつらうつらとしていると、
やが ....
かっ、
かたん。
がさごそ、
がさごそそぞ。
ご。
ご。
ごっ、

物音がする。
隣人は今夜もお出かけらしい。
今月はこれで二度目だ。
こんな真夜 ....
PULL.(561)
タイトル カテゴリ Point 日付
「 溺れる魚はきみかもしれない。 」短歌8*07/8/18 21:20
「 ナツメ。 」自由詩2*07/8/15 0:47
「 マグロ退治の午後。 」散文(批評 ...2*07/8/14 5:49
「 おちんちん電車。 」自由詩8*07/8/10 16:33
「 へびかゑる。 」自由詩4*07/8/9 2:32
「 すいっちのふいっち。 」短歌3*07/8/8 20:35
「 笑っていた。 」自由詩3*07/8/6 18:34
「 チ玉人にはわからない。 」自由詩9*07/7/29 14:59
「 とまどうペンギンどもよ今すぐ羽ばたきあたしに続け!。 」自由詩6*07/7/28 8:28
「 悲しみはない。 」自由詩6*07/7/24 18:47
「 さんさん、さん。 」自由詩5*07/7/23 20:21
「 泣いて、泣いていない。 」自由詩18*07/7/13 9:35
「 ムーミームー。 」自由詩15*07/6/21 7:16
「 教室。 」自由詩10*07/6/16 15:13
「 午後は雨。 」自由詩13*07/6/13 12:56
「 夫の背中。 」自由詩4*07/6/11 14:12
「 人魚の涙。 」自由詩13+*07/5/26 13:40
「 蟹。 」自由詩19+*07/5/24 11:20
「 こんくんこん。 」自由詩11*07/5/23 9:37
「 対岸。 」自由詩5*07/5/23 5:52
「 交尾の日。 」自由詩0*07/5/22 8:37
「 よいこのすききらい。 」自由詩4*07/5/22 6:56
「 うんこはいらない。 」自由詩2*07/5/21 21:20
「 彼女の触手は濡れている。 」自由詩6*07/5/21 7:35
「 おちんちんはいらない。 」自由詩2*07/5/20 9:38
「 あら…かると?。 」短歌4*07/5/20 0:17
「 はながみさま。 」自由詩7*07/5/1 17:26
「 まあだだよ。 」自由詩7*07/4/30 18:39
「 体日。 」自由詩6*07/4/30 9:04
「 隣人。 」自由詩5*07/4/29 5:02

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