「 おちんちんはいらない。 」
PULL.







一方的な騒がしい工事の後、
ようやく、
今夜の男は達した。
イケコのすごいおちんちんの男は、
結局のところ、
工事の手際の悪い、
クリトリスの舐め方もろくに知らない、
おっぱいにしゃぶり付きたいだけの、
ただの鈍感なおちんちんだった。

セックスにおいて、
女は、
ただ与えられるだけの存在であると、
この男は思っているのだろうか。

汗ばんだ肌を押しのけ、
浴室に向かう。
鍵を掛け、
浴槽にぬるめのお湯を張る。
早くそこに浸かり、
クリトリスが腫れ上がるぐらい、
自分を慰めたかった。
こんなセックスの後では、
なおさらだった。

おちんちんはいらない。
これは工事ではなく、
行為なのだから。












           了。



自由詩 「 おちんちんはいらない。 」 Copyright PULL. 2007-05-20 09:38:54
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