屋根裏を侵蝕する、
あの水のように、
満ちてくる。
想い出す。

息ができない。

肺の奥まで、
想い溺れている。
言えなかった、
ひとこと。

 ....
遠ざかる。
交わった足下の影は、
ゆっくりと離れ、
別れてゆく。

やがて、
影は消え。
水溜まりだけが、
きみを残している。

わすれない。

 ....
くもり硝子に指を滑らせる。
流れ落ちる水滴が、
鏡に映るきみの涙と、
重なって見えた。

さよなら。












  ....
屋根裏から、
聴こえてくるあの音は、
きみが還ってくる、
その足音なのか。

紅茶を淹れて、
待っている。

きっときみは、
冷え切っているだろうから ....
新聞に書かれていることと、
新聞には書かれていないこと、
それを貼り合わせて、
書いている。












      ....
あだしのくんのことを話そう。

あたしのあだしのくんは、
あたしの恋人である。

どんな恋人なのかといえば、
あたしのあだしのくんは、
彼氏というには顔が ....
言葉はすでに既製品コンドームに「ことば。」と書いて「かれ、」に被せる。
コンドームはしゃべりはじめるべらべらとしゃべくりはじめるのでうるさい。





 ....
ぴょぴょがあふれたら、
もうきせつです。
ばすけっとにつめこんで、
のはらにでおでかけしましょう。

みんなまっていますよ。
さあはやくじゅんびをして、
 ....
女性の一人称で書くことが多い。
以前は「わたし」として書いていた。

すこし前から、
「わたし」ではなく、
「あたし」として書くようになった。

「あたし ....
おまえの醜さが好きだ。
嫉妬に狂ってわめき散らす、
おまえの顔が好きだ。

ものを投げる時に、
わざと割れないものを投げる。
おまえの計算高さが好きだ。
 ....
ひさしぶりの宙返りで見た地面はこんなにも近くて、
しっぱい。

しょっぱい涙も出ないね。
言われちゃう。
「あんたそれでも元体操部?。」





 ....
「誰とでも、
 っくすするんですか?。」
と訊かれ、
きみとならと応えて、
XXX...

平手打ちをされたのは左。
右の頬を差し出して、
キスをもらう ....
冷蔵庫を開けて卵を取り出す。
卵は冷えていて、
すこし硬い。

手の上で卵を転がす。
卵はなめらかで、
とてもすべすべしている。
頬に当てると、
ひんや ....
クンニの後にキスしたがる男はちょっとうっとうしいと思うの。
なのにフェラの後にキスしたがらない男は卑怯だと思わない?。




無理矢理のキス。
ねぇ。
 ....
自由人。
校庭のベッケンバウアーは、
痛めてもない肩を吊り。

蹴球少年はリベロの意味知らずして、
ベッケンバウアーを知る。



少年の目に映るその稲妻は、 ....
熟れたウルトラの母の肌に絡みつく、
怪獣バルンガの触手。
嗚呼!危うしウルトラの母。
だがそこにやってきたのはケムール人。
ケムール人はねばねばした液体を、
その頭部 ....
木を叩く。
眠れぬ夜のつれづれに。


ノクターン。
扉の向こうにねむは無し。

目を閉じて、
レムに抱かれてきみを見る。


ひとひらの、
もみじにつ ....
リコは軟体のYにして、
変数Xの虜になりて、
っくすの事情。




難解なXの方程式。
あんな体位もできそうねと、
笑うリコ。

肋曲線Oマイナスπの周 ....
秋の目玉は赤目玉。
泣いてるの?。




落葉や、
ころりとおつる目玉かな。

転がる目玉。
追いかけてもみじ狩り。


もみじのお手々、
むすん ....
「っくすって、
 くしゃみみたいな言い方ね。」
と、
終わったばかりの彼女が呟き。




ひとにぎりふたにぎり。
ふたにぎりと、
ちょっと。
誰かのもの ....
明かりの消えた教室で、
ひとりふたりと、
席につく。

学籍のないぼくたちは、
幽霊みたいにゆらいでて、
いつも不安で不安定。

黒板のかすれた数式は、 ....
どこへおいきやすの。
ほらあんた、
あんたですがな。
どこへおいきやすのか、
ちゃんとゆうてみなはれ。
ゆえへんのか、
ゆえへんのはどのくちや、
このくち ....
一。


わたしの壁にはきいろいしみがある。

しみはわたしが産まれる前からあったしみで、
わたしの父がこの家に婿に来る前から、
ずっとそこにあったしみな ....
ぼくたちは生きている。
これまでもこれからも、
そして今もぼくたちは生きている。


世界にはぼくたちがいる。
たくさんのぼくたちがいる。

たくさんの ....
一。


バットマンの乳首は黒い。

そんなことを考えていると、
玄関のチャイムが鳴った。
テレビを消し、
けだるく返事をして立ち上がる。
足下がふら ....
あのね。
ときどきね。
なりたいと想うのさ、
ふにゃらくにゃに。

そしたらさ、
やわらかくなって、
ゆるくなれそうなね。
そんな感じがするのさ。

 ....
彼がいる。
此処彼処に彼がいるので、
落ち着いて眠れない。

彼は日暮れになると満ち満ちてくる。
丑の刻を迎える頃には、
遙か彼方まで彼で満たされる。
此 ....
痛みで目が覚めた。
耳が痛い。
耳の中が痛くて、
くしゃくしゃ音がする。
指を突っ込んで掻き出すと、
耳から蟻がこぼれ落ちた。

まだ音がする。
さらに ....
せっくすの意味を知ったのは、
煙草を覚えた日だった。
せっくすの女が吸っていたのを、
もらってはじめて吸った。
だけどはじめてせっくすしたのは、
その日じゃな ....
うつむいて着替える、
きみの後ろ姿。
どろどろに熔けて、
あいすくりーむが見てた。












           ....
PULL.(561)
タイトル カテゴリ Point 日付
「 想還。 」自由詩4*06/11/12 9:11
「 影還。 」自由詩7*06/11/12 8:38
「 水還。 」自由詩5*06/11/12 8:35
「 音還。 」自由詩10*06/11/12 7:45
「 新聞詩。 」自由詩4*06/11/11 20:31
「 あたしのあだしのくん、一。 」自由詩11*06/11/11 9:41
「 ばとことびそあ。 」短歌8*06/11/10 6:48
「 ぴーたんいっぱい。 」自由詩16*06/11/8 6:34
SATP.Vol.6,「 わたしからあたしへ。 」散文(批評 ...6*06/11/7 18:27
「 うつくしくなんかない。 」自由詩10*06/11/7 16:22
「 中年宙返り。 」短歌8*06/11/7 15:37
「 ぼくは、っくす。 」短歌7*06/11/7 13:25
「 たららま。 」自由詩8*06/11/6 8:04
「 っくす、しましょ。 」短歌10*06/11/4 20:44
「 蹴球短歌。 」短歌7*06/9/18 7:33
「 うるとらみ、っくす。 」短歌4+*06/9/15 7:38
「 ねむれむ。 」俳句6*06/9/15 2:59
「 っくす、のじじょう。 」短歌10*06/9/13 5:23
「 あきめだま。 」俳句4*06/9/12 20:16
「 にくよくの、っくす。 」短歌7*06/9/12 2:08
「 放課後の回遊魚。 」自由詩15+*06/9/9 14:16
「 おいない。 」自由詩14*06/9/8 19:56
「 きいろいし、み。 」自由詩11*06/9/6 12:16
「 ぼくたちは日曜日。 」自由詩14*06/9/3 7:12
「 漬けられた夜。 」自由詩11*06/9/1 11:47
「 ふにゃらくにゃ。 」自由詩3*06/9/1 1:07
「 彼。 」自由詩13*06/8/30 7:10
「 りありぃ。 」自由詩5*06/8/29 18:39
「 せっくす。 」自由詩20*06/8/28 7:46
「 夏希。 」自由詩3*06/8/28 1:19

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