さくら
さくら
いっしょにあそぼう

りょうてのひらを
きみに
あずけるから

さくら
さくら
いっしょになこう

みじかいかげを
すてて
しまうから

さくら
さく ....
最近《なんとなく猫》がよくウチに来る

なんとなく猫は一匹ではなくて
その日によって違う

茶色もいれば黒も白もいるし
大きいのもいればまだ子猫なのもいる

なんとなく猫は何となくウチ ....
ゆうぐれが
ゆらゆら

なみだを
あつめながら
まちを
つつみこむように

あさもやが
さらさら

あたらしい
ひかりたちを
なでて
ながれていくように

 ....
ぜーんぶ わたし


よるのうたを うたうときも

ひかりのあめを およぐときも

ゆうやけのこだまを きくときも

なないろのかぜを ねがうときも

ほしといっしょに お ....
きみのあくびがすきだ

きみのあくびはちょっとへん

だけどとってもおもしろい


あうあ あおああ

っておおきなこえがする


たとえばなにかのどうぶつみたい

た ....
 

西へ動く陽が
葉を透かしている

その光は余りに眩しくて
私は見つめ返すことが出来ない


陽の動きは思うより早く
地に落ちる前に
ビルの向こう側へと吸い込まれていった
 ....
おそらくそれは夢だったのだ

夕やけを膝に乗せて僕はおもう


引き潮の静けさがこの身体を隅々まで覆っても

どこかでまだ焦げた匂いがするのだけれど


膝を転げ落ちた夕やけは世界 ....
最近は色とりどりの空回りを
踊って僕はすっかり忙しい


それは時には一つの映像に
留まれない忙しさだったり

あぐらを掻いたまま
立ち上がれない忙しさだったり


何 ....
無数の魚のウロコのカタチに
河の水面が風にざわめいている

そのすぐ脇では同じタイプの高層マンションを
数棟建設する工事の音が続いている

ここにはもうしばらくすると
4000人余りの人 ....
あんしん したい
ボクは もっと あんしん したい

やさしい おんなのこと いっしょに
おふとんで まるくなるのも いいし

いつでも なんでも
おかわり じゆう ってのも いいし
 ....
高い高いビルとビルの間に真冬でも
青々とした葉っぱをいっぱいにつけた大きな木があって

その木の葉っぱたちは風が吹く度に
小さく身を寄せ合ってクスクスと笑った


僕はその木の前にあ ....
運河の方へと枝を伸ばす木の下に居ます
十五分の休憩時間に会社を抜け出して
頭の中で君に手紙を書いています

目の前には誰も乗っていない船が少しだけ揺らいでいます
今日はとても風が強くてそのせ ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
なだらかな夜の背骨の上を
滑るようにして僕は歩く


温度を持たない
曲がり角を曲がり

名前を寄せない
ガードをくぐる


透明感を隠した街に焦がれる
僕を覆う他人の溜息
 ....
ある冬の日の午後に
人通りの少ない道を選んで
散歩をした

それは確か 手が
かじかむほど寒い日だった


一時間ほど歩いて
そろそろ家に戻ろうとした時

前方にある ....
猫がタンゴを踊るよりも軽やかに
君は詩う

蛍光灯の下で途切れながらも
僕は笑う

賑やかなブレーカーを落として
睫毛に漏れる灯りだけで手繰れるのならいいんだろう

けれどどちらにし ....
真正面の三日月を眺めながら
帰りの坂道を登っていた

薄ぼんやりとしたその境目が
どこか僕に添うようで

しばらくの間僕はじっと
三日月を見つめて歩いた


するとやが ....
ひけらかすような寂しさを
風が夜更けに運んできた

分かり易過ぎて僕は
冷たくしらけてみたりする


寂しさなら山ほど
ウチの廊下にも溜まってるし

そんなに暇じゃない ....
その街はいつでも夜だから
君はスマートなクロールで
柔らかく早くどこまでも泳げる


絡まるような人の波を掻き分けながら
真上の月の明かりよりも

通りのずっと向こうのブ ....
言葉の陰で泣くのはいけない

それならば言葉の上に突っ伏して
泣きなさいと月は言う


果たしてそんな事が僕に
出来るのだろうかはまだ分からない

一息で詠えるフレ ....
壁伝いの夕暮れを
目で追う縞猫

不規則な鼓動が
擦れ違う僕と共鳴する


帰る場所はあるのと聞いているの?
もちろんさと僕は嘘をつく


全てお見通しなその黒目の中 ....
夢の中で僕らは
どこか田舎の景色の中を走る電車に乗っていて

君は何かを夢中になって話している
僕もそれを夢中になって聞いている


だけど気がつくと僕は
夢の中でうとうと眠 ....
溶けない絵の具で描くように
毎日が色を重ねていく

とうに恥じらいをほどいた僕には
全ては取り乱す間も無く
宙の中に起きているようだ


それでも毎日は
すれ違い ....
もどかしいフリした
トガゲの仕草でいても

黒光りしたその目がぶれてないから
すぐに分かるよ


俯いてばかりの日中に比べて
影のない世界で君はどこへでも行ける


 ....
季節にはまるで関係のない温度に
振り回されていた僕は

全てを吐き出せる場所を
作ることにした


それは近所のスーパー「オオゼキ」の店先に
特価980円で売っていた

 ....
雨上がりの朝の三田口広場でタバコを吸いながら
羽を膨らませて丸々と太った鳩たちを眺めていた


まるで歩きたての幼子のような足取りで
それぞれがそれぞれの方向へと急いでいる

 ....
質の悪いミストサウナで
のぼせたような月曜日

懲りない欠伸と
落ちかけるたましいの急ブレーキ


脱線してばかりの
長い夢のメトロノームに

巻き込まれた僕は
 ....
朝方にヒマを持て余したトカゲが窓からふいにやって来て
「僕とワルツを3曲ほど踊ってくれませんか」
と言った

寝惚けた私は夢と間違い
「ワルツは上手くないけれど 面白そうなのでいいですよ」
 ....
君は気がついた?
今 横断歩道の向こうを右に曲がった風に

何一つ決められない僕たちの前で
颯爽と行先を変えたんだ


でもきっと 君は気がつかなかったかもしれない

 ....
僕がじいっと空を見ると
空はもっとじいっと僕を見る


まるで僕は透けてしまうようで
慌てて空から目を逸らす


焦がれにも似た静かな揺らぎが
遠くからやって来て
 ....
松本 涼(295)
タイトル カテゴリ Point 日付
さくら自由詩1*06/3/21 20:29
なんとなく猫自由詩12*06/3/14 0:19
ららら自由詩7*06/3/7 19:24
ひとつのわたし自由詩4*06/2/28 21:17
あくび自由詩1*06/2/15 20:46
西の陽自由詩1*06/2/12 23:05
光の影自由詩2*06/2/8 22:42
不在自由詩2*06/1/24 21:18
クシャ自由詩1*06/1/23 20:58
あんしんしたい自由詩10*06/1/16 21:57
クスクス自由詩12*06/1/11 8:05
十五分の手紙未詩・独白7*06/1/5 19:15
私はとても小さいので[group]自由詩114+*06/1/2 22:52
背骨自由詩6*05/12/21 0:07
カステラ自由詩9*05/12/13 21:17
ダンス自由詩1*05/12/3 0:16
坂道にて自由詩6*05/11/7 20:40
自由詩8*05/11/4 23:45
クロール自由詩2*05/11/3 9:53
言葉自由詩7*05/11/1 21:52
ざわめき自由詩3*05/10/31 19:24
切符自由詩0*05/10/22 13:59
毎日自由詩4*05/10/22 0:29
ゲーム自由詩0*05/10/18 23:32
未詩・独白4*05/10/18 23:06
自由詩0*05/10/18 22:56
月曜日自由詩1*05/10/17 23:26
ワルツ未詩・独白5*05/10/9 10:00
カレーハウス自由詩0*05/10/8 17:37
ゆらぎ自由詩3*05/10/8 17:35

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