聴き慣れない
ラジオの
音楽に

飛び降りた
車道の
風に

吐き捨てられた
剥き出しの
台詞に

グラス越しの
炭酸水の
泡に

無表情な
電話口の
沈黙に

 ....
朝をはじめる太陽は
まるで線香花火のようで

小さく揺れるその玉は
何も迷わず空へ空へ

紫に寝惚けた水平線を
橙に燃やしながら昇っていく

やがて膨らみ色を変え
放つ光は僕を丸ご ....
いいとか
わるいとか

みんないろいろ
いうけどさ

きみとぼくは
ただの

はなれていられないだけの
かんけい

またいっしょに
はしゃいでうたおう





 ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている

土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線

川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える

背中を温める夕焼けが
実 ....
僕らはさみしい子供だから
間違いだらけの夜更けの中で
雨の音を聴いている

最近雨が好きになったのだと
君は言う

明日も雨が降ればいいねと
僕は言う

壊れたテレビを何度でも
 ....
鍵盤の音を確かめるように
ひとつずつボタンを外していく

育ちすぎた夕暮れが息苦しそうに
僕らの仕草に耳を傾けている

一秒がいつでも一秒ではないように
僕らもまた危ういバランスの中で奏 ....
はるのおなかが
ぷっくりふくらんでいるのは

ぼくがそのなかで
ぐうぐうねむっているから

だけど
はるのおなかは
とってもひろい

だからみんなで
ねむりにくる

たくさん ....
無数の花びらたちが帯のように
川の両端を縁取りながら流れている

私は冷たい雨にかじかんだ手のひらで
傘を握り橋の上からそれを見ていた

けれど川にも街にも花びらにも色は無い
ふと見れば ....
木の枝が重ならずに生きていくことを
描き言葉と伝え言葉が生まれる
それぞれの心の在処を

まるでひとり言でも呟くように静かに
少し楽しげに君は教えてくれる

大きな木の根元に寝転んで
 ....
しずかなばしょにいきたい
じかんのながれをいちみりもかんじない
しずかでしずかでいろのない

そんなばしょにいったら
わたしはあしをのばしてじべたにすわる
まっしろなそらをみあげる

 ....
月曜日はたいてい歌を歌う
声に出さない時だってあるけれど

火曜日はだいたい宇宙人の夢を見る
色んなカタチの宇宙人と僕は出会う

水曜日はなんだかちょっぴり泣いたりする
訳も無く切なくな ....
かたこと かたこと
僕の心臓が
どれだけ綺麗に
リズムを刻んでも

かたこと かたこと
僕の時間が
いつでも綺麗に
並んでいる訳じゃない

空は鈍い曇りだし
降るはずの雨は降らな ....
くるぶしの水位で哀しみが満ちているので

じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ

とっても歩きづらい


どうせなら肩くらいまで浸かっちゃえたら

のんびり平泳ぎでいくのにな
君は鳥が好きですか
僕はどちらでもないです

桜が咲くと嬉しいですか
僕は土手で寝転びます

今日は何か音楽を聴きましたか
僕は鈴木茂を二回かけました

夕ご飯は美味しかったですか
 ....
みどりいろのタネから
ぼくはうまれた

うまれたときから
ぼくにはポケットがあって

そこにはぜんぶが
つまっていたけれど

たいようにこがされたり
あめにしみこまれたり
ほしに ....
夜を急かすように
遠く点滅を続ける塔の先端の赤にも
この街の川は知らん顔で今夜も
静かに月を映している

僕は少し落ち着かず
ひとつの夢を見ることが出来ない

僕はしゃがみ足元の
惑 ....
アカ シロ キイロ

濡れるまばたき
闇のコマ送り

向き合い吐く息の
どこまでが僕のもの


ヨル アイ ミチ

連なるつぶやき
意味の小旅行

放たれた声の
いつから ....
傾いた四月の窓枠に
腰をかけて

うかれる風の様子を
ぼんやりと眺めていた


風は僕の前を通り過ぎ
木々の葉をペロリ
と捲ったかと思うと

今度は地面に急降下し
土とワサワサ ....
久しぶりに良く晴れたその日の夕暮れに
私の体温が奪われていく様子を
歩道橋の上から透明なカラスが見ていた

カラスはその向こう側が
全く透けて見えるほどに透明だったけれど
そのカラダの形 ....
うまれるまえに
だれだったかなんて
どうでもいいよ

うまれかわって
どうなるかなんて
しらなくてもいいよ

まっすぐまよわず
あるけなくても

きちんとじかんを
つみあげられ ....
いつの間にか夜が短くなった
それに合わせるように私はとても無口になった

いつもの裏通りには
見当違いな質問ばかりが飛び交い
静電気を帯びた優しさが充満している

声を紡ぐ旋律が見つから ....
御成門の交差点の向こうで
東京タワーは
暖かな孤独を灯している

硬い道の上を
ゆっくりと進みながら僕は
目の前に無いもののことばかりを
考えている

なかなか目覚められない
夢の ....
二月をはじめたばかりの空に私は宿る
人見知りの日差しはまだどこかぎこちない

手放した温もりを眺める視線と
手放された痛みを撫でる記憶

風は中途半端に冷たい

人気のない歩道橋の上の ....
線路脇の小石を濡らす黒い雨

焦げ臭い騒めきに揺らぎ

くしゃみの止まらない僕

感じる間も儚く手放してゆく微睡み



翻して僕は

二月の呼び声へと駆け出す

湿った呟 ....
沖の青が濃くなる辺りで
ポカリと浮かんだ独り言が
夜更けの時計を探している

月は夢と同位置で微笑みながら
人知れず密かな指切りを交わす

波のない水面に映る
過去と{ルビ瞬間=いま} ....
闇はなめらかなビロードの手触りで
斜めに笑う君の口元にも似ている

僕のストレートな熱が君を抉るなら
声はもうぬかるみの土深くに沈めよう

突然に吠え立てる夜更けの野犬
滑稽に鳴り響く改 ....
パンをちぎる
その手で私は
鶴をおる

鶴をおる
その手で私は
猫をなでる

猫をなでる
その手で私は
ページをめくる

ページをめくる
その手で私は
小銭をかぞえる

 ....
今夜の空に2つの月が浮かんでいる

どちらもまあるく太った月だ

その色もその形もまるでそっくりおんなじなのに

照らすあかりは全然違う

右の月は煌々と

くっきり僕ら ....
短く鳴く鳥たちが
午前八時の校庭で遊ぶ

焦げ茶の葉の大木も寝惚け気味の柳も
滑り台の隣でそれを眺めている

薄い墨を何度も引いたような空は
まるで暮れかけているようにも見えて
私はそ ....
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる

たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる

何度も傘が破れて  ....
松本 涼(295)
タイトル カテゴリ Point 日付
今日自由詩607/5/5 23:43
光の日自由詩1107/5/1 8:26
かんけい自由詩807/4/27 21:16
デッサン自由詩1307/4/18 1:20
さみしい子供自由詩1607/4/9 20:59
夕暮れピアノ自由詩1007/4/9 19:10
はるのおなか自由詩1307/4/5 22:00
色彩自由詩1107/4/5 2:39
さくらの日自由詩1207/4/3 21:36
しずかなばしょ自由詩807/3/31 9:27
洗濯自由詩207/3/30 22:39
かたこと かたこと自由詩1107/3/27 23:11
水位自由詩1007/3/26 22:02
ところで自由詩2107/3/15 21:41
みどりいろのタネ自由詩1607/3/13 21:20
三月[group]自由詩707/3/11 23:35
五月の宇宙[group]自由詩007/3/11 21:41
四月の窓枠[group]自由詩307/3/11 21:39
透明カラスと夕暮れ自由詩1007/3/6 19:57
うれしい自由詩707/3/5 22:32
短い夜自由詩807/2/28 20:04
東京タワー自由詩207/2/28 19:52
二月[group]自由詩8+07/2/11 1:51
最終電車[group]自由詩507/1/21 0:51
深青自由詩1107/1/5 23:29
自由詩506/12/20 0:18
リンゴ自由詩806/12/17 21:21
2つの月自由詩806/11/27 23:16
午前八時[group]自由詩706/11/26 8:47
ひたむき自由詩13*06/11/19 8:42

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