まいにちは
ふしぎなくらい
いじわるで

かなしいことや
つらいこと

いっぱい
いっぱい
どこからか

せっせと
あつめて
くるけれど

 ....
空に氷が張っている

その向こうは凍っているのでよく見えない

諦めて僕は瞼を閉じる

いつの間にか僕の眼にも氷が張っていたので

閉じた瞼がくっついて開かない

11月8日

 ....
きみをね
ぼくのてのなかで
ちっちゃくなるまで
まるめてね

バスッケットボールくらいの
おおきさになったらね

ほおずりしながら
きゅーって
だきしめたいんだ

でもきみ ....
秋が風になびく
僕らはぼんやりと空を見上げながら
くっきりと今を抱いている

君の話す言葉が
木々の合間に踊り
遠い獣が夕暮れを呼びはじめる

生温いカフェオレの缶
高い枝の上で大き ....
きみはキリン

別に首が長いわけでもないけどさ
肩甲骨の辺りがキリン

きみはキリン

特に無口じゃないけどさ
答えの前にちょっと間が空く
電話の向こうでキリン

きみはキリン
 ....
涼しくも親密な風が肌に纏う
山手通りを僕は行く

この時点でどの地点
この視点でどの次元

知りたがらない疑問符たちが
流れては逝く目黒川を横目に
僕は歩く


季節に気づかない ....
 
かたかたかたかた
転寝の脇で何かが走っている

呪われてしまったように
僕の目はまるで開かない

僕は転寝ながら
その音を鳴らしているのが
やさしい生き物であったらいいのに
 ....
橋は斜めに延びている
狭い歩道には影も落ちない
月も雲もいない


何人かの顔がよぎる
数秒の会話が流れる
いくつかの名前が着いて来る

どれもが此処にはいない


昨日に在る ....
もうゆっくり眠りなさいと言う
街は密やかに優しい

まだ眠れないと私は言う
夜は美しく時間を鳴らす


開き切った魂の赤い色は
誰の為にでもなく其処に在る

濡れる者渇く者が
同 ....
懲りずにまたお昼寝をしてしまったので
また哀しい

夢を見ていたことも
昔私は2つ下の弟に
私は本当は他の星から来たんだと嘘をついた

それはちょうど私が小学校に上がる頃で
家には新品のランドセルがあった

どうしてそんな嘘をついたのかは分からないけど
弟は ....
君が僕の名前を
忘れる前に

僕は大きな風を
呼ばなくちゃ

たとえば君がその風に
気がつかないとしてもさ
遠い遠いところから密やかに膨らんで
大きく高く重くうねった黒い波のように

その哀しみは時々にやってくる

泣ける時にはタオルケットを
丸めて抱き締めながら
九つの頃と同じ声をあげて泣き ....
 

なぜだろう
わたしは眠っている

世界はこんなに美しいのに

なぜだろう
わたしは怒っている

こころはとても暖かいのに

なぜだろう
わたしは歌っている

ひとり ....
次の風を待つ間に私は窓際に横顔を
貼り付けて猫背の時間を撫でていた

窓の遥か下にある小学校の校庭では
派手に盆踊りのテープが鳴っていて
けれどこの部屋には更に大きく響く

太鼓の賑やか ....
僕の職場には黒猫さんがいた

黒猫さんの本当の名前は町田さんというのだけれど
何故だか誰もが黒猫さんと呼んでいた

僕はどうして黒猫さんが黒猫さんと呼ばれているのか知りたくて
社内の先輩た ....
空耳のどしゃぶり
ガード下にこだまする

立ち止まる黒猫の
瞳はブラックホール

目が合えば僕は
吸い込まれていく


夜を開く赤のカーテン
その向こうへ黒猫は走り出す

加 ....
モノレールが優しく横切るその前の
鉛色の河で小船たちは寡黙に佇む

足元では何匹もの大きな蟻が
その身体と同じ程の大きさの
荷物を運びながら行き交う


小さく跳ねながら近づき
離れ ....
大きな布を広げたような
遠さのない空

ほどけた糸が絶え間なく
無言の街に降る

僕は何を創ろう
濡れたその糸で

痛みを忘れた
この指先で
この街を 

この部屋を

この身体を

昏々と

眠らせるのは

夜では無く 

淋しさだ
雲は薄い水彩画
静まる街の片隅でそれを見上げる

風は止まない

誰かが植えた大きな木の葉が
不規則に踊り続けている


ふいに灰色の鳥が目の前の枝にとまり
世界のニュースを告げる ....
ちいさいときボクは うちゅうに しゅくだいをもらった
しゅくだいは うちゅうさくぶんだ

ちいさなボクは ちきゅうアパートの がっこうで
こうえんで しょくたくで だがしやで あきちで 
ゆ ....
さかなのむれが
ほどうではねる

きらきらきらきら
ひかるさかな


おそらでママが
よんでいる

ぴかぴかぴかぴか
ひかるママ


ひかるさかなは
しらんかお

き ....
もらいものだけど
よかったら

このてをきみに
あずけるよ

すこしかるくできたら
いいな



もらいものだけど
よかったら

このつまさきをきみに
かしだすよ

 ....
とてもシンプルな音を立てて
きみは生きている


噎せ返る緑の中を駆けるときも
たましいの全てを委ねて眠るときも
まるでありのままの世界を描くように


混じりけのないの声で笑って
 ....
今日私は泣いた

哀しかったからじゃなく
辛かったからじゃなく
痛かったからじゃなく
私は泣いた

嬉しかったからともちょっと違う


ごろんと布団に仰向けで
片てのひらを片まぶ ....
伸びきった痛みのような影を連れた私は
ポッポッポととぼけた足音を立てて
真昼をへこませながら歩いていた

青色に成り切れない低い空には
子供の頃に想像した太陽があって
色鉛筆のタッチで光が ....
僕の足がどこにも
繋がっていないことを知って
僕はもう地上にいるのをやめた


最初は虹色の太陽の近くで
出鱈目な言葉で歌を歌ってみた

歌は散り散りに流れて
僕の中から出鱈目な言葉 ....
午後の視界を横切る
さざ波にもよく似た面影の人

もうすっかり冷めて
固くなってしまった時間を
連れて来る

色彩を逃がした空の
真ん中で私は
強張りかけた呼吸を緩め

それに合 ....
あまりに長い間ひとりでいたせいか
ある日わたしはふたりになってしまった

わたしたちはさすがに元ひとりだったので
顔も体つきも声も性格もそっくり同じだった

「さみしかったよね。」
「う ....
松本 涼(295)
タイトル カテゴリ Point 日付
おやすみ自由詩706/11/12 23:40
氷(11月8日)[group]自由詩306/11/8 22:32
バスケットボール自由詩2*06/11/5 22:25
自由詩6+*06/11/5 0:11
きみはキリン自由詩206/10/23 22:07
山手通り自由詩206/10/19 23:34
かたかたかたかた自由詩406/10/11 23:59
自由詩506/9/28 22:12
自由詩306/9/19 1:40
日曜自由詩306/9/17 16:20
ランドセル自由詩606/9/3 20:39
バランスの悪い恋において自由詩206/9/3 10:24
黒い波自由詩406/8/30 21:49
リピート自由詩606/8/20 17:26
空洞自由詩5*06/7/30 23:36
黒猫さん自由詩8*06/6/27 0:23
黒猫自由詩606/6/26 23:09
風景自由詩4*06/6/21 22:34
自由詩706/6/19 22:19
眠り自由詩406/6/11 23:35
曇り空自由詩9*06/6/9 20:00
宇宙作文自由詩3*06/6/3 0:59
ひかるさかな自由詩1*06/5/24 19:18
もらいもの自由詩4*06/5/24 0:18
イノチノオト自由詩4*06/5/19 22:24
今日泣いた自由詩1*06/5/18 22:17
真昼の足音自由詩2*06/5/10 19:56
群青自由詩4*06/5/7 23:00
小さなまばたき自由詩2*06/4/23 15:03
ふたり自由詩9*06/4/4 20:32

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