銭形はやや疲れ気味であったが
ときおり過去のルパンとの確執を
楽しげに思い返すのだった
そう彼ももう若くはない
デカ稼業しか知らない俺
趣味といえばガンプラとマリリンに憧れて始めたカ ....
君の鳶色の瞳のなかの風は幾千の山河を超え海峡をわたり
誰かを愛し哀しみを孕んで僕のこころに届くのだ
君の襟足は短く切り揃えられまるで夏のひなたの匂いがした
南回帰線から君の便りが届く ....
二階だてのバスに乗ってははしゃいだり僕らの春は滅茶苦茶みたい
遠くには秩父連山赤城山筑波山まで微笑んでいる春
圏央道ところどころがつながってまるで僕と君みたい
灯台のもと暗くても踏み分ける
日輪のプロミネンスのように生きたい
健やかにただそれだけを願いつつ
きみ知るや孤独の果ての青空を
言葉は書き留めないと流れていってしまう
こころは繋ぎとめないと流れていってしまう
人は愛しても去ってゆく
まるで季節のようにうつりかわるのだよ
ゆっくりと
きみに言ったよ ....
気づき
ためらい
それは当然のこと
誰もそれをとがめない社会が
欲しいと思った
たちどまろうと
早足で歩こうと
いいんだあなたの姿で
ただそれに気づかない事だけが
....
定式はないが
生命としてはそんなはずれた生き方は出来ないはず
ちゃんと修正回路があるはず
だからそれが機能しないぐらいの生き方はしないが
生きるのだって美学がいると思うんだ
誰が認め ....
デザインとはラテン語で物事を達成する為の計画立案の行為を指すらしい
では詩人は何のデザイナーなのだろうか
まあなかには計画の破壊者みたいな人もいるが
夢の設計者なのだろうか
それとも狂 ....
本当に早い人は
公道を無駄に速くははしらないのだな
きっと
人にはたくさんのスイッチがある
それをいれたくてさまよう
ある時それがはいる
人生がかわる
詩は感性の交換だ
その為に
書いているのかもしれないとも
思うのだ ....
君は望遠鏡や顕微鏡を造る僕の会社の設計室に勤めていた
僕はある日君に恋した
それはけっこう素敵なことだった
会社の裏の独身寮のそばに総務の峯岸さんの貰ってきた柴犬の仔が三匹
彼 ....
戻れないこの道
君が手を降ったまま遠ざかってゆく
ちょっと哀しい眼をしていた
それは夕暮れだったからかもしれない
帰れない明日へ微笑みながら去っていったひと
風を抱いて走るよ何かの方 ....
なぜなら奪うものは最終的に奪われる
不幸のうえに成り立つ幸福などありはしないのだよ
これは友人のこくはくなのだが
彼女はぼくに聞いたかつてちょっと好きだった人だが
彼女は僕の後輩と浮気 ....
君と同じ空を見上げたかったのだ
お雛様みたいに仲良くちんまりと並んでいるんだよ
桃の花だって咲いているし重箱には煮物バスケットにはサンドイッチ
おまけにスパークリングワインなんぞも冷 ....
なにものでもありはしないでもあるんだ
誰も好きになれないでも好き
二律背反が風のなかで舞う
とっても素敵な世界なんだそう
君の本来の色さえわすれそうさ
それでも走り続ける週末に向かっ ....
酸素も窒素もありはしない
ヨウ素の要素の感得力だとも思うのだが
まだ朝は吸収し切れないものでいっぱいだ
きみの整理が終わるまでぼくは待つのだよ
するどく
かたほうによって
なにかを
....
しどけない午睡から醒めやらぬ眠り姫は
一人寝の孤舟の岸辺で戦の終わる日を待ち続けて
夕陽をぼんやりと眺めていた
眺望のよい塔のうえに幽閉された魂は自分の捕虜としての価値も知らずに
幼い時に ....
窓を開けると校長先生が欠伸をしていた
校庭ではポニーテールが僕に微笑んだ
片えくぼを連れて
まだ風は冷たかったが沢山の蕾が輝いていた
遠くの山では雪も消えはじめ
柔らかな表情へと ....
月は淋しくて蒼い光をそっと流すのだった
夜は哀しくて汽笛をひとつ響かすのだった
風は切なくて切れ切れに吹いているのだった
君は懐かしく僕の思い出の窓辺に座っていた
仄白い水仙の ....
チェシャ猫はティーパーティーが大好きでした
アリスも呼んで午後のひとときをなごやかに過ごしたら
白ウサギが言いました
すでに時は来たりまた次の物語を綴らなければ
不思議の国は終 ....
村上春樹ではない僕の風の詩を描こうと思った
ラヴェルのモダンなピアノ曲を聴きながら風を思った
風は自由だ
あくせくしないし
僕たちは単純に生きる事を学べるのではないだろうか
ゆるやか ....
夜でもない朝でもない
真昼が俺にはお似合いだ
納屋の小麦を盗み喰う
そんな手口もいたについて
俺は名無しのガスパール
尖った爪で花を摘み
あの娘の窓辺に飾るのさ
誰ともし ....
優しさで解決できないものは本来問題ではないのだな
孤独と隣り合わせの自由
愛と背中合わせの孤独
無数の愛と自由と孤独が春の風に舞う
窓から望む 菜の花畑は 春霞
重ねた手の温もりは幾つかの時のかけらを記憶の襞から呼び覚まして
....
化石少年は砂岩の中にある海中生物の
痕跡に魅入られていた
数十万あるいは数百万年の時を経て
無名の海底生物の生きた証左が地の中の眠りから
主亡き痕跡という奇跡の造形のままよみがえる
....
人生は一瞬一瞬の光を増すための努力
最期は一筋の光となって空に流れればいいさ
ヴィンテージギターを手にいれたが
一万円と格安のヤマハFG-130という
1972-74あたりに製作されたもので状態もいいし
かなり響きが良く豊かに音がでる
男はそういったおもちゃを幾つに ....
僕はいつでも敗戦投手
君のこころのミットにボールを投げ続ける
変化球はいらない
走らない直球だけが僕の武器だが
九回裏観客席のざわめきが鎮まる
打席にはイチローではなく
ど ....
マリアは涙を流している
階級のなみだ
金属製の胸には革命の歯車が
コチコチと廻る
フリッツラングの見たニューヨークは
セピア色の未来
摩天楼には愚かな文明がのさばって
素朴な世界 ....
僕は誰かに造られた
僕は何かを創るために生まれて来た
クリエイター
存分にRPGをかけまわるアバター
夜は長いし昼は退屈だ
たまには詩でもつくってみようか
....
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