さびしい道化師は
観客のいないサーカス小屋にひとり
空中ブランコや象の玉乗りの夢を見る
もう雇い主なんていやしないが
故郷にかえるまえに思い出にあいにゆく
もう料金箱にはどんな人生も ....
疲れた心のためにインスタントコーヒーを一杯いれる
僕は悲鳴こそあげないが
なんだかいつもテンパっている
60〜70年代に掲げた自由ってなんだったのだろう
敵はいないし仲間もいない
....
優しいケーブルがあって
ぼくに電気愛を教えてくれて
コネクターを集めるようになったんだ
優しい先生と不躾な仲間がいて
痛みと妬みと苦しみを中和するてだてを
覚えさせてくれたし
いつ ....
きみとなにかを分け合う様に生きていたいとおもう
からっぽのカゴの自転車のままで自由を走ろう
所有することなしに生きてゆくことも良いのかもしれない
手にするものすべてはさよならをはらんでいるか ....
極道にも夢があり
極道だってポテトチップスをたべる
極道だって恋を恋して
鉛筆を舐めて可愛い日記をつけたりもする
極道だからといって
必ずしも横道に逸れるわけでもないのだけれどね
....
月曜日は買い物日和だ
砂漠の中のショッピングセンターへゆこう
遠くの部族が集まる日曜日よりはましだから
きみの前髪を上手にきってくれる人をさがそう
くだらない思想でこころを壊さないよう ....
何処にも届かなくていい
誰にも関わらなくて
何の問いもないが
ただ在ることを想う
ダーウィニズムがもたらした
革命にしたがおうとおもう
忙しい自分は本当なのだろうか
ぼくはい ....
やさしいかぜがふいている
たのしいおんがくもながれている
ぼくはどこへゆくのだろう
せいしんろんがきらいで
むぎのほのようにじゅうじつして
労働が好きなわけでもないが
拘束服よりは一生作業服でいたいとおもうのだ
新橋の夜にあふれるビジネススーツの残り香もきらいではない
酔っ払って誰かを吊るし上げるのも素敵なレジャーにはちがいない ....
僕のちいさな時間をかえしてほしいんだ
双眼望遠鏡に閉じ込められたほんの僅かな視差を
星雲の光年には追いつけやしないけれど
僕たちは自分のひかりの速度をもっている
パラダイスには遠いが自 ....
創造の小箱がきみの中にあるんだ
しこたまきらめきをため込んだ素敵なやつだ
誰にもさわれない特別な意匠がたくさん隠されている
想像の炎はときにきみを炙りあげるかもしれない
それでもそれを消さ ....
同心円をえがいて僕らはまわる
軌道上の夏はいつもただしく狂ってゆく
微調整のきかないままに歴史は確定してゆき
人生は大概は傾斜しているものなんだって気づく
僕らはいつも延着して船荷 ....
アップデートに本体が耐えるかどうかが心配なんだが
そんなに最新のVer.でいきてゆける訳ではないんだ
情報格差とは素敵すぎる造語で仕掛けられた欺瞞なんだろう
いつも調整しながら生きている老体 ....
ただしい農場では
ただしい青果が生産され
世界をよりただしくしてゆくのだろう
おびただしいひとの群れは
おびただしい愛の定義をつむぎだし
世界をより美しいものにしてゆくのだろうか
....
つむじまがりのへそまがり
ろくろっくびのしんせきか
すっぴんびじんはどこにいる
夜盗のはびこるこのまちで
つけまとフェイクでまどわして
やっぱりあなたはいいおんな
ついでといっ ....
とても大切なことをわすれて
とても大好きなひとをわすれて
それでも生きている
あたえられた課題を
こなせない生徒のように
やっぱり不器用でふまじめで
廊下のすみにたたされているんだ ....
解放の日の記念にミネストローネをつくりたかったんだ
なにからの解放だってきかれても
僕にもよくわからないんだが
とにかく野菜は自然主義者で
そのおだやかな主張を胃袋におさめたならば ....
ぼくの家には湿度計が必要なんだ
ウエットなときには彼女とけんかするから
ぼくはすべてを知る職人になりたかった
ぼくはすべてのものを所有したくなくて
変化するものが大嫌いで
でも固定さ ....
かろやかに壊れゆく春の記憶は
描かれた風景に変換されて
消えてゆく
ひそやかな時はうつりゆき
しろい指のかたちだけがのこる
春が終わってまた誰かの消息をたずねる
夏が終 ....
タイトでスリムなロックも好きだ
小口切りでほろほろとしたねぎのような
軋轢がないように
段差もないように
僕たちはいつも童話を読んでいる
革命を夢みることもなく
ただの日常 ....
皮肉をいわなければ死んでしまう貝があって
それはそれで良いだろう
まっすぐな誤解はいつも答弁を
許してはくれないから
せめて僕を許してくれないか
家を売らなければならないヤドカリ
....
とっておきのあさの光が
僕を縛る時間
誰も所有できない
ふみこめないさんくちゅあり
貧しいどうしのペアが家族なのかわからないままに
半年をへて風化してゆく朝の価値とは無関係な
....
誰もいない夜に話す
誰もいない国に暮らし
夜のない国に住み
誰もしらない人と
誰もしらない言葉で
どこでも無い場所に住んでいる
彼女のいる部屋で
あるいは彼女がいること ....
僕たちは飽和のなかでなにかを学んでゆくあるいは欠乏のなかで
僕たちは清潔な生活を棄て快適で不潔な世界を夢みている
僕たちは邪悪な想念をふきこまれて育った孤児なのだろう
首都高の霞ヶ関 ....
とてもちいさな出来事が積み重なってものごとが見事にできあがり
それがとても不思議だったりもする今日この頃です
僕の押入れの中に隠された凶器みたいなスケートボードはいつも
わくわくする坂を滑り ....
時計のないまちを歩くと
歩数計が時間にすりかわる
きみの面影ばかりがやきついた瞳は
きょうも空疎で狭窄しているみたいだし
きのう人参畑だった農地には
いつのまにかウイークリーマンショ ....
すべてのジャンクの山のなかからあなたを掘り起こす
随分と埃はかぶっているがすぐにでも使えそうなんだ
すべての汚れたもののなかから抽出された血液だけが
あなたを再生させるものなのかもしれないの ....
とりあえずのチキンは食べられてしまって
ぎゃばんのseasoningが恋しいクリスマスも近いし
ぼくのなかの騒がしい自由は休憩しているのだろう
忘れさられる歌を今日もうたっているし
....
deadendな夜にきみは優しい
weekendのあさにゆでたまごを食べるみたいに
はっぴいえんどを聴きながら
The Doorsのthe endをおもう
愛はやすみなく働いて ....
不思議の森を歩く
ぼくの世界は既視感でみたされ
ぼくの記憶は整理されてたたずむ
ぼくの未来は予感され
ぼくの狂気はひた隠しにされて
ぼくの愛は調整され
ぼくの調理器は壊れている ....
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