顔のない世界を
ゆっくりあるいてゆく君を
ぼくは呼び止めて
お茶に誘ったんだ

言葉が伝わらないままに恋をし
手をにぎらないままに
ベッドに誘ったんだ

きみは買い物袋をさげて
と ....
生活という書式をたちあげる
ブラインドの隙間から
僕の一日がやってきたならば

年月という埃をまとわせ
洗濯機からまっさらな振りをしてでてくる
洗いざらしの理想

ベンジャミンフランク ....
大雨洪水注意報
彼女に涙を流させてはいけない
そのあとですごく経費がかかるから

落雷警報
電気ショックで何かが復旧するとは想わない方がいい
普通のひとは死ぬ

落石注意
気がついた ....
真夏のまんなか
乾いた道のさきに
誰かが描いた蜃気楼

午後9時の
Summer in the city
大気圏の対流に耳を澄ます

アウトをとれない甲子園
酸素が足りない金魚鉢
 ....
すぐ寝る生き物は僕だが
なかなか寝かせない生き物は君だ

指での数え方って国によって違うんだ
だから彼女の本当の歳を教えてよ

気ずくことばかりでは疲れてしまうので
きずかないことを想う ....
季節をいいあらわそうと思っているうちに
それは過ぎてしまう

足跡と想いはいつのまにか
季節をすり替えて行く

君と金と銀の
スニーカーを交換して
なんか安っぽいねって笑った

僕 ....
僕らは社会の文体を学んで成長してきた
はたまた親の文体に反撥しながらも生きるために
それを受け入れて

今度は自分自身のフォーマットに縛られながら
それとの葛藤にちょっと疲れているのかもしれ ....
けつまずいて転ぶ
ああいつもの夕暮れなのにね

見えないものに語る言葉
忘れてしまった暑い日です

行き着く先のわからない
遠泳に参加する僕は第三泳者です

通り雨地球をまわしてとお ....
きみの手を想う
華奢でちょっと小さめだった

骨折して松山の病院へいっしょに行ったときも
きみの身体の一部が壊れたことに
かなしみを覚えていた

きみの替わりに朝
新聞配達をやった
 ....
土産店で買った小鳥のおもちゃは
出来は良くないものの軽快に飛びそうに思えました

不器用ではありますが羽ばたいたのです
ただ天をさしてではなく

いまは誰かが踏んづけたのかもしれませんが
 ....
タクが失踪した
親にも知らせず彼女ものこしたまま行方不明

刑務所から出て保護監察下ながらM工業で働いていた
将来独立するという意欲もこめて作った名刺ももらったのだが

僕が名義を貸して彼 ....
こころの透明な日に海がやってくる
あてどもない迷いに逢いにやってくるのだろうか

迎えるすべをしらない私はとおい砂浜で貝を観察したり
でも思い出に似た貝殻をさがしてみる

光沢を失った風景 ....
ぼんやりするひとときがすきだ
ふだんそれほど張りつめているわけでもないのだが

焦点のないゆるさがもともとすきなのだろう
いわゆる生産的ではないだろうそんな時間

とくに創造的である必用も ....
生きるたたずまい
気配だけではない
所作もふくめたその人の
生活感の座り具合とでもよぼうか

こころにはかたちがない
言い換えれば生きるエネルギーが
そのまま立ち居振る舞いとなって
表 ....
しんしんと夜の降り積もる
時計の針をすすめているものは
いったいなんなのだろうか

森深く一角獣のみる夢が
遠く聴こえる気がする
こんな夜にふさわしい響き

一角獣が問う
あなたの角 ....
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった

愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす

美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ

どうしようもない時 ....
誰もシラナイ理由が無い
わずかな隙間を生きているような気がするんだけど

近代現代近未来
産業ロボットはやがてラインを離れて
どこへ行くの

母を殺し父も殺して最果ての
流刑の地さえも ....
僕の文法のSは君と僕
Vは生きることだ
訳もわからずOをもとめてさまよう
たまさか生まれる言葉でCを綴る

規則正しいものに反感を持ち
疑うことの正当性をつかもうとして
いつのまにか自分 ....
醗酵することは発行されたものをもたないこと
あるいは発光する冷たい微熱をかかえた昆虫の夜を生きること
あるいは薄幸な女の身の上話にあいづちをうつ場末の安酒場の空気

欲望は醗酵し発熱し自分の足 ....
億年の
静かな回廊に光が満ちる

瞬間を孕んだ風が吹き渡る緑野
なにか山巓を降りてくるものを待つ

待つあいだにも自分の意志とか
わからないものに軽く触っている

風化した海図では
 ....
朝のひかりのなかで想う

どこか彼方の星でも
こんなふうに生命が
朝をむかえているのだろうか

夜の闇のなかにさえも光は在るものだ
宇宙の漆黒のなかにだって朝はあるのだろう

生命が ....
猫でした
まちがいなくねこだったと思うのですが
定かではありません

幸せだったかもしれませんし
そうじゃあなかったかもしれません
宿無しだったのはたしかです

いまでもたいして変わり ....
生産工場などで適用されてきた
トヨタ生産方式を
日々の生活に適用したらどうなるのか

ジャストインタイムで
買いだめなどはなるべくせず
必要なものを現在の必要に応じて調達する
無在庫主義 ....
横浜の姉に電話する。
料理や家事のことでわからないことがあると
姉にきいてみるのだが。

姉もだんだん逝った母に似て
話が長くなってきつつあるようだ。

煮ると焼くしかない僕のレパートリ ....
素直じゃないって言われた
すぐ屁理屈で反論するから
知らないくせに

じゃああなたは何を知っているの
教えられたことだけがただしいの

人を好き嫌いで色分けしていないの

無我を論じ ....
凹んだままもどらないこころを
あえて膨らまして生きている弾力をおもう

生きることに引きずり回され
足下がみえないまま歩をすすめて行かねばならない
立ち止まるわけにはゆかないのだ
それが残 ....
夕闇が嫌いな人たちは
原子力でそれを追い払う

宇宙から見る日本列島は
真夜中でもくっきりと浮かんで見える

世界中で一番明るい列島

誰がそれを見つめるのか
数十人のアストロノウツ ....
誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと

夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない

僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
いまは幾度めの春なのだろう
遠い昔のような
つい昨日のような

子供たちもそれぞれに
この世界のどこかへ
紛れていった

いまも日々の食をもとめて
彷徨う身にも春はやさしい

な ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に

ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです

桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
 ....
梅昆布茶(1023)
タイトル カテゴリ Point 日付
神話自由詩1714/8/17 19:59
日時計自由詩1614/8/16 15:21
CAUTION !自由詩25*14/8/10 2:00
アウトをとれない夏自由詩2114/8/7 16:30
川越にて短歌814/8/6 17:03
金と銀のスニーカー自由詩1914/8/3 10:20
おでん屋自由詩21+14/7/31 16:26
第三泳者自由詩21*14/7/27 6:03
自由詩1914/7/20 3:50
小鳥自由詩1314/7/16 16:24
ある失踪自由詩1014/7/13 13:40
自由詩1914/7/11 17:29
ぼんやり自由詩2014/7/6 5:06
風景自由詩1114/7/3 22:07
しんしんと夜自由詩1814/6/30 15:19
ただしい孤独について自由詩2014/6/19 14:53
CAFE de 短歌みたいな自由詩1214/6/14 11:17
文法1自由詩1114/6/14 5:31
ただしい醗酵のてびき自由詩1914/6/6 19:14
億年の自由詩16*14/5/25 11:13
光と雲と自由詩1414/5/18 0:33
猫でした自由詩33*14/5/9 3:39
トヨタ生産方式的生活自由詩1414/5/2 16:25
姉と話す自由詩2014/4/26 0:09
不完全な買い出し自由詩1014/4/20 1:24
弾力自由詩2114/4/15 18:59
アストロノウツ自由詩21*14/4/10 16:45
夕暮れ自由詩2514/4/4 16:51
三毛猫のうた自由詩1914/4/4 0:20
憧憬。春自由詩24*14/3/31 19:10

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