メレンゲの夜
それはそうだ、
固まってしまう

色の無い刺繍糸で
編みこんでいく
君の体は
気持を置いて
でていってしまった

ここにあったのは
変色した果物
片方しかない手袋 ....
また体の向こうがわで文字が跳ねている。戻っておいで、戻っておいでって思いながら見つめていると溶けて行ってしまう。さきに起きた娘が炭酸水をのみながら、まだ眠ってていーんだよ、と言う。やさしい。朝から .... 明日になれば休みだから、汚れた布を洗うこともできるし、床を磨くこともできるし、冷蔵庫で賞味期限を切らせつつあるあれあそれをいっぺんに捨てることもできる。捨てることができる…って思うのは確実な希望。ここ .... ところで
説明のつく恋などないのだと
言ったところで理解しない
あなたのかわいい肌から放たれる熱をまにうけながら
生まれ変わったら 工場になろう
と思う
頑健な 灰色の
工場にな ....
蜂蜜をなめて凌いだ一日のうち30分だけ陽が当たる床で すこんと抜ければよかったものを、しぶといかさぶたみたいにしがみついてきたない。そういう蓋、風向きでいくらでも変わる。わあわあ言いながら、生活していかなければならないとおもったから。自分の足で立って、立 .... すみれの日あなたは今もそこにいて横断歩道を渡らない

右岸には青い鳥がいて左岸には神様が居る 私ふやける

だれだって皮膚を剥いたら一緒でしょ いいえあなたの骨はとくべつ
この眠りは
右往左往して
うまれた震えが
体の向こう側で
言葉になる それが
びしょびしょに吐き出され
それから永く忘れられ
眠りのなかでもう一度震えると
詩は そこにいて
 ....
まだ植物の世話はできていますか、と医師が言うのではいと答える、じゃあそういう喜びは感じるのですねと彼はまた言う、喜びですか、喜びを感じます、でも枯らしたらいけないと思って…と言うと医師はすぐさまパ .... 冷えていくストーブ
無い言葉
缶の羊

音のないテレビに
二拍遅れの字幕が流れていく

違うこれは
生活ではない
と思う
けれども
校庭のいちばん端、フェンスのところにはノブドウとヘクソカズラが生えてた。ノブドウはとくに実がきれいなので特別に思ってた。裏庭のどくだみが茂るところは一部分高くなってて、そこに立つとちょうど図工室が中ま .... おかしな箱だなと思ったところで目が覚める
わたしは眠っていたわけではなかったのだ
かわいいあの子がスカートにスープをかけられてるときや
足が遅くて詰られた子が来なくなったとき
集合時間 ....
わたしには、これが、生活なのか、感情なのか、問題なのか気の迷いなのかもうわからず、砦のように敷き詰めた綿の部屋で、あとからあとから湧いてくる埃を集めて捨てている。壊れた予測変換機能付きの思考、締ま .... あなたは林檎のかたちをした蜜柑です
濡れた皮を剥きながら
でも 必要だったのは
その 一つ分のくぼみだけでした
ふたが空いてしまう。
でも、鍵はしていなかった
おもたいふたでもなかったし、
あかない理由もなかったのだ。

蓋が開いてしまうと思う。
水がたくさん入っている。
それから間違えも入っ ....
過剰適応、と彼はつぶやいた。
なんども組み換えされる細くて長い指を眺めている。
そんなこといわないで、と思っている。でもすごく遠くの方で思っているので、感じるまでにはもう少し時間がかかる。
激しすぎる 揺れ たちを
夜、夜明けまえ
だましながら捕まえて
昼間の街を見せにいく

揺れたちは
泣きながら
嘘を消化して

売り買いできるような
かたちにまとめて束ねる ....
単三電池のなかにとじこめられる感じ。思考がとめどなく溢れ出て体中を巡っている血みたいに、指先まで。とても速くて疲れるから、ゆっくりしか動けない。息をするとき、それは鉛、足元をつぶしていく。でも、た .... 割れた画面のむこうで自動変換が暴力をふるう
インターネットの毛布は今はもう夢で
冷えたテスラのなかでがたがた震えながら運ばれる(どこへ?)
世界が終わるとしたら午後だろう
希望的観測! ....
生きていかれないくらいの
清潔さのなかで
注がれる水たちの不自由

汚れようとして冷えていく
煮えるような劣等
ふるえるとき、
泣いている、がたがた、さみしくて
ふるえている。

そのとき、
なかみのまま、
外にでていけない。

なかみのとき、
いるとき、
いるように見えて、
いないとき。 ....
あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて

あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた

静かに何年も何年も
何年も何年 ....
帰宅途中の
夕雲の群れに
滴るように
求めながら
どこにも空きは
現れない
千切れそうな
心持のなかで
言葉だって
ひとつもない
目が覚めて
空は明かるく剥け、
やすらかな寝息と疲労のあいだにあるわたしの身体

こまごました呪いとひきかえに
潤みつづける女という生活をして
すこしだけ自由で
底抜けに淋しい

 ....
ずる休みをして、駅の喫茶店でホットケーキをたべた。何にもならない恋みたいな良いことが落ちていないか、街をうろうろする。本屋をはしごして本の匂いを嗅ぎ、またちがう喫茶店で紅茶をのんだ。色だけが濃くて .... 野菊 野菊
暴れ咲く
泣くならここだ
夏が街を焼く昼間に
君の背中シャーベット
それで、もしも笑ったら
この星は砕けてしまうから
愛にならないように
でたらめな名前をつける

わにのウインク とか
ストロボ電柱 とか
 ....
時々、手に負えないところまで来てしまった、と思う。ふしぎと軽い気持ちで、すかすかした、他人を見下ろすような安全な心持で。
室内と、外気の掛け離れた温度がそうさせるのかもしれない。夏の盛り、あるい ....
インスタント闇屋さん
カップのなかで
泣き虫が笑っている
探し続けなきゃいけないものを
かんたんに手に入れようとしたことは
はっきりと罪だったと思うよ

カードは言う、
失う、だが ....
秒針が力なく明日を告げる、残骸だらけの街を抜けていくと海があるはずだ
けれどもあなたは空気の抜けた風船、口づけても口づけてもすうすうと抜けていく
今日のために買った靴を捨て 鞄を捨て 指輪を捨 ....
はるな(1880)
タイトル カテゴリ Point 日付
メレンゲ自由詩624/2/20 10:43
メモ[group]散文(批評 ...424/2/19 14:35
地獄の日自由詩224/2/13 12:35
排熱自由詩524/2/9 11:56
[group]短歌024/1/31 11:55
メモ[group]散文(批評 ...224/1/29 14:22
すみれの日[group]短歌324/1/16 23:05
自由詩224/1/13 18:57
メモ[group]散文(批評 ...324/1/11 17:10
ストーブ自由詩123/12/26 14:58
りゅうのなみだ散文(批評 ...223/12/26 11:31
自由詩223/12/8 12:32
綿の部屋散文(批評 ...123/12/1 18:46
くぼみ自由詩323/11/16 21:55
メモ[group]散文(批評 ...523/11/13 21:22
散文(批評 ...123/11/13 14:24
揺れ自由詩523/11/2 0:48
メモ[group]散文(批評 ...223/10/6 23:01
午後について自由詩223/10/1 17:56
真水自由詩123/9/27 20:15
ふるえるなかみ自由詩423/9/19 15:52
自由詩1723/9/8 15:46
夕雲自由詩1123/9/4 17:18
七時自由詩323/8/27 8:00
メモ[group]散文(批評 ...323/8/22 23:30
野菊俳句123/8/21 1:52
でたらめ自由詩523/8/11 23:03
メモ[group]散文(批評 ...323/7/21 17:10
かんたんな闇自由詩523/7/14 16:56
風船自由詩523/7/10 18:06

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