ゆっくりと、撫でてゆく
背中から本能までの
または、今日から命果てるまでの
測れない距離を、あの人の言葉は
簡単に届いて、そして、
明日に色を書き足してゆく


友情、と言っていた
 ....
描きかけた まるい絵を
仕上げた事はなかった
曖昧な空に 風船を放つ
重さなどは いらない


この世界のたくさんの声が漏れて
帰り道、溶けそうな歌声に酔う
わたしはわずかに軽い

 ....
滲んだ太陽に
土手までのびた茜色
わたしたちは 何に染められたんだろう


もしも、の空を眺めていた
鏡みたいに、
あるいは透明な


空は、夕暮れ
おしげもなく跳ねる、金魚にま ....
長い長い、ゆめが落下して
重さを忘れたわたしは、大きな幹の鼓動を聴いている
その音と音のリズムが春の速度と似ていて
甘い甘い、きみも落下する
そこらじゅうに溢れているのは、
多分、今年の
 ....
きみが帰ってこないあの日から
砂時計の砂はさかさまにこぼれて、こぼれて、
しだいに、ちいさな子供になってしまう、夜
遠くで、つぶやくきみの言葉が、わたしの名前だといい


そんなふうにして ....
音符が遊ぶようにして電線をくぐり
時折、絡まってはファルセットになる
美しく奏でるための


言葉たちは、そうしていつも
行き先を探していて
夜、は手招きをはじめる
屋根、そのオクター ....
ふゆの匂いがする

ほわり、
冬のお喋りをしよう

たくさんのきらきらするものが
眠たそうに待っているのは、きみの春
あの頃の小さな息吹が
ほわり、と手さぐりしながら
追いかけてくる ....
したたる、したたり、

侵食しはじめた月夜に
手足はどこまでも深く伸びている

やさしく影を包み込むようにして
月は、静かにあたたかい

当たり前のようにそこにいて
闇が照らすはずも ....
ああ、雨リア
風を吹いてゆけ雨リア

泥だらけの足は
土の匂いは
毎朝欠かさず
しみこませているよ

長いということは
古いということともちがう
近いということは
親しいというこ ....
夜の片隅は 窓際に満ちていて
澄みわたった天空のオリオンと
交差しています

歴史の流れを彼なら
知っていると、したら、
交差する窓際と宇宙の果てに
言葉に似たものがあると、したら、
 ....
真実を言葉にすると
嘘になる

痛みをやわらげると
傷になる

ただ すべる手と手を
ただ 重なるぬくもりを・・


今日は ホント会えてよかった
口数の多い、いつも飾ってばかり ....
大きな水槽の中に入ってしまったのは、
久しぶりだった。


そこは、ゆらゆらうごめいていて、
別々の世界が水素と酸素を融合させている。


やさしみの泡は、その中をぷくぷくと
漂って ....
舞う、

それは、かすかに穏やかで
重力と風をさらう

そして、アスファルトへと帰るまで
溶けては消え、溶けては、


あたりは、
そうそうと時をつなげている、師走
風を分けて走 ....
林檎の艶は 
きみに似ている

口を酸っぱく言われても
じゃれて、もつれた笑顔が
子猫の甘噛みのように
僕を誘うから

僕をどうか響かせて下さい。
そのしなやかな、指先で、

き ....
温かい雨がしとしと、と
無機質をかき消すように降っている

白いはずの朝は
目覚めることをしぶり
わたしと一緒で毛布にくるまったまま
息を数えている


愛しさ それは夢と現実の狭間 ....
列車の窓が
長いネックレスのように煌き
横たわって走っている

街はもう影を落とさない夜更け

きみがほら、こころ震わす音楽を
あなたがほら、光り輝く宝箱を

見つけて、染めて、頬を ....
わたしの枕元に
秋が沈む

繰り返される朝と夜の狭間で
少しずつ吸い込まれていく夢は
ふゆ色に染まり
朝、白い朝を始める

日々、零れ落ちる感情たちは
ばらばらに敷き詰められていて
 ....
せせらぎは 
言葉を濁すことを知らない

そこはかとない波のゆらめきに
疲れた手を浸し 剥がれてしまいそうな
うろこか言葉かわからないようなものを
さらさら、と流し
そして しぐさを落と ....
ねぇ いつもより少し冷たい風が吹く夜
あなたは 言ったよね?

「もっと強くなりたいんだ。」

私ならあなたに魔法がかけれるの
知ってた??

いつでも あなたの栄養剤になれ ....
昨日見た夢を思い出せなくて
描きかけた画用紙を白紙にした

ひどくのどが渇く 
あなたの輪郭が霞むころ

部屋に残った器は
あなたのかたちをふちどったりするから
急いで水を注いだ

 ....
立ちすくんだ私の頬を
ゆっくりとつたう
何かが、わからなくて
くわぁっと声が漏れる

 
    ※

 
あなたの電話の声は、
どこか戸惑いの輪郭を描く

触れることのない寂 ....
冬の継ぎ目を
誰にも気づかれないように
走りさったあの日

あの日は毎年やってくる

それは 玄関の扉を開くと同時に

背中に 過去を想い出す懐かしい匂いと
肩に もどか ....
道端に咲き乱れる
秋桜の色は チョコレート色

甘い匂いで世界を救う
なんて言ってた可憐な少女
いのちの欠片を 青い鳥を
いつも探し続ける・・・

転んで躓いて手を延ばして ....
「明日また暑くなるんだって」
そう聞いて
軽くため息

あれ
名残惜しかったはずなのに

夏の夜風を懐かしみ
秋の彩を待っている

身勝手で欲張りな私に
渡してく ....
わたしはね 
あなたの見方なんて 決めたじゃない?

わたしはね
あなたを信じるって 決めたじゃない?

あなたは 
色んな場所から言葉を見つけ出し
色んな色や模様を付けて ....
秋を潤わす金色の木立は
この時季、配色に惑うのです

茜色に染まった夕陽は
黄熟した稲穂を金色に光らせ
時を刻む砂時計に全てを託した

ざわめきと胸の鼓動は止まらない

 ....
からからと
言葉は生まれ

ぐんぐんと
手足が伸びて

我が身の一部と気づく前に
可憐にはじけ とぶ


やわらかな旋律は ことのは
彼女の心に慕う ことのは
 ....
遥か彼方で こだまする

「おかえりなさい」とささやく声


目の前に広がる 水平線は
どこまでも まっすぐで
帰りを待ちわびる

早く一緒の色になりたいのと
青い海は ....
あなたはいつもより優しい目で
私を透かして見つめる

お互いの記憶に 
後悔なんてない

暗闇でわたしにそっとささやく優しさと
ひたむきで不器用な生き方も
あなたを象るすべ ....
ドクンドクンと
音がして

ゆらゆら この身を
光らす羊水

私の中の躍動は
彼女の鼓動と
重なる夢を見続ける

広大な青空は
昔、海だったことを
思い出し  ....
さくら(31)
タイトル カテゴリ Point 日付
ボーイフレンド自由詩22*09/5/25 7:19
帰り道自由詩23*09/5/20 23:06
遥か自由詩17*09/4/8 21:46
ゆめ 〜桃色の朝〜自由詩21*09/3/17 12:06
いくつもの、夜を越えて自由詩29*09/2/24 10:26
美しい夜自由詩22*09/2/6 22:58
きらきら自由詩18*09/1/26 21:01
ゆめ 〜月と海〜自由詩20*09/1/11 11:22
雨リア自由詩7*09/1/8 21:04
ノクターンを聴きながら、自由詩9*09/1/4 22:18
Winter again自由詩6*09/1/3 12:52
ブレス自由詩12*08/12/25 21:55
雪のはじまり自由詩17*08/12/13 22:45
その、しなやかな自由詩9*08/12/9 21:38
蕾のココロ 2自由詩4*08/12/9 15:28
夜星列車自由詩16*08/11/21 22:54
モノクロ眼鏡自由詩6*08/11/19 0:48
深い森自由詩17*08/11/9 10:49
Spring night自由詩7*08/10/26 20:28
蕾のココロ自由詩9*08/10/24 7:29
マザー自由詩14*08/10/12 3:47
ふゆの日自由詩14*08/9/30 0:23
ブルーバード自由詩6*08/9/24 0:14
万華鏡2 返歌自由詩4*08/9/15 21:42
夢猫自由詩7*08/9/14 11:29
万華鏡自由詩11*08/9/14 11:27
ことのは自由詩7*08/8/31 1:00
一色自由詩4*08/8/19 11:52
再会の瞳自由詩3*08/8/15 22:04
空のさかな自由詩5*08/8/15 22:02

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