一色
さくら

遥か彼方で こだまする

「おかえりなさい」とささやく声


目の前に広がる 水平線は
どこまでも まっすぐで
帰りを待ちわびる

早く一緒の色になりたいのと
青い海は 砂と一緒に煌きだすの

どこまでも 深い青色は
どこまでも もろく瞬いて

夜空の星屑を 急いで拾い集める

まるで 最後の一粒のように・・・


夕陽の沈んだ 夏夜の砂丘
ただ一色に 静寂に包まれて


温かいお母さんにも似た

「おかえりなさい」とささやく声を
夜風がそっと運んでくれた。


自由詩 一色 Copyright  さくら 2008-08-19 11:52:29
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