万華鏡
さくら

秋を潤わす金色の木立は
この時季、配色に惑うのです

茜色に染まった夕陽は
黄熟した稲穂を金色に光らせ
時を刻む砂時計に全てを託した

ざわめきと胸の鼓動は止まらない

赤く焦がした肌は
夏の輝きを忘れられず
熱を佩びたまま

冷水に飾らない手足を浸しても
夏は置き去りにできない


蝉だけは
変化に気付いたのか
何かを突然思い出したかのように
振り絞った鳴き声で
一頻り夏の終わりを歌うのです。


私は丸い筒を大空にかざし
万華鏡を創ってゆく


鏡に反射し
映える世界を
くるくる回し

これから見える
新しい模様の
想像に耽る


自由詩 万華鏡 Copyright  さくら 2008-09-14 11:27:23
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