ことのは
さくら

からからと
言葉は生まれ

ぐんぐんと
手足が伸びて

我が身の一部と気づく前に
可憐にはじけ とぶ


やわらかな旋律は ことのは
彼女の心に慕う ことのは

2本の曲線は音階となり
宙を舞う

軽やかな 空飛ぶ
さかなのように

口を開けては閉めるの
いつも繰り返し

すべてを飲み込もうとし
またやめてしまう


こんなにも 
ときを弄ばす
夜ならと

散らし乱れた
言の葉を


無造作に並べて

指でなぞって

舐めてみる


艶やかに色付いた唇は
かすかな微熱に触れ
暖かくなった息吹が
さらに 唇を赤に染めてゆく



小さな おさなごの体温は
まことの言霊を運ぶあかし


大きな 私たちの涙は
まことの体温を教える宝石



言の葉 
ハラハラ
空を飛ぶ


見えても、
見えなくても
温度はいまだ
陽だまりの中


自由詩 ことのは Copyright  さくら 2008-08-31 01:00:17
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