モノクロ眼鏡
さくら

わたしの枕元に
秋が沈む

繰り返される朝と夜の狭間で
少しずつ吸い込まれていく夢は
ふゆ色に染まり
朝、白い朝を始める

日々、零れ落ちる感情たちは
ばらばらに敷き詰められていて
白と黒の模様になった夜に
再び返してくれるから

また、泣きそうになる


今夜もハラリ、ハラリ
寒気が木の葉と踊っている


窓の外を眺める黒猫は
鈍いゴールドの瞳を輝かせ
狙いを定めている


きみのその瞳の先には
モノクロ世界が広がるから
虹の色でさえ、ただ一つの
空の汚れでしかなくなってしまう

季節を覚えながら
誰かの足音を辿っているきみは

自らの色に振り返るのだろう

ごろごろと
上手に甘えながら


自由詩 モノクロ眼鏡 Copyright  さくら 2008-11-19 00:48:03
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