ブレス
さくら

大きな水槽の中に入ってしまったのは、
久しぶりだった。


そこは、ゆらゆらうごめいていて、
別々の世界が水素と酸素を融合させている。


やさしみの泡は、その中をぷくぷくと
漂っているのに、
息継ぎが、 =呼吸
にはなれなくて
忘れることだけ、覚えていった。


浮かんでは弾ける
けれど、また生まれる


やさしさが生まれる瞬間の、痛み
必要な日常


生まれたての青はにじむはずがなくて、
ぶれているのは、きっと、
わたしなのだろうと、気づく



それでも、
それでも波が
不完全なわたしたちが


大好きだから


もう、裸の呼吸が響きに変わる



泣いたって いいんだよ


自由詩 ブレス Copyright  さくら 2008-12-25 21:55:19
notebook Home 戻る  過去 未来