ふゆの日
さくら

冬の継ぎ目を
誰にも気づかれないように
走りさったあの日

あの日は毎年やってくる

それは 玄関の扉を開くと同時に

背中に 過去を想い出す懐かしい匂いと
肩に もどかしい寒さに気を使う風が

わたしを冬へといざなう


あの日

眺めた空と水面に映った空は
秘めたあおを深め
遥か遠くにつなげている

その中で生命の光を見たような気がした

空をおよぐ魚には翼があり
お湯を浴びて潤ったわたしは
肌寒さから解放され人魚になる


それでいい

それでいい


あの日 継ぎ目の神秘に生まれた記憶

風に触れて 


自由詩 ふゆの日 Copyright  さくら 2008-09-30 00:23:53
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