蕾のココロ
さくら

昨日見た夢を思い出せなくて
描きかけた画用紙を白紙にした

ひどくのどが渇く 
あなたの輪郭が霞むころ

部屋に残った器は
あなたのかたちをふちどったりするから
急いで水を注いだ

いつまでたっても
満たされることのない海に
水平線という名前の線を引いたのは
なぜ??

空の色を何度も確かめ、
水の温度を互いに
確認しあっていたあの頃に

大人を忘れて
砂浜に翔って行って
お互いのからだをキャンパスにして
ふたつ感性を重ね合わせた
あの夜に

あなたの笑顔を思い出そうとしても
あなたは影を置いていかない


耐え忍ぶ蕾のような
静けさを覚えた
ふゆには、もう、


あなたの輪郭が霞むころ


乾いたのどの奥で
行き先を失った水が
溢れている。


自由詩 蕾のココロ Copyright  さくら 2008-10-24 07:29:24
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