氷の角度の緩いほうから
あけるつもりもなくあけた扉から
かわいた風が入りこみ
指のふくらみのはざまに熱い


奏でること
月から目をそらさずに
奏でること
奏でつ ....
まなざしの前後にひとつ小舟きて降りそそぐものを受けとめて居り




湿り気が胸の地層を掘り起こす丘を揺さぶる雷竜の夜




冬と川互いを離れそこに在 ....
水の上の火
空の姿か
底の姿かわからぬまま
ひとり ほどける


風 息 原へ
去るを見る
砕けるを見る
散るを見る


傘をたたむ
遅い夜の色
ひとつやわ ....
傷が降り
窓にとまる
話し声
水の声


青と白
多くを知る不幸
管楽器
追いやられて


父も母も妻も子も
友も自己も他も無機もない
夜のまぶしさ
 ....
けだものの背があり
けだものの背がある
やわらかく
灰を向く



鏡の内外
笛と白と波
銀は常に銀をゆく
金と緑のなかをゆく


芯のふたつある蝋燭
冥王 ....
まだらに重いまぶたの道
雨の折り目
額のしずく
まぶたの奥を巡る音


まばたきのたび
出ようとするもの
入ろうとするものが
宙に光の柱をつくる


ひとつ ....
光のうわずみ
草の行方を呑み干して
夜の鳥が鳴く
ここに居たい
ここに居たくない


願いと砂と滴の器
はばたきの影 眠りと頂
どこへゆくどこへゆく
美しさ ....
巡り終え
巡り終わらぬ花ならん
皆なかに澄みなかに澄み
花に至らぬ花ならん


埃が咲いて
小さくうすく
まばゆさはただ
夜の手のひら


冷たすぎる手のな ....
夜が落ち
夜に鳴る
風の無い 夜の明るさ


羽 葉 紙 綿
重なりと水
空へほどけ 沈む光


緑降る日
誰もいない日
青の足跡
水へつづく坂

 ....
いとなみのなかの火の合い間に
そそがれる水の熱さを見ている
波に至る前の波
拙いはじまりのはじまりを見ている


橙色が溶けてゆく
水は
話しつづける


霧 ....
かろうじてつながる
陽のなかの骨
白い壁が
歩き出しては消える
花の匂い
花の礫を残す


空より長い
影の上をゆく
ときおり丸い
鳥の火の音


 ....
家と壁と人が消え
庭が庭につながり
あふれている


どこからでも見えるほどの
巨きな建物に
たどりつけない夢から覚め
床の上の静けさを見つめる


背中だけ ....
この世には

憶えることが多すぎる

虹の色の数 足す

闇の色の数ほどで

いいのかもしれない
うすめられ 重い
緑の水
咽の狭さ
滴の擦る音


昼の天体
気づかれぬ祭
諌める仕草に揺れる
河口が海へ捧げる花


けむり ざわめき
あふれ出る影
 ....
橋をくぐる橋の向こうに
ひとつおきに壊れた灯があり
ひとつおきに鳥の背を射る


青のなかの金
金のなかの青
朝に昼に 夢をめくり
めくりめくり 剥がれ落ちる

 ....
幾度も幾度も
二重を拭く
ぬぐうたびに
三重になる
星の生まれの
道すじになる


水を進む見えないもの
飛沫が花を描き
すぐに消える
すぐにすぐに
消えてゆく ....
目に映る目
わたしの目
わたしを見ない目

片方の帰路
世界は座る
金と緑

光のなかの暗さに手を染め
窓の奥の星に触れ
重なり飛び去る 灰のはざま

崖に ....
火に話しかけて
(夜の原のうつせみ)
応えはなく
空は硬く鳴る


花が降りてきては飛び去る
鳥は川を下る
無言がかがやき
鳥のあとを追う


花の楽器 ....
夜の二階の窓の外
自分に似たかたちが拍手している
何を称えているのか
窓を開けてみると誰もいない
閉めるとまた
拍手しはじめた










 ....
誰も運転していない車に
もの凄い速さで連れ去られている
道の両側の壁にぶつかりつづける
曲がり角が見えてくる
道は祭で埋まっている
車はまだ 止まろうとしない
車 ....
風が止まり
青と黄の番
見えた川底
水鳥体操
径のくまどり
寝不足まつり
しんとした空
めくる緑は
目んたま経由
耳のはら行き






 ....
空き地がなくなり
見えない花火
曇り空の下
音だけの花火

大きな建物のまわりの草は
花も花火も見たことがない
自分のからだの奥の奥に
花があるとは知るよしもない ....
髪を切る音
霧に落ちる道
羽と火の音
氷の船


高く奇妙な階段の家
ある日消えたあとの空地を
ひとつふたつすぎてゆく声
影のなかをすぎる影


海に沈みか ....
ここにいると
ここでなくなる
踏み出すたびに
空に海になる
ここでもいいし
どこへでもいい
見つかるものはいつか見つかり
見つからないものは見つからない
ここ ....
階段で倒れた人
思うのは誰のこと
目を閉じたその顔


道を飛べない車と
何もできない人々
どうでもいいざわめき


音は去り ぞろぞろ
雨のなか元の居場 ....
あめあがり ゆ
あめあがり ゆ
つきだした くちびる

ひとしずく なめるうちに
また屋根が
さわがしい

ながれおち ん
ながれおち ん
のどつたう ん ....
がいこくのなまえ
いそがしいね
がいこくのなまえ

どこにいたの
どこからきたの
がいこくのなまえ

たくさんでてくる
はやしのようになる
がいこくのな ....
しかること
どなること
うつろでっしゃろ
うつろでっしゃろ

よわいものにばかり
つよくあること
うつろでっしゃろ
うつろでっしゃろ

めがおよいで
い ....
はいいろさん
はいいろさん
青の粒はよん
なついろさん


声がはねる
声の水
ぬれた足跡
てさぐりの音


かげろう しんきろう
はじめました
昼の ....
白い車
黒い車
自転車


集まる人
集まる子
夏休みのはじめの日


煙 火 涙 帰る足音
最後まで来ない
赤い車










 ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
夜と風自由詩409/8/12 21:42
獣たち短歌409/8/7 19:36
すぎる水自由詩809/8/5 20:49
無言自由詩209/7/29 10:37
息と色自由詩109/7/26 9:50
まぶたから自由詩309/7/24 18:13
冬虚自由詩309/7/14 15:19
ひとつ よびこ自由詩109/7/8 14:32
指とまなざし自由詩309/7/4 9:43
砂 火 木 曇自由詩209/6/29 21:03
午後とまなざし自由詩309/6/26 19:39
緑夜自由詩209/6/23 20:23
ノート(数)[group]自由詩209/6/22 0:43
はずれ ひかり自由詩409/6/20 9:18
火 目 飛自由詩509/6/17 19:47
声と花自由詩209/6/12 10:16
ひかり かすか自由詩309/6/8 16:23
影と手のひら自由詩409/6/3 20:51
ノート(46Y.5・27)[group]自由詩309/5/31 18:51
ノート(くるま)[group]自由詩109/5/30 17:42
ノート(ひるすぎ)[group]自由詩109/5/30 17:41
ノート(はな)[group]自由詩1*09/5/30 17:40
午穂自由詩409/5/29 17:36
ノート(ここでもある何処かへ)[group]自由詩109/5/29 17:36
ノート(かいだん)[group]自由詩2*09/5/29 17:35
ノート(あめ )[group]自由詩209/5/28 17:34
ノート(がいこく)[group]自由詩209/5/28 17:33
ノート(長)[group]自由詩1*09/5/28 17:32
ノート(ぢべた)[group]自由詩209/5/27 17:31
ノート(火事 )[group]自由詩109/5/27 17:30

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