銀の粒  ひとつの星座
解けてゆく月
たちどまり
再び進みはじめるたびに
目の前にひろがるものたち
「これで死ぬのか」と思いながら
生きている




 ....
言葉以前の言葉をとらえるためには
「自分は人間だ」などという考えにつきあってはいられない
狐 なめくじ 犬 足のないねずみ 死んだ木々 土くれ 
猫の脚のつけ根
ころげま ....
悪は悪のまま動かずひろがり
幸福は悪を操作する
幸福は悪にも幸福にもなれるが
悪は悪の珠を抱く
地の水の円
宙の粒
暗くかがやく重なりの日
ひとりの涙が見つめる日


歩くたびに
すぎるたびに
ふと触れる厚い葉
空へ向かう音になる


こころもとなくにじむ ....
雨の降る夜は凶暴になる
叫びは声を失くしていき身体は揺れる
昔からそうだった
何度自分の血を見つめたかわからない
夜明けの冷ややかさが最高の快楽だった
誰かが立っていると ....
あたたかさは痛み
つめたさは痛み
肉のためではなく
風のためだけに用意された穴がある
1/∞(無限大分の1)は零ではない。脳から食道を見下ろしている奴が、いつもそんなわかりきったことをつぶやく。どこまで離れれば気が済むのか。離れても離れても、かろうじて前だと感じられる ....  肩の上のものたちは再び去った。世も肩も結局は自分を苦しめただけで何ももたらさなかった。目覚めは長くなったが、終わりはさらに近づいた。


 雪が空にもどるのを見て泣いた。 ....
肩の上にまた幽霊が戻ってきた。昔と同じ重さと痛みが、どんどん自分を夜へと持っていく。まだ眠りは来ない。自分は在りつづける。あの何も無い所に近づくことなしに、自分に向かって歩むこと .... 肉が裂かれる予感がする。内蔵ではなく、表皮のすぐ下の肉がまっすぐに裂かれ、虹色の壁が刃に映る予感がする。薄暗い景色のなかに、さまざまな色だけが見え、どこからか来る強い光のために全体 .... 出たり入ったりしていたものが、
入ったきり出ていかなくなった。
このまま自分は夜に倒れる。
とどろくもの、うねるものの内に行く。
 光から遠いところにあるものの影ほど長くなる。決してまちがいではない。自分がそうだ。長い影を持つ。このままではだめなのだと知っている。だが、光に近づけばいいのか。影の内の生きも .... 目をつむれば残る窓の{ルビ光=ひ}よ
あらゆる音が聴こえる
鬼の器のように
在ることさえも忘れられた本
うたのように閉じてはひらき
曇のかたちの息をまわし
変わりつづける風と花房
捉えきれない色に微笑む


手はあたたかく
目は寒く
光の流れに疎 ....
月だけしかない月は醜い
バラの匂いは補いきれずに次々腐る
鉛につながれた手のひらの鳥と膝の丘
泳ぐものだけが泳ぎつづけて
他は底に水をひもとく
分かつは夕方
破瓜の塩
 ....
知恵などどうなってもいい
人間が勝手に作った時間とかいうものが
気になることだってあるのだ
死は避けられないし
それが来るまでの散歩の距離など
やはりどうだっていいのだ
 ....
      20年前の地球儀
      この誤りの地を見ろ
      これら海のような地を
のたうつ髪が 火の弓を撲つ
月球儀に引かれた黒い線
      名を ....
限りあるものに呼ばれ
窓をあけ また
窓をあけ
どこまでもつづく
不透明の向こうの
限りあるものに呼ばれ


暮れる色は
知らぬ色
誰かが色につけた名は
そのままその ....
さかさまの本には
さかさまがたくさん書かれていて
さかさまに読むのに適している
でも目はひとつしかないので
ときどきふたつになるときだけ読む
そのほうがもっとぐるぐるするから
 ....
犬のあとをついてゆく
時おり振り返っては笑う
犬のあとをついてゆく
コンクリートの空の地下道
下半身が猫のままの
犬のあとをついてゆく
土の道のできそこない
泥のよ ....
何もかもがずれてゆく
不幸ばかりがやってきては去る
だが自分はここに居なければならない

自分以外のもののためにここに存在しなければならない

いつかは離れていってし ....
何かを考えるだけの血が
脳まで登ってこない
ほっこりとした二重まぶたの少女の絵を
どうしても描けないでいる
日光のなかの
なかば乱れほどけた金色
灰紫の瞳は
別の時間のた ....
かわいいものは
みな食べられて
腹のなかでうたをうたう
とぅあららら ら


なんにも持たずにひとりのものは
なんにも持たずにひとりに生まれ
なんにも持たないうたをうた ....
眩む手にあふるる翳り冬と春



けだものよ応えぬ瞳応える背



降り止まぬ目に見えぬ雨降りやまぬ



花と骨つながるいのち星ひとつ



 ....
一度だけ夜を飛べない夜がある冷えた灯りのはばたきの道



降り来る火誰がおまえを責めようか燃えくずれつつ書きとめる日々



しあわせを感じたとたんしあわせは遠く ....
水も土も風もなく
時に沈むものがあり
しきりに裏返る光の道端
白い曲がり角を照らしている


腕のない小さな聖人像が
ささげられた花に埋もれ
地に向かいかしづく姿は
まる ....
小さな鉄
朝のすそ野
光の迷う道


つづくこと
つづかないこと
ここに無い声


空の句読点から
降りはじめる手
水を読む 水を読む


さくりとふるえ
 ....
指から指へ
景はわたる
花をまわす
雨をまわす



雪に点る青い芽の
ほころびぬものだけがうたいはじめて
折れた枝 折れた風
泣き眠る陽に触れてゆく


ひとつ ....
みかん色 落ちたよ
夜はもうこんなに蒼だし
蒼はもうこんなに夜だよ
西に光って 鳥も帰るよ


冷える音 止まる音
ひとつずつあたたかく
めごい瞳に降り来るよ
ひとり ....
さあい さあい
砂の道
緑がなでる
石の道
さあい さあい
雨の指


空も 窓も
夜になり
月は廊下に
横たわる
さあい さあい
光る息


粒の声が触れ ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
29Y.2・4[group]未詩・独白206/4/24 21:58
29Y.7・17[group]未詩・独白006/4/24 21:57
29Y.6月某日[group]未詩・独白006/4/24 21:56
午後と羽自由詩206/4/24 17:16
29Y.4・23[group]未詩・独白206/4/23 0:13
29Y.3・31[group]未詩・独白306/4/23 0:12
29Y.3・22[group]未詩・独白006/4/23 0:10
28Y.1・15[group]未詩・独白406/4/21 23:40
28Y.11・27[group]未詩・独白206/4/21 23:39
28Y.6・30[group]未詩・独白306/4/21 23:36
28Y.6・21[group]未詩・独白106/4/20 23:36
28Y.5・29[group]未詩・独白006/4/20 23:35
27Y.5・19[group]未詩・独白406/4/20 23:34
午後のめぐり自由詩306/4/20 16:28
26Y.6・14[group]未詩・独白006/4/19 23:27
26Y.4・9[group]未詩・独白006/4/19 23:26
26Y.3・26[group]未詩・独白006/4/19 23:24
雨と指自由詩706/4/17 20:24
ノート(夜のうた)[group]自由詩506/4/16 20:53
30Y・10.13[group]未詩・独白206/4/16 15:40
30Y・7.24[group]未詩・独白306/4/16 15:39
30Y・7.7[group]未詩・独白206/4/16 15:37
ノート(とぅあららら ら)[group]自由詩806/4/15 21:39
冬と春俳句506/4/13 17:51
光と指短歌606/4/12 17:58
午後と街自由詩206/4/11 13:29
水と手自由詩406/4/10 13:39
ゆくえ ひびく自由詩506/4/7 16:13
ノート(子守唄)[group]未詩・独白5*06/4/7 16:10
さあい さあい自由詩606/4/3 17:26

Home 戻る 最新へ 次へ
33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 
0.12sec.