少数の妙な砂炒めた数秒
出入りして差出人へ差し入れを
奇跡とか綺麗な椅子に寄りかかる
投げやりに投げかけた なけなしの声
山径を経験 軽く怪力に
可能なら何かを歌う奇数たち
停まる町 {ルビ汀=なぎさ}に{ルビ灯=あか}り佇んで
山径を経て軽快にする怪談
お嬢様言葉を使うお嬢様
ひとごとのひとことことり ひとりごと
球体と雫が崩し解いた雪
きゅーたいとしずくがくずしといたゆき
サラリーマン川柳を書くサラリーマン
....
酔いどれ身 不安な空を始動する
そら踊れ 素知らぬ顔で諳んじて
{ルビ白=しら}ソファー見れど知らんぞファミレスなど
そして空見ればどれもが霙みたい
ゆるゆると柚子が湯舟でゆれている
ユーラシア大陸と言うらしい島
まざまざとさまざまなサンマ浮かべてる
人間に成れない人と慣れる人
伽藍堂 からんと鳴らす音がした ....
水面下 存在したいひとの影
夕陽を閉じてさくさくと歩いてく
達筆で耽美的に書くダンボール
地下鉄は天国みたいに眩しくて
全部なくなったあとに降る雪の音
短歌ではないけど短歌として読む
俳句ではないけど俳句として詠む
川柳じゃないけど川柳として書く
電話には出んわを電話越しで言う
人間じゃないけど人間として出る
....
私達みんな日向のそばにいた
がらんどう からっとした空 茶道する
町並みにきみが夕日を差している
けろけろと帰る けろっとした顔で
僕らの指先で生きていた言葉
....
凩が机上に吹いて肌ざむい
プラネタリウムは地球で出来ている
お膳立てされ善い月に酔う宵よ
人の光 心は一人火を秘める
不幸中の幸い中の辛いこと
テレパシー 電信柱にシンパシー
曇天を飛んでん電動自転車で
ワンワンのお椀を追わんと終わんねぇ
{ルビ身体=しんたい}のなかの電気を消 ....
ワンワンと走る一月一日に
ドーナッツ どうなったって 遠い夏
ドレミは逸らし 奴隷の身はソラらしい
文末の先で生まれる未来の木
腕を伸ばして八月にふれて
燃えるようないかり
凍えるようなひかり
喜劇みたいな夕焼けへ溶け出す劇
どこにもない空を見上げる
腕はそこら中
肌に居た
まだ晴れることのない青空
....
ハスキー犬はスキーは好きなはずきっと
だんだんと温暖化しておったんか
思慕色の 脱字走った 呪い星
しぼいろのだつじはしつたのろいぼし
ご ご にじゅうご
ご ろ ....
存在しない街で存在しない人が存在しないこと言う
本物の関西人が本物の完全無欠な愛を探した
幻聴と耳鳴りの境界線で飛んでいる蚊を追いかけている
「それは草」ばか ....
掛け替えのない欠け方に影がある
死に体の心自体を生かしたい
ひらいた傷口が傷を飲み込んだ
暗闇であなたがぼんやり光っている
雨の降らせ方を知らない
傘に不明な日々を暮らした
配ると組み立てたから
砂利のなかにしか居ないよ
祝っていた寝転がる
声凍えている同じ指で
外側に月夜を落とす動作たち
滔々と道徳を説くトークショー
温かい日差しが青く透き通る
すずしさにゆれる黄色い花の午後
水槽の赤い瞳にふれる指
生臭い未来と生乾きの過去。失っていく、生きていく牛。
この{ルビ詩=うた}が永遠に続けばいいと思ったこともあった気がする。
イリュージョンのようなイマジネーションが、イルカ ....
あまりにも抽象的な像だった
根も葉もない花 詩のように咲いている
ぱくぱくとパクったパンを食った犬
印象が印度象的な象だった
温かい光の深く眠る骨
花 ....
心があるという事それ自体に心動かされる時がある。
あの時抱いた感情を、いつか言葉にできたら良いなと思う。
たとえその言葉が人に伝わらなくても、
僕しかいない場所に言葉がいた。
控室 空手家の手が空いている
数珠つなぎ一つづつつづいた月日
水に揺れている誰かの泥だった
ころころとこころを語呂で転がした
やっほーが無数に飛び交う{ルビ宇宙=ユニバース}
朝アサリあっさり食ってさっぱりと
焦らさずに!調べたことを!知らせるぜ!
ネイティブな発音でネガティブに言う
....
月の向こうにはあの子の影が住んでいる
あてどなく眠って夢に会いにいく
日常系アニメのような非日常
こぼれていく涙の夢をみている目
裏の顔にも表情があったんだ
....
肖像が肖像権の顔を見る
ほどほどにほどよくほどかれてくフォトン
比較的非科学的に光る敵
時間から時計が剥がれ落ちている
致命的な星空のなか歩いていた
地下鉄やネオンの街で育つ星
対岸へ光のように渡ってく
痛みのなかにある水を飲んでいる
人格の無いまま回遊していたい
6分の1だけ月に落ちていく
底なしの儚い夢を墓でみる
五七五七七になる前の歌
雑草が僕よりも生き生きしてる
マンホールでブラックホールにフタをする
陽だまりは命のたまり場になった
ねぇ、仕事は、永久ね。
ねえ しごとは とこしえね
今年、年越しとしとこ!
ことし としこしとしとこ
スタスタとスタッカートでしたダンス
糸になるから全て忘れる身体
しわ寄せで不幸せにも不死になる
イルミネーション 星たちを眠らせて
特別感のない特別だった部屋
....
ことばとは 個とは をコトコト煮込む午後
至る所にうんざりするほど金木犀
あの街の三原色が原風景
カッコよく過去を書こうとして加工
足し算と掛け算の間の風車
....
冷めた目でスープを飲んでいる日差し
人間に人間を埋め明日へ行く
ひかりのさきに星があると信じた
無数の手 言葉で耳は塞がれる
ひとりごとみたいにそっと外にいる
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