シズルがじゃらり 笑うお月さま
濡れた丘のむこうから
しゃぼん玉を割る風が
泡のように押しよせる 夜の
たたみいわし
ワタリガラス
ジル・ドレ
六文字に連なる 休符中の擬 ....
小学生のころ、夏休みになると海へよく行った
高学年になると波に挑む遊びをよくしたものだった
大きな波がきたとき、そびえ立つようなその壁のふところに飛び込んで
波を潜り抜けるという単純な遊び
....
傷だらけの
命
を
お月さんにそっと
教える
・
この魂という命は
さまざまな存在と
生きてきたが
今は私と
いっしょ
・
私の命は
一つ限りだ。
透明な風 ....
翼も時代へ、揺れ、また踏み鳴らした
かみさまの悪路では、残響が生まれ
誰もが去っていった いつか手足となって
「破裂する。破裂する。」
背中に、つばさ
:はなれられる触媒が ....
無事かー!? と聞いて
返事が返ってくるのは
無事な者からだけなので
で、よかった
皆、無事のようだと言っている
何のコントですか
まぁ、生き残った
ピンピンした人たちだけで
....
机の上のティッシュが
富士の形になり
風になびいている
今宵は何だか、気分がいい
空気は黄色くて
あの3人の大人と出会って
狂気へ堕ちる
積木で遊ぶ
生まれたばかりの僕
積木遊び
テレビで変な顔のおじさんがツボで
ゲラゲラ笑った
おじさんは僕を睨みつける
また ....
羽虫がいちばん嫌いで
ゴミの日にゴミが出せなくてね
朝、シャワーを浴びるの
冷えた体が温まるように
今日の血を回す
一生涯かけて流星になると誓った
私たちがたどり着いた大気圏が
どこの地 ....
{ルビ誰=た}が定めたる森の入り口 夜明には天使の着地するところ *
睡つてゐるのか。起きてゐるのか……。
教会の天井弓型にくりぬいてフラ・アンジェリコの天使が逃げる *
頬にふ ....
雨の降り始めに
雨の匂いがする
君の傘がだんだん小さくなる
追いかけられずに
鼻の先ツンとする
肺の中が雨の匂いで満ちて
辺りは水溜りだらけ
一人立ち尽くす
影となり
....
ずぶっずぶっ
自らの脚の
ゆっくりねっとり
黒土に沈みゆく
を、
慌てて何とか引き上げて
進む一歩、
また ずぶっずぶっ
ねっとりゆっくり
黒土に沈みゆく
視界もんわり暗闇に ....
空間を生きるものは、
光の中で存在を体験する。
時の流れを歩むものは、
創造行為の中におのれの力を感じる。
心情の深みの中にいるものは、
宇宙をみずからの中に見出そうとする。
空間の広 ....
お日さまに
光る雲を
見ている
どこか
遠い日の夏
・
風に従う
光る雲の
輪郭も
変化していく
こころも
・
笑っちゃお!
暗くしめった
こころを
あっ ....
名の無い私は
名の無い鳥に
おまえは生きろと言われ
突っ立つ
そして名付けた
・
時々は
休みながらも
進むしかないんだ
一歩一歩
この命と共に
・
終りを
....
クスノキのそば
芒漠としたまひるまの陽光に
蝉の ヒビキ
離れて住まう年老いた父の声が、
聞きたくなって
パラダイムが壊れてゆく
零れてゆく
もうそんなに時間は残っていない
砂時計の砂の中に
どうやってか紛れ込んだ星屑が
時折 きらりと光るのに
何度 気づいてきただろう
何度 気 ....
たまごの中に、朝がある。
たまごの中に、昼がある。
たまごの中に、夜がある。
たまごが死んで、個体から、液体と、気体になった。
空間が生まれ、日の光が生まれ、温度が生まれ
海が生まれると ....
自分だけは他とは違うと思うことも。
もしかしたら自分って
あかんたれかもと思うことも。
その両方を大事にせなあかんのとちゃうかな。
自分にユニークを強いることも。
自分に駄目人間のレ ....
柔らかいまま生きてるから
噛まれちゃったね
傾いていく夏をいっぱいに浴びて立っていなさいよ
そして、
わたしはもうこれ以上愛することができないから
外へ出て
いろんなものに ....
誰かのせいにしたい
医者のせいにしよう
医者のせいであった
とりわけ精神科医だ
歓喜も悲嘆も怒りも
病気ですからの一言
今となってはさらに
医者のせいであった
ワクチン ....
とおり雨が去ったあと
秋の虫が鳴いていることに気づく
草は成長することに少し疲弊しているかのようで
重くなった我が身をかがめてすらいる
どこまで生きようか、とか、目的もなく
ただ草は、神 ....
時間がとてもながい、冷や麦を食べすぎた。虫捕りはさして珍しい虫が見つかるわけでもなく、数本しかないファミコンのゲームカセットももうとっくにやり飽きた。昼間の茶の間でコップに入った冷えた麦茶を飲みながら ....
どす黒い
この罪
私のこころにあるこれを
あの人はゆるしてくれた
にこにこと
・
闇と共にある
このこころは時に
冴え返る
闇は
光の故郷
『じいちゃん、海をとってる』
小魚を掬い上げている
お爺さんをみていた
3歳くらいの女の子が
そんな言葉をたどたどしくこぼした
そろそろ帰ろうかと
ビーチで今日一日の後 ....
カミキリムシを
誤って踏み殺した
足とサンダルが
ずるずるする
ああ、
夏の終わりは
まだ先で
後頭部と首とが
チリチリ焼ける
そのうちに
脳みそに火が通り
ええ加減で
U ....
くそ暑さにぶっ壊れそうで
仕事にいっぱいいっぱいになる
ので
この手の先に人がいる
と思う事を心がけるよう
努力しようと
いまさっきおもった
水分 ....
星のように明るい海が
きみの瞳の奥に横たわっている
その眠りだけが
今 起きていて
ほんとうの事を 話そう
話そうと
細胞分裂を続けているから
わたしは知ってる
きみが もう難しい本を ....
藍に満ちた
心のグラデーション
だんだん濃くなってゆく
晩御飯の残り
冷めたまま出した
いつもと違う気配
神経張り巡らせて探す
藍色の夜更け
背中を向けながら
じっと見つめて ....
大地の上に、色さまざまに
生命の創造力が開示されるとき、
大地の素材から、さまざまな形で
生命なきものが創りだされるとき、
それを感得した魂が、意志の力で
おのれの生存の喜びを強めるとき、
....
午前三時に車出し
一番乗りで渓に着く
一投 二投 三投と
次から次へと
銀鱗は舞い躍る
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
0.36sec.