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広いスーパーマーケットの中を
大型のワゴンを押しながらあちこち回って
商品を満載してカウンターの列に並ぶと
僕はいつもめまいのようなものを感じる
僕たちはいつからこんなに
物を買うようになっ ....
誰かが蹴とばした丸石が
転がって
僕の爪先にぴたり、とまる
――丸石は、{ルビ囁=ささや}いた
空っ風が吹いてきて
一枚の枯葉は{ルビ喋=しゃべ}りながら
アスファルトを、撫でてい ....
吉祥寺の老舗いせやで
鳥の小さな心臓を食べた
今日でトーキョー都民になって、一週間
せっせと外へ運んだ
古い家具たちに手をふり
四十三年培ってきた
自分をりにゅーあるすべく
串に刺さ ....
死
白い衰弱
歩いていく
静かに
行く人のない
この道を
生への意志、
燃やして 燃やして
文体は作家の生理だという。
なるほどね。
じゃあ、詩人はどうなのか。
詩は文体であって、文体ではない。
詩人のことばは生理そのものだ。
物語ではない。
詩だ。
生身のからだを担保 ....
生きているということは
何かやるっていうことだ
寝て食って糞小便する以外に
何かやるっていうことだ
さあ、今日は何から始めようか
とりあえず独り言から書こうか
母に愛を頂戴と 両手を差し出すと
母は遠い所を見るように 私を見つめる
朝 白い大きなお皿の上に
母の首が置いてあった
寝室の机の上にある手が握っていたのは
((少しでも足しになれば…、 ....
一日中縁側で過ごす人は
陽の目を見るのが少なくなった人だ
何を話すでもなく 寄る猫を追い払うでもなく
牛乳屋を見送って 小学生の登下校に目をやりながら
物干し竿がハンガーごと錆びていくのを ....
青い青い
空の下
沢山の
ニッコウキスゲが
咲いている
吹き抜ける
風
核兵器
そんなものなければ良かったのに
原子力発 ....
寝入ると
毎夜
過去からの手紙が届く
楽しい手紙
苦しい手紙
後悔の手紙など
次々と届く
疲れた心のためにインスタントコーヒーを一杯いれる
僕は悲鳴こそあげないが
なんだかいつもテンパっている
60〜70年代に掲げた自由ってなんだったのだろう
敵はいないし仲間もいない
....
ひまになると
「なんのために生きる?」
という言葉が
追いかけてくる
しかし
生きるに値するから
生きているのじゃない
生きるに値することをめざしているから
....
人間というものは
孤立したものではなく
だれかの子どもであったり
だれかの孫であったり
だれかの友だちであったり
だれかの父母であったりする
そういうつながりの中で
人を見ることである
三年ぐらい前から気になっていた
実家跡のブロック塀のヒビ
先日やっと左官さんに補強してもらった
接着剤とセメントでヒビの入っているところを
丁寧に塗ってもらった
その仕上がりが僕はとても気に ....
拍手も喝采もなく
ただ過ぎていく日々
日常の暖炉に火はなくて
冷めていく体温
暖炉に火が欲しい
見えないものも温めたくて
最初の出会いは
最期の別れに繋がり
その間に
蔦のよ ....
陽の照る日、日は冬日、あかるい日に、
日の陽の光の広がって
あたりいちめん純白の原
ときはとけてうずをまき
めくるめく永遠の瞬間を
垂直に切り開いていく
陽の照る日、日は冬日、あか ....
太陽の廻りに虹がかかっている
時間やお金をかければなんでも手に入る
でもかける時間やお金がないひとがいる
地平の月の大きさに友と親しむ
友よ、俺はずっと抗いつづけたい
....
三線 半鐘 笛 の音
三線 半鐘 笛 の音
色とりどりの 風車
赤花黄花 揺らされて
色とりどりの 風車
九月の風に 回されて
可愛い頬を 撫でられ ....
寝台の上で瀬死に横たわっていた
虫のように息をしている
何人も神にも仏にもなれない
死人にしかなれない
死人にしかなれない
死人以外になれない
冬の夜は寒くて
冬の明かりは冷 ....
なんにもない
なんでもない
ぽかんとあおぞらあけまして
しずかなかぜがふいている
むおんのかぜがふいている
なにもないわたくしは
まちのけんそうのただなかで
たいこのおとをきいている ....
静かさ
静かさ、といふ音があると思ひます。
秋の夜長、しをれかけた百合を見ながら
静かさに耳を傾けます。
{引用=(二〇一八年十一月八日)}
....
僕の心は、僕の思い通りには全然いかない。
思いもしないことで、僕の心は傷つくし、
思ってもみない何かを、今も僕の心は想ってる。
僕の理解を越えたところで、僕の心は何かを感じ続けている。
だ ....
鈍色空は僕の心
鈍色空は僕の気分
鈍色空は行き止まり
そうしてぼんやり全てに呆けて
僕の心に花野が開ける
狭い暗渠を通り抜け
あの無上の花野に至る
暗い色のカーテンを閉めて
部屋に閉じこもっていると
雨が降っていることにさえ
気づかない
それでいい
寂しい雨が降っているだなんて
むしろ知りたくはないから
気づかないふりを ....
ひともよわい生き物です
それは死にたくなるからではありません
生きようとするからよわいのです
星空に
まるで影絵のような
時を
見上げます
不協和音と
....
うたわないディランと
自殺をしないカート・コバーン
ビー球の 転がりのなかを
夕焼けが駆け抜ける
きみにあこがれる
いつか人生に
椅子を失くす日、
....
ワイフは僕によく言う
「わかっているのに
なぜまちがえるの?」
それで僕は返す
「わかっていても
まちがえるのが僕なんだよ」
君の世界も僕の世界も
ある
それは
ここかもしれない
ここではないどこかかもしれない
ありをりはべりいまそかり
あしたのためのむかばなし
りくのさ ....
遠くの森はいつの日か
愛娘と歩いた森
今頃木々が色づいて
キラキラ綺麗に輝き出し
二人で辿ったあの道を
艶やかに照らしているだろう
娘よ、お前は元気かい?
今頃二十歳のその道を
....
爽やかな風が吹いていた斎場には
一人の人生に済みの印を押してあげる為に
集まった親族身内たち
果たしてその人の旅の行く先が
天国でもその反対方向でも構わない
もしかしたら
宇宙の知らな ....
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