気象台横のごつごつと張り出した岩の上に、よじ登るようにして立ちあがれば、海峡と町の景色が突然足の下にひろがる。そしてその先、海峡の向こうには、白い岩山の山脈がゆったりと雲の下に姿を見せ広々としている .... 遠ざかってしまったと思えた青空も
実は雲の上に、まだ残っているのだろう
目に見えないからと諦めてしまうのは、いけないことではないのでしょうか?
(頑張っている貴方に、これ以上頑張れという ....
ねじを巻くのは
走れなくなったから
アスファルトのざらついた感触が
踵に痛くて
右足と左足の交差が作る
不確定なアルファベットが
読めなくなってからでは遅いのだ
きり、きりり
かつ ....
記憶の断片を繋ぎ合わせて
どんな言葉を紡ぐの
頼り無げな唇は
か細い吐息が洩れて

すっと消える流れ星
幾つもの思いを背負って
夜空を流れていく
随分重いだろうに
何も言わず儚げで
 ....
 出会いは不思議と偶然でも、あの時でなくてもいつかきっとそうなったと思うほど、二人何かに導かれるように知り合った。
 大学の図書館で、いくらもない日本語の本の中から、読めそうな小説をさがしている時に ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか


田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく


華 ....
 マロニエの街路樹が黄葉に色付き、小ぬか雨が毎日のように降り始めると、もう秋冷の季節がやってきていた。
 まとわり付くような秋雨の中、娘ははダウンタウンで彼と落ち合うと、一緒に通っている大学からのバ ....
旅先でたびたび
行方不明になる僕のこころ
旅先でたびたび
あて先不明になる僕のこころ

一度は「二度と」と考えて
その場所を去りました
三度四度と回数を重ねては
きっともう離れられない ....
香の濃いコーヒーの匂い

時間など忘れてしまいそうな一時

走るのを止めないのは

駆け抜ける風が心地いいから

旅にでるからもちものはきびだんごで

そういって後にした

数 ....
色が死んでいく季節の中で
鮮やかに咲く秋の薔薇
何故それほどに、と
数え切れぬほど問われたけれど
同じ夏と冬の狭間でも
身を切られたことがない人たちに
その違いは決して分からない

そ ....
ブタのエサを喰え!
ブタのエサを喰え!
おまえらみんな
ブタのエサを喰え!

この掃き溜めの現代に
食い物屋なんて何処にもねえのさ
蕎麦屋じゃ座敷から煙草の煙
油浸しのイタリアン
肉 ....
僕に裁ける空はない

僕に裁ける光はない

僕に裁ける風はない

僕に裁ける悲しみや

僕に裁ける幸福など

そんなものないのだ


空も光も

風も悲しみも幸福も

 ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ

夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを

縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
歩道の舗装のひび割れたところの饒舌
くすんだ向かいのレコードショップのイエローのテント
縁石に座りこんで俯いて泣いてる10代と思しき女
交差点の電柱の下で乾いた血液みたい ....
side A
ふゆの朝は
空気が澄み
題名がない
そのせいで

すれ違う人
配達する人
散歩する犬
徘徊する人

みな一様に
言葉を求め
言葉を探し

気がつくと
別々 ....
 
 その髪のすぐ下、右の肩に小さな木の葉のような痣があった。
 重は、その痣を見ながら、自分にも葉の形の痣が腿にあったのを思い出し、ほんの一時同じ家系か、一族かそんな血を持つ娘を目にしているよう ....
お父さんが忘れていった弁当箱を
お父さんの働くベーコン工場に
持って行くことになったボビーくん。
目立つようにとお母さんから真っ赤な帽子を被せられたけど、
工場の中は機械だらけで、やっぱり迷っ ....
{引用=



波に揺られているのがあたりまえでした
足が地に着いていたことなど稀で
たくさんのしあわせに濡れては
なんて、寒いんだろうって思っていた

あなたがとてもかなしそうで
 ....
全寮制の中学に通っていた

六時から十時までは

途中休憩をはさんで学習室で勉強だった

中間試験が終わった十月の土曜日

その日だけは自習時間がなかった

テレビ室には二十人くら ....
意地悪なお嬢様は
デートの途中の事

突然走ってきた馬車に
長ったらしい髪の毛引っ掛け

上品ドレスも台なしね!

自慢屋の王子様は
ベースを掻き鳴らしてた

そして権力で乗っ取った
武道館のライブ ....
{引用=off



部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。

街灯の光がカーテンを透かし
 ....
もっと息子と向き合えよ
と 夫は言う

筋ジストロフィーの息子は
23才になった
もう 完全に大人の男だ

あの頃
あの6年弱は
わたしにとって格闘の時代だった

小6の担任から ....
 
 重も、その娘に手を差し出すと、つとその手を握り締めて暗い廊下を、何人もの男をそうしてきたような慣れたいざない方で部屋へと連れていかれる。
 そんな時、言葉など必要ないのが、いまだに英語もまま ....
 ぜんまいが壊れたから、神様が代わりに心をくださったの。祖母は私だけに、内緒でそう教えてくれた。昔ね、おばあちゃん、お人形だったのよ。とってもきれいな、きれいなお人形……。私の手を握る祖母はそう呟くと .... 光のぬくもりは
私の頬をななめに撫でて
ゆっくり後退していった

津山駅ゆきの
この乗り物は
私をぐらぐら揺らしながら
こっそり古代へ連れてゆく


あの頃は
ママに叱られそうだ ....
例えこの世界が嘘だとしても
私の頬を包んだ
貴方の手の温もりは
真実だと泣いた

波が打ち寄せる岸壁に
叫んだ
私の人生は終わりだと
何故貴方達は言うのか
自らの人生でさえ
危うい ....
最近詩を書いていることを女房に嗅ぎつけられていると感じてきた。
この間もDSIでログなんかチェックしていて、女房が部屋に入る直前あわててDSIの電源を落としたりした。
女房曰く「なにこそこそやって ....
あたしには他人が何を考えて生きているか
本当のところ分かっていないけれど
たぶん全員が自分と同じように悲しんだり
うれしくて涙を流したりするんだろう

抱きしめられるように花ひらく
泣きな ....
ひとは宇宙に行くときに
地球の何を持って出る
ひとは宇宙に出て行くときに
どこまで地球を持って出る

宇宙の豚インフラトン
超バナッハ空間のバナナを持って
ペットボトルにはエリクシル
 ....
 北の海は凍てつく潮風がのし掛かるような厳しい冬空の下にあった。
 北上してきてやっと大洋から入り組んだ細い海峡へ、そして最後に港のある入り江に辿り着いた帆船はどれも内陸からの荷が町まで届いておらず ....
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