干からびた夜空に、わたしの喉は辛く蠢いて。
どうにも君に見せたい星が見つけられずに困っています。

ほら、やっぱりあの日に流れ落ちてしまったのではないかな。

彼女の黒い髪と共に海に流してし ....
墨色に溶かされたあなたの体が、
ここでは美化されて壁に飾ってありました。

両の手首には楔が三本ずつ打ち込まれ、
鮮血に染まった空が少しだけ泣いているように思えます。

細長く、節のある体 ....
夢は過去に溶かされた。
空気中に漂う粒子がやわらかい光を放つ。
それはきっとあたたかい。

立ち止まっているのは動けないだけ。
迎え撃つのは簡単だがこの手で仕掛けることはできない。
腹痛が ....
そそくさと去り行く夏の記憶を確かめようと
深緑色に澱むお堀ばたを訪れてみた

色とりどりのウエアでストレッチに余念の無い肢体は眩しく
人恋しさを見透かされてしまうようで
遠慮がちにちょっと離 ....
猫が伸びしてあくびする。
それを見ていた子猫も
ふぁ〜あ

子猫のあくびに
母猫
ふぁ〜あ

子猫が虫を追いかける。
前足交互に
しゃぁーっ
しゃぁーっ

そのあと、子猫は肉 ....

幼いころ
妹はお風呂が嫌いで
兄は爪を切られるのが嫌いで
わたしは歯を磨くのが嫌いだった
だからそのころのわたしたち三兄弟ときたら
妹は髪から極彩色のきのこを生やし
わたしはのどの奥 ....
夏が終わるのが目に見えた

夏、最後の日

ヒグラシが鳴いている

カナカナカナカナ

空が夕焼けになった

夏を思うと

サラリと涙がでた

夕焼けが美しいので

 ....
もうお姉さんになったので私は大人たちが飲む紅茶をもらえるようになりました。今までは色でごまかした甘い水を飲んでいましたが、今日はお母さんたちがいつも飲んでいるような高級なティーカップが私の前に置かれて .... 聞こえなくなっちゃった右の耳が
ざわざわ きーきーしてた
右の耳が聞こえるって
私の声がしゅわしゅわと
サイダーみたいに溢れ出て
あなたの周りを包み込む

ありがと

神様がいた ....
ふらいふらい

千切れたクレープ生地の
生焼けの切れ端でも

欲求不満の気休めに
どうぞ甘いものを

はためくような


あげるあげる

それも


コーヒーと一緒 ....
もしも女の子が生まれたら舞子と名づけよう
男の子だったらマイケルにしよう
発音をネイティブっぽくマイコゥにしたらさ
男女どっちでも大丈夫だから

お腹にまいこぅと語りかけながら
彼がそんな ....
暖簾靡いて
初秋を告げる
静寂の下
淡い酸味を懐かしむ
この青空はあの日と変わらず
期待を寄せてチャイム待つ


理由もないまま急ぎ足
畦道の花が愛おしい
掌ほどの綻び
ふふふ、 ....
夕暮れの風が民家の風鈴を鳴らし、
茜色のまなざしで今日をねぎらうように、わたしの頬を撫でてくれる。
その涼しさに、ほっとして深く息を吐く。
庭先には、萎れた朝顔が脱ぎ捨てた服のように垂れ下がり、 ....
3分間で出来上がるカップ麺はあるけれど

3分間で出来上がる世界など存在はしないだろつ

もしそんなものが存在していたら

もうインスタントワールドは

たちまち売れてみんなが神になる ....
こういう場所に来ると
スクレロフォビィによく会う
スクレロフォビィが
いちばんいなさそうな場所なのにね
なぜか集まってるのは
スクレロフォビィばっかりだったりする

   *

私達 ....
水面下で寝息をたてるわたしに
おはようのあいさつは
いつもキスだった

大切はいつも
抱えていたつもりで
放り投げていたかもしれない

川のあたりできれいな石を探すようには
見つから ....
かなしみの淵をなぞるゆめ
鋭利なガラスで指を切るゆめ
開いた詩集を風が繰るゆめ
その一ページに血をこぼすゆめ

うすももいろの唇に
ぼくのインクで紅を引くゆめ
まだ汚されぬやわはだに
 ....
僕はパソコンの前にいて
女房はミシンで縫い物を
僕と女房の間には我が猫が、
我が黒猫が女房と僕の顔を
とっかえひっかえ
見上げていた。

猫は突然しっぽを上げ
僕の前を横切って
キー ....
傷つけようとする者は
傷つくことを何より恐れる
ガラスの剣の鋭利さに惚れ
ずっと捨てられないままに握っている

だから貴女は笑えばいい
馬鹿と、馬鹿と


運命に身を委ねると言えば格 ....
「始」


新たな枝の方へ折目正しく曲ろう

幼い葉っぱにいちいち名前をつけよう

選んできたのはいつも自分だから

勇気を転がしながら歩き始めよう




「発」
 ....
「ねえ確かに感じるこの死の匂い
わかるの
視覚でも聴覚でも感じられないこの香り
神様の匂いかなあ
わかるでしょ?君も」


私たちの宗教に入らない?
女の子だけだし
お菓子もたくさん ....
ねえアリス、君と私って天使なんだよね、だって君の背中には小さいけれど白い翼が生えてるもん
私にも生えてる
今すぐ家を出て飛びに行こう?
あそこ、学校の近くの橋の下の大きな川
私あの暗くて深い緑色を見る ....
神様
ありがとうございます
やっぱり私今日は会えない気がしてたの

大雨
大雨が降ったの
しかもアリスお腹痛いって
だから今日は無しになった

変わりに私たちはお互いの写真を送りあっ ....
頬がストロベリィジャムの女の子が生まれた日にはたしか
僕は君とあたらしい世界について話していた


その日が何曜日かなんてのは僕たちにはどうでも良くて
クリィムを混ぜている水車を見るとそ ....
純情と憂鬱の皮を剥いて
果実のような素肌に傷をつけていく
痛くないよ
海では前髪を濡らした人魚が泣いていて
不透明な青の瞳が
もうひとつの宇宙のようだ


静かな夜の粒が少しずつ降 ....
灰色の目をしていた
水の切れかかった
向日葵のように
いつもうなだれていて
青空ももう写らない
死を模して
日常を葬って
あたしには
そんなに大きな棺は
要らないの
一輪の小さな野 ....
ボタンを外していく器用な指の動き
パンをちぎり口へ運ぶ迷いなき指の動き
ミメーシスの強迫観念もなりをひそめて
肩の高さで揺れる髪に無言になる宇宙

丸い乳房 しなやかなアキレス腱 唇 声
 ....
きみをわかつ
やんわりとつつみこむ
きみをこきゅうする
きみでこきゅうする

よるをわかつ
あぁかいほのおでわかつ
こきゅうをりかいする
かんかくでりかいする

まんじゅしゃげはて ....
真夏の道
揺れる蜃気楼の向こうに
君が見えた気がして
通り雨

子供達の笑い声が
吸い込まれた雲
秋の気配を
忍ばせた空気に
形を変えて流れてゆく
夕暮れ

空の色が紫に変わる ....
緑の旋律 てのひらよりこぼれおちて
レティナに舞うすべての形 曲線 肌の白さ
優美で華奢な少女というニセモノじみた絶対
ひとつの奇跡のようにひらく花のような軽さ

笑い声泣き顔 細い指薄い瞼 ....
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