カンザシの
椿の花に
メジロ来る
今日もオンリーワンマンで宅呑みしていたら
ドラゴンのアッシュじゃない方の頭が良い方のケンジの事を不意に思い出して
....
必死になって 一瞬でもいい、小説になりそうな時間を繰り広げて
必死になって 一瞬でもいい、花火になりそうな時間を打ち上げて
必死になって 一瞬でもいい、映画になりそうな時間を映しとって
....
やけに暗い緑色だと思った
真ん中のひゅるりとした布の裂け目が
暗い
目の前の人間がなにごとか話し
私の体が脱臼していく
頭と首は左へねじれ
右手は直角に天をさし
右足はぶらりと行方不明
....
車椅子に座らされて
ポツンと窓辺の席に居た
病院の中は明るく
居心地良さそうに思えた
眼を閉じて朦朧としている
あなたは……
見舞いに来た
娘たちの顔も分からない
どんよりと眼を ....
私があなたを好きになった日、
私の心は赤かった
闇夜に灯った明るい火の輪
一頭のライオンが駆けてきて
ひと跳びにくぐり抜けていった
その先は草原になっていて
....
あめがかたにふるのは
このうちのねつをしずめるため
あめがかたにふるのは
このてをもりにかえすため
あめがかたにふるのは
のびたおもい ....
ゆうぐれに
流れおちる黒い髪
首すじをつたって
とびたっていった夏の
影を踏んで
わたし、
あなたの
掌にそっと
針を刺しました
あらゆる
温度がならされ
あますことなく
....
天に向かって屹立する塔
尖塔、巨大な実用性か
シンボルとして辺りを睥睨する
関東平野の中奥へも
その塔は睨みをきかす
馬鹿ほど高いところが好きだよ
O君
君のおかぁさんは橋の ....
自分さえよければいいのか?
同感である
この朽ち果てた なすび!
腐った アボガド!
思いやりのように風化していく野菜たち 恋人たち 老婆たち
....
川辺の光の
光のあやとり
すぎるものたちが
映り映らず
すぎてゆく
生きものは生きもののまま
在るものも無いものもつながってゆく
降る会話 巡る会話
水紋ではな ....
見知らぬ人から届いた
小包を開いたら
一つの箱が入っていた
ふたを開けたら
何処かの海がなみなみ
小波を立て
一艘の小さい舟が浮いていた
小船は夢の陸地を目指してい ....
蟻んこの墓は小さ過ぎて見えない
やっぱりそれは土の中
甘い罠にはまった末の
ガラスの蟻地獄でもない限り
だとしても
斥侯も出さない女王蟻が
弔意を示す訳がない
無きに等しい一介の
労働 ....
蘇生のイキをするように
そっと虚空に
言葉をはなったとき
言葉はすぐにちりぢりになってきえた
あの日の
あの青空には
二度とであえはしない
....
除雪車に
ウチの可愛い雪だるまが拐われました
深夜2時(25時58分)の出来事
私は裸足で追いかけた
100m 200m 辿り着いた近所の川
無惨な姿で発見されました
可愛いウ ....
どこか、遠い、ある日に作られた柔らかな言語で
その柔らかさよりずっと柔らかく、けれど反響する言葉で
夕立が襲う屋根の下の静寂のように
あるいは待ちわびるスピーカーのざわめき、そのよ ....
まだ
誰一人として
踏みしめてはいない
ふわりとした新雪のままの
土手に重なって 遥か遠く
超然とした白雲が広がり
それを 微かに淡い
冬の空がつつんでいる
こがね色の午後の日差し ....
うだで めんこい だはんこき
いいふりこいて おだってる
へなまずるくて たふらんけ
みったくなしは あっぱくせぇ
そったらことで ばくるんだら
なして かまかして ごっぺがえす
ご ....
森のなかにその広場はあった
その広場にだけ光が降り注いでいた
広場には
どうしても二つ食べたくなるホットドック屋があった
ホットドック屋のそばでは
サッカーに興じる者
ベンチから立ち上が ....
前世はおむつでした
その前は
朝顔を咲かせた藍染の浴衣でした
かすかに覚えているのです
あなたと
一緒に
縁側で線香花火をしましたね
華々しく燃えたあと
ぽたりと火種は落ちて
こ ....
古骨をそっとかしげる わっちの手
包むは惚れたお方の手
初雪でありんす、あたたかい
北風を待つ渡り鳥
いつか別れの袖ふるを知り
もちぃっと一緒にいておくんなまし
....
ジューネンくらい前の詩とかが書いてあるノートを引っ張り出す
そう言えば君はこの「とか」の用法のレポートを書くと言っていたね
そのウチの何冊かはよくわかんない奴に捨てられたらしい
よくわかん ....
突然現れた希望が
暗闇の中ですさんだお前の身体を
光の元に暴き出した
お前は頭を抱えてうずくまる
ふしくれた指の間から
針金のような髪が四方八方に飛び出している
かびたパンのような身体には ....
画用紙に描くと 広がっていく
すべるような混ざるような微妙な線を何度も
分かるという事は大したことじゃない
引くたびに色づく線を 頭に教えた
鮮やかな空を描いた
きらめく星も描いた
....
一年に
たった一度の
正月に
現フォを開く
お前は馬鹿か
....
さかなウオは宙空を飛翔し、
そのウロコの窓から少女は
口をあけて地球を眺め望みます
ひとまわり大きくなるころに
少女の瞳は星のネオンの棲み家となって
着陸 ....
だめだ
それは
もう
わたしというそんざいの
しょうめいを
しょうめいを
テトロドキシンの
そんざいを
そんざいを
にげたらこういうの
さようなら
さようなら
いらだちをかくせ ....
一本の草となり風にゆれている
無数のいのちの気配
静かで心地よいざわめき
一本の草となり風にゆれていた
触覚をおもいっきりのばしてみる
しびれるような蜜蜂の羽音
暑く深く
生と死 ....
寂しさの上に
雨が降る
怒髪の上に
雨が降る
導きの上に
雨が降る
約束の上に
雨が降る
しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
そんな気の良いもんじゃない
じとじとべ ....
山を眺めるのが好きだった
巡る季節はどれもみな魅力的で
春の霞とうららかさ
蝉時雨 打弦の瞑想
夏の視線と秋の吐息で染め抜いた錦の衣を脱ぎ捨て
張りつめた冷気の中でも微動だにしな ....
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